セミナーレポート

ヤフー、伊藤羊一さんに学ぶ「自分を導くリーダーシップ」後編

 

Supershipの5つのバリュー「Super simple」「Super focus」「Super challenge」「Super honesty」「Super ジブンゴト化」。Experts Keynoteは、そのなかの「Super challenge」をテーマに不定期で開催している社内勉強会で、毎回、外部からお招きした講師に自身の経験をもとにSupership社員のチャレンジに向けたキーワードを教えていただきます。

 

今回のゲストはヤフー株式会社で主催している「Yahoo!アカデミア」の責任者を務める傍ら、グロービス経営大学院講師としても活躍されている伊藤羊一さんです。Vol.1では、日本のビジネスを取り巻く現状、そして伊藤さんが始めた新しいビジネスについてお話しいただきました。1人部署から始まったという新ビジネスは、どのようにして売上を伸ばしていったのでしょうか?


■実際にリリースして、お客様の声を聞くべし

――翻訳会社、印刷会社とタッグを組んで、装丁やフォントは変えずに、文章だけを日本語から英語、中国語に翻訳する「翻訳ワンストップ」というサービスを立ち上げた伊藤さん。はじめから順調ではなかったというこのビジネスが軌道に乗ったのは、とある大学への売り込みがきっかけだったといいます。

 

「大学の学術論文を英語で書く研究者に、アブストラクトという要約部分で翻訳サービスを利用いただけるのではないか、と販売店からヒントをもらい、長野にある大学の研究室をまわったんです。そしたら、その日だけでなんと15件もの契約がいただけました。そこから大学への売り込みがはじまり、事業の売上も順調に伸びていきました。

 

ここでが感じたのは、”市場に近いところからビジネスは回る”ということです。市場が動けば販売店さんは喜びますし、販売店さんが動けば営業も動く。営業が動けば本部や経営者も動き出す。何よりも大切なのはお客様ということです。なので、お客様の反応をいち早く知るためにも、いったん世に出してみる。そして、お客様の意見をサービスに反映させていく。そのサイクルが大事なんです」

■新しいことを始める上で大事な3つのこと

――事業統合などこれまでにたくさんのビジネスを成功に導いてきた持つ伊藤さん。その経験を通してわかったことは「自ら突っ込んでいくことの大切さ」だといいます。

 

「世の中ってほとんどが見えないこと、わからないことだらけ。ここで大事になってくることが3点あります。

 

まずは、“自ら突っ込んでいく力”ですね。何事もやってみないとわからないもの。やってみてはじめて、そのサービスやビジネスモデルが正しいかわかるんです。

 

残りの2は、“我慢強さ”と“鈍感力”。何か新しいことを始める際、外野からの批判はつきものです。「ダメなんじゃないの?失敗するんじゃない?」などと、そこかしこから言われ放題なんて状況も。これは我慢比べな部分がありますね。また、我慢強さと併せて、”自分に信念があるなら、他の人から何を言われてもく。失敗するかもしれないし成功するかもしれないし分からないですよ”というスタンスでいられる鈍感さも大切になってくるんです」

 

■震災の経験から学んだ「思いの強さ」の大切さ

――“自ら突っ込んでいく力”と“我慢強さ”、“鈍感力”。こういった力はどこから生まれるものなのでしょうか?

 

「一度しかない人生で自分が何を成したいのか、という”思いの強さ”から生まれるものだと考えています。

僕の場合、一番大きなきっかけになったのは2011年に起きた東日本大震災の際に、プラスの物流復旧リーダーをった経験ですね。地震影響で危機管理のリーダーが地方足止めになり帰ってこられなくなった中、さまざまなアクシデントなってまれた状況でしたが、物流の経験かし、地震の起きた金曜日の翌日、土曜日から準備を開始し、その後も流通網の整理や販売店さんの支援、ガソリンの確保等を行い、1週間後には青森、秋田、山形県の物流網を、そして翌週の週末までには、岩手、宮城、福島の物流網を、一部ですが復活させることができました。この時には、プラスの売り上げが震災影響けずに維持するどころか、ご注文をたくさんいただき、サプライヤーさんでは、『プラスでは何が起きているの!?』と言われていたようです」

