Interview 17.03.17

ヨーヨー世界チャンピオンのBLACKさんから学ぶ「チャレンジの見つけ方」後編

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Supershipの5つのバリュー「Super simple」「Super focus」「Super challenge」「Super honesty」「Super ジブンゴト化」。Experts Keynoteは、そのなかの「Super challenge」をテーマにして不定期に開催している社内勉強会で、毎回、外部からお招きした講師に自身の経験をもとにSupership社員のチャレンジに向けたキーワードを教えていただきます。

今回のゲストはヨーヨーパフォーマーのBLACKさんです。前編では、ヨーヨーの世界王者に輝きながらも、社会的な評価が伴わず苦悩されたお話や、行動指針となる「自分にとっての幸せ」を定義したエピソードをうかがいました。ヨーヨーの地位向上というゴールのために、シルク・ドゥ・ソレイユ出演という大きな目標を立てたBLACKさん。大いなるチャレンジはどのようにしてなされたのか。後半となる今回は、その秘密に迫ります!


■課題をクリアするために大切なこと

――前回のお話のなかで、自身の「幸せの定義」をもとに「シルク・ドゥ・ソレイユ出演」という大きな目標を立てたBLACKさん。しかし、それは前人未到の高すぎる壁ともいえます。BLACKさんはどのようにそのチャレンジをクリアしたのでしょうか?

「私がよく使うのは『言い訳をつぶす』という手段です。できる方法を探すのは難しいんですが、できない理由=言い訳って、簡単に思いつくじゃないですか(笑)。なので、まずはたくさん言い訳を列挙して、それらをひとつひとつつぶしていくことで、一歩ずつゴールへ近づいていこうという作戦です。

ヨーヨーでシルク・ドゥ・ソレイユに出演するなんて、誰もが難しいと思うことです。正直、私自身もそう思いました。周りからも、『ヨーヨーなんてオモチャじゃん!』とか、『ヨーヨーでシルクは無理でしょう』『小さいヨーヨーは大舞台では見えないのでは?』など様々なことを言われましたし、自分でも『練習する場所がないんだよね』などとできない理由を考えていました。でもこうした言い訳が、実はゴールへ近づく階段になってくれるんです」

――たくさんの「できない言い訳」。BLACKさんはどのようにして言い訳をつぶしていったのでしょうか?

「まずは、これらの言い訳について、本当にそれが障害として成立するものなのかを考えました。たとえば、1つ目の『ヨーヨーはオモチャだから、シルクの舞台で通用しない』は、冷静に考えてみると根拠がないですよね。そういったものは無視することにします。

次は、『練習場所がない』という言い訳について考えてみましょう。大舞台でも見栄えする演技を作るためには、広い練習場所が不可欠。こちらは理屈が通ります。それでは、この問題をどう解決するか? 私はそんなときに『もしリソースが無限だったら?私がすごくお金持ちで、時間も無限にあったらどんな手段を取るのか?』と考えるようにしています。

パっと思いついたのは、自分専用の体育館があれば理想的だなということ。これは今でも欲しいと思っているんですけどね(笑)。しかし、よくよく考えてみると体育館ほどの広さは必要ない。シルク・ドゥ・ソレイユと言えど、ステージの広さには限りがあります。検討の結果、ダンススタジオくらいの広さでも十分だという結論に至りました。それでも、個人が定期的に貸切利用するには費用がかさみますが、深夜0時から早朝6時という時間帯で借りることで、金額を抑えることが出来ました。これで、練習場所の問題も解決です。

そして、3つ目の『ヨーヨーは小さいから大舞台では見えない』という言い訳。こちらも理屈が通る、解決すべき課題です。“だったら大きくすればいいじゃないか!大きいヨーヨーを作ろう!”と考え、旋盤職人の方の力を借りました」

 

■人の力を借りるときに必要な2つのこと

――チャレンジにおいては、人の協力が必要となるときがあります。BLACKさんの場合、そのひとつが、シルク・ドゥ・ソレイユの舞台でも見栄えする大きなヨーヨー作りでした。BLACKさん流の人の力を借りる際に気を付けているポイントについて伺っていこう。

「私は、誰かになにかをお願いする際、気を付けていることがあります。

それは、『努力すること』と『正直でいること』の2点です。

まずは『努力すること』

前人未到のチャレンジにおいて誰かに力を借りるときは、無茶なお願いをすることが多いものです。いわば、メニューに載っていない料理をオーダーするようなお願いです。そうした場合、その人が実際に力を貸してくれるかどうかは、お金の問題よりも気持ちの問題の方が大きいと思っています。

では、普段から怠けている人と、いつも頑張っている人のどちらに力を貸したくなるのか。答えは明白ですよね。自分なりにできることを精一杯やり、それでも足りない部分においては力を貸してもらう。それが、人の力を借りる時の筋なのではないでしょうか。

そして『正直でいること』

力を貸して欲しいと頼られる人というのは、相応のスキルを持っているのはもちろん、人を見る目を持った方が多いです。そんな方に対して、本当は努力をしていないのにしているフリをしたり、自分を大きく見せるような嘘をついても、見通されてしまうものです。自分の努力や実力を、等身大に正直に見せるのが一番だと思います。

■BLACKさんの次の目標は・・・?

