Interview 17.02.23

ヤフー、伊藤羊一さんに学ぶ「自分を導くリーダーシップ」前編

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Supershipの5つのバリュー「Super simple」「Super focus」「Super challenge」「Super honesty」「Super ジブンゴト化」。Experts Keynoteは、そのなかの「Super challenge」をテーマに不定期で開催している社内勉強会で、毎回、外部からお招きした講師に自身の経験をもとにSupership社員のチャレンジに向けたキーワードを教えていただきます。

今回のゲストはヤフー株式会社の「Yahoo!アカデミア」責任者を務める傍ら、グロービス経営大学院講師としても活躍されている伊藤羊一さんです。以前に勤めていた文具・オフィス家具メーカー、株式会社プラスでの経験を中心にお話しいただきました。伊藤さんのチャレンジとは・・・?


――ヤフーで「次世代リーダーの創出・育成」を目的とする企業内大学「Yahoo!アカデミア」の本部長を務める伊藤さん。そんな伊藤さんが今回語るテーマは「Lead the Self 〜自分を導くリーダーシップ〜」です。

 

■今の日本のビジネスを取り巻く現状について

――まずは日本の経済成長率と人口推移について。そこからわかる、日本のビジネスを取り巻く現状とは・・・

「まずは1956年から2012年までの日本の経済成長率と人口の増減をみていきましょう。戦後10年くらいの1956年から1974年までの20年弱の経済成長率は平均で約9.1%。これはものすごい数字です。2013年くらいの中国と同じくらいの成長率です。これが高度成長期ですね。そのあと、1973年のオイルショックやバブル経済などもろもろを経て、1991年から2012年の“失われた20年”と呼ばれる時代に至ります。この時期の経済成長率は、わずか0.9%。私たちはこんな時代に生きているんですね。

日本がこのように経済成長を鈍化させてきたのは、人口の増減と強くリンクしています。日本の人口は、9,000万人くらいからどんどん増えていきましたが、1974年ごろから伸びが鈍化し、直近の国政調査では遂に総人口が減少したそうです。」

 

■何か新しいことをやる必要がある

――経済成長と人口増減の間には密接な関係があるという伊藤さん。他の先進国と比べて、年々若い世代が減っている日本の人口ピラミッドについても危惧しています。

「日本の人口ピラミッドをると、人口全体のなかで若い人が少なく、これは年々人口が減っていくことがわかります。日本と正反対のピラミッド構造を持ち、人口増加が見込まれるアフリカでは、昔の日本のように、同じことをやっていれば、自然とどんどんビジネスの規模は大きくなっていくでしょう。しかし、日本だとそうはいかない。同じことを続けていく限り、規模は小さくなる一方です。そんな国に私たちは、生きているのだということをまず認識しましょう。僕たちは何か新しいことをやるか、ビジネス構造を抜本的に効率化するか、海外に仕事を探しにいくか、いずれかに可能性見出必要があるわけです。

また、今後50年先の日本人口推移の予想をみると2056年頃には人口が9,000万人程度にまで減少します。何も新しいことをしなければ、日本の経済も衰退していくわけです。特に注目いただきたいのが15〜64歳の生産年齢人口です。2012年には7,800万人いた人口が2056年には4,400万人と約半数になってしまうことが予測されています。実感がわきにくいと思うので、わかりやすく説明させていただきますと、直近5年で生産年齢人口は、500万人減ると予想されています。これは、ざっくり福岡県の人口に匹敵します。この状況をしっかり心に刻んでおいて欲しいですね

 

■伊藤さんの「Super challenge」とは…?

 

――このような状況のなかで伊藤さんが進めたビジネスは、モノではなくサービスを売ること。具体的には、例えば翻訳会社、印刷会社とタッグを組んで、装丁やフォントは変えずに、文章だけを日本語から英語、中国語に翻訳する「翻訳ワンストップ」というサービスです。

「はじめは販売のトップや、経営トップから反対されましたが『やるか、やらないかだ!』と言い続けてやり通しました。こういうことをずーっとやっていると、誰かがついてきてくれるものなんです。

まずは、既存の部署でやるとコストがかかってしまうことを理由に1人の部署を作りました。たとえ1人の部署であっても、形を作るということが大事だとえて、「自分1人でやるので大丈夫です!」と周りを説得して。半年後には、やっぱり僕1人では難しいので、もう1人兼務で人員を入れていいですか?と社長に相談して、また半年後には、2人じゃ無理です、新人の社員を入れてください、と言って3人参画してもらい、5人部署に。5人でやれば、なにかしら実績が出るわけです。そしてその次の年には15人、全国で30人くらいの部署になりました。まずははじめることが何よりも大切なんだと実感しました」

 

――サービスをスタートした当初は鳴かず飛ばずだったという伊藤さん。この事業が軌道に乗るきっかけは、長野のとある大学への売り込みでした。(Vol.2へ続く

 

<講師 伊藤羊一さんプロフィール>
ヤフー株式会社 コーポレート統括本部 Y!アカデミア本部 本部長
東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。
1990年日本興業銀行入行、企業金融、事業再生支援ほかに従事。2003年プラス株式会社に転じ、流通カンパニーにてロジスティクス再編、グループ事業再編などを担当した後、2011年執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括。2015年4月ヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院でリーダーシップ科目の教壇に立つほか各企業のインキュベーションプログラムでメンター、アドバイザーを務める。

まとめ
伊藤さんの講義の前半となる今回。たくさんのキーワードをいただいたお話のなかから重要な点をピックアップしました。

①なにか”新しいこと”をはじめよう
人口減少にともない、経済成長率も低くなりつつある日本。この状況を変えるためには、今までになかった新しいことにチャレンジすることが必要

②とりあえず“はじめてみる”ことが大事
人や予算は後からついてくるもの。思いついたらまずはじめよう

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