 

――当初はそんな伊藤さんに対して「混乱に乗じて商売しようとしている」という声もあったという。そんななか伊藤さんはどうして動くことができたのだろうか。

 

「いろいろな意見をいただきました。もちろん、私自身もボランティアなどで支援したい気持ちはあったものの、会社や自分自身が一番力を発揮できるのは本業においてだ、とえました。本業でできる支援が一番強いはずだ、と。なので、は商売を復活させることに専念しました。これは、阪神大震災の際に、地震が起きた翌日からお店を開けた、ダイエーの故中内元社長から学んだことです」

■自分の軸を固めてチャレンジしよう

――何かにチャレンジするにあたって大切なことは「自分の軸を固めること」だと語る伊藤さん。「自分の軸を固める」ためにやるべきことをえていただきました。

 

「”自分の軸”というものを理解するにあたって、まずはみなさんに”自分の信念”や”自分は何故今ここにいるのか”、”そもそも自分は何がしたいのか”、“何を考えている時が一番楽しいのか”といったことを改めて考えてみて欲しいんです。まずは『自分に問を立ててみる』ことが大事。Supershipのみなさんは、みんなの輪をつなげるという、素晴らしいチャレンジをされています。これがワクワクしてたまらない、ということであれば、ここにいる意味があると思います」

 

――自分の人生を賭けられる、と思わない限りは何事も続かない。伊藤さんは、最後こんな言葉で話をまとめられました。

 

「僕が前職でやっていたのはオフィス用品をちゃんと届けること。それは、会社の事業をオフィス用品やオフィス家具といったベースの部分でサポートする、という役目でした。みなさんは、インターネットで今までになかった新しいものを作る、という役目の会社です。会社には、それぞれ役目があります。Supershipが担っているのはこれまでにないものをつくるとてもエキサイティングな仕事だと思います。みなさんがイメージする姿が未来になっていく・・・。こんなに楽しい仕事はないでしょう!ご自身の夢を、Supershipにかけて、チャレンジしていってください。」

 

次回はどんなお話があるのでしょうか。どうぞお楽しみに!

 

<講師 伊藤羊一さんプロフィール>

ヤフー株式会社 コーポレート統括本部 Yahoo!アカデミア本部 本部長

東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。

1990年日本興業銀行入行、企業金融、事業再生支援ほかに従事。2003年プラス株式会社に転じ、流通カンパニーにてロジスティクス再編、グループ事業再編などを担当した後、2011年執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括。2015年4月ヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院でリーダーシップ科目の教壇に立つほか各企業のインキュベーションプログラムでメンター、アドバイザーを務める。

まとめ
伊藤さんの講義の後半となる今回。たくさんのキーワードをいただいたお話のなかから重要な点をピックアップしました。

①市場に近いところからビジネスは回る
市場が動けばビジネスが動く。市場の反応をいち早く知るためにも、まずは世に出して、その意見を反映させていく素早いサイクルが大切になる

②新しいことを始めるにあたって、“自ら突っ込んでいく力”“我慢強さ”“鈍感力”の3点が大事!
何事もやってみないとわからない。まずは、自分から突っ込んでいく姿勢が必要。新しいことをやる際には批判をされる可能性も。それを気にしない鈍感力や、やり続ける我慢強さも大切

③自分の軸を見つめ直そう
”自分の信念”や”自分は何故今ここにいるのか”、”そもそも自分は何がしたいのか”、“何を考えている時が一番楽しいのか”など、自分に対して問を立てみよう。そこに合う目標が見つかれば、新しいことをやり遂げるための力が生まれる
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