――言い訳をつぶし、多くの人々の力を借りて、ついには「シルク・ドゥ・ソレイユ出演」「TED登壇」といった夢を叶えてきたBLACKさん。彼の次の目標はどんなものなのだろうか?

「以前はヨーヨー選手の社会的評価向上が活動目的でしたが、今はより多くの方々の役に立ちたいと考えています。これは、TEDにて聴衆の方から『教育の分野で力を貸して欲しい』と言われたのがきっかけです。私の情熱、自ら道を切り開いてきた経験を子供たちに伝えることで、変化の激しい時代を彼らが生き抜くための力になってほしいと。

今日の講演もその一環です。対象をヨーヨー業界に限定することなく、一人でも多くの方々に喜んでいただける『ヒーロー』を目指し、パフォーマンスや講演活動を続けていきます」

■チャレンジに失敗はない

――これまで数多くのチャレンジで成功を収めてきたようにみえるBLACKさんだが、振り返ってみると9割以上は思うようにいかなかったそうです。しかし、それは「失敗ではない」という。どういうことだろうか?

「断言しますが、成功しないチャレンジはありません。何かにチャレンジして思い通りにいかなかったとしても、そうした失敗は必ず今後の糧になります。次に似たチャレンジをする際に、『前回はこの方法はダメだったから、今回はこちらの方法でやってみよう』と考えることができます。こうした知見がたまっていくと、次のチャレンジの成功確率はどんどん上がっていきます。そして、いつか必ず成功します。

つまり、チャレンジに失敗ってないんです。いきなり大成功してしまうか、次なるチャレンジに向けた勉強になるか。この2択しかないんです。どう転んでも、メリットしかない。

根拠のない先入観や人目に惑わされないで、自分のやりたいこと、自分の幸せを追求してください。情熱を持って努力すれば、不可能はありません。私も小さいころは身体がとても硬かったのですが、25歳からバレエを習い始めて、今は前後開脚もできるくらい柔軟性を上げることができました。何を始めるにも遅い事はありません。

仕事を通じて、あるいはプライベートにおいて、みなさんが様々なことにチャレンジし幸せな人生を送っていただけることを、心より願っています。本日はどうもありがとうございました!」

次回はどんなお話があるのでしょうか。どうぞお楽しみに!

 

前編はこちら

 

BLACKさんのパフォーマンスや活動についてはオフィシャルサイト

 

<BLACKさんプロフィール>

ヨーヨーパフォーマー / シリアルドリーマー

東京都出身。青山学院大学卒業。
2001年、米国フロリダ州で行われたヨーヨー世界大会で優勝。
大学卒業後は会社員として一般企業に就職するも、ヨーヨーへの情熱を捨てきれず、2007年、プロパフォーマーとして独立。
2013年には世界最高峰の講演会「TED」に登壇。日本人として初めて正式にスピーチを行い、世界中から集まった1,000人の著名人らからスタンディングオベーションを得た。
2014年より、シルク・ドゥ・ソレイユ「KURIOS」に、シルク史上初のヨーヨーアーティストとして出演。ストーリーのカギを握る『時の支配者』役としてソロ演目を担当し、500回以上のショーを好演。100万人以上の観客を魅了した。
著書に「『好き』をつらぬこう」(PHP研究所)、「TEDスピーカーに学ぶ『伝える力』 魂を揺さぶるプレゼンテーション」(角川学芸出版)。

 

まとめ
BLACKさんの講演の後半となる今回。たくさんのキーワードがあるお話のなかからポイントをピックアップしてみました。

①課題解決=できない言い訳つぶし
 目標を達成するためには、まずできない理由を考えて、それをつぶしていこう
 その先に課題を解決する方法が見つけられる

②人に力を貸してもらう際に必要な2つのこと
 人に協力を求める際は「努力をすること」「正直でいること」の2つを意識することが大切

③チャレンジに失敗はない
 チャンレンジして成功しないことがあっても、それは「勉強」であって「失敗」ではない
 チャレンジのゴールは「成功」か「勉強」のどちらかしかない
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