2017年6月13日、Supershipの媒体社向けアドプラットフォーム「Ad Generation(アドジェネ)」と、アプリ専門の分析・グロースハックツール「Repro」が共同開催にて「【アドジェネ×Repro】Growth Hack Talks#4」を実施いたしました。
レッドブル・ジャパン (Red Bull Japan)様にレッドブル飲み放題の素敵な会場をお貸りし、イベントは大盛況でした。
本イベントのテーマは、「グロースハック(ユーザーの声や数値からデータ分析し、ユーザー数の向上やサービスの質の向上をさせる施策を行うこと)」ということで、ゲストに「C Channel株式会社」と「エキサイト株式会社」からディレクターをお招きし、アプリ分析結果から得られる最適な設計・運営のヒントなどについて講演していただきました。
本記事では、そのサマリーをレポートいたします。
・Ad Generationが解説する、広告設置の鉄則
・「C CHANNEL」が実践するKPI設定の方法やコツ公開!
・「LAURIER PRESS」が解説する女性向けアプリならではの“フォトジェニックの重要さ”
・「Repro」が解説するアプリ内マーケティング実践のステップ
Ad Generationが解説する広告設置の鉄則
まずは、Supershipの文屋が登壇させていただいた内容から「Ad GenerationのPR」と「オススメな広告実装の法則」からレポートします。
Ad Generationは、媒体社様のためのスマホアプリに特化した制約なくご利用いただける自由なアドサーバーです。 |
国内で唯一、Facebook Audience Networkと接続しており、SDKの実装やアップデートなしで利用できるAPC(※Ad Parts Collection。弊社が作った造語)形式 によって国内外の広告事業者と接続しています。さらにアドネットワークの直アカウントタグを自由設定してレポートをまとめられるカスタムタグ機能の提供、自社広告・純広告の配信に対応している点など、国内のSSPとしては後発ながらも、日によりますがAppStore上位ランキングの約半数のアプリで導入いただいているツールです。
今回のイベントは、ニュースなどのコンテンツ配信をされているメディア様が多かったため、文屋からは「コンテンツ配信メディアにおける広告設置の鉄則」を紹介させていただきました。
そのポイントは“落ち着きタイミングで見える位置に大きく”広告を設置するコトだそうです。
コンテンツを読みに来たユーザーに不快感を与えるような広告の実装方法を出来るだけ避け、ミスタップを誘発しないような誠実な広告設置によりユーザーとの信頼関係をしっかりと築くことだと思っています。
今後、Ad Generationではまだまだサービス強化のための施策を行っております。
例えば、
ナショナルクライアントによる店舗誘導やブランディング目的の配信が広まるような環境づくりの推進
・ネイティブ広告のさらなる強化
国内外のネイティブRTB、ADNW連携強化による広告案件の拡充
・サーバー間連携によるデマンドの拡充
動画も含めSDKのアップデートなしでサーバー間でのアドネットワークとの接続配信(APC配信やRTB)の推進
などなど…ご期待下さい!
本レポートではご紹介できなかった、最適な広告実装事例やご相談も承っております。気になった方はお気軽にお問い合せください!
参考記事:
スマホ向け国内最大級SSP 「Ad Generation」の現状と今後の展望について / Supermagazine
「C CHANNEL」が実践するKPI設定の方法やコツ公開!
国内最大規模の女性向け動画ファッションマガジン「C CHANNEL」のディレクターを務める齊藤 健太様からは、「C CHANNEL」で実践している具体的なKPI設定の方法やコツについて講演がおこなわれました。 |
「C CHANNEL」は、月間再生数6億回超えの国内最大規模の女性向けの分散型動画メディアで、アプリのダウンロード数は350万を超えています。配信している動画はほとんど自社で制作を行っているオリジナルコンテンツで、日本だけでなくタイ・台湾・インドネシアで展開し、英語以外の様々な言語にも対応しているのが特徴です。
●「C CHANNEL」はこちらから AppStore / Google Play
そんな「C CHANNEL」のディレクターがアプリ分析において設定しているKPIは、シンプルに“再生数”と“起動率”の2つ。その2つの指標をさらに細かく落とし込んで、例えば“セッションあたりの再生数”、“セッションあたりのスクリーン遷移数”、“スクリーン毎の離脱率”などをアプリ画面の各所に仕込んだトラッキングツールを活用して定点観測し、PDCAを回すことで日々改善の施策を行っているとのこと。
例えば、サンプルとして紹介いただいたのがトップページの分析方法です。
まず新規ユーザーと既存ユーザーそれぞれの離脱率と離脱ポイントを確認します。次に、縦にずっとスクロールが続く長いページになっているので、どこまでスクロールされたかのスクロール状況を分析します。あとは、クリエイティブに応じたクリック率や、広告動画の視聴数などを細かくトラッキングする、といったようなデータを日々分析し、定点観測を行っています。
これらのトラッキングにはReproの動画分析機能が使われており、自前でトラッキングしようとするとアプリのソースコードに色々と手を入れないといけないところを、Reproを使うことによって分析をしたい1画面にコードを仕込むだけで分析を実現させているそうです。
その他、効率的な運営環境への工夫も行っており、例えばユーザーからのストアレビューや、アプリのクラッシュ分析ツール「Fabric」 や「SmartBeat」 をSlackと連携(インテグレーション)させることでリアルタイムに運営チーム側へ通知が届くようにしているとのことでした。
なかでも特に印象に残ったのは、アプリマーケティングにあたり最も重要なのはとにかく「毎日アプリをつかうことである」という言葉です。C Channel 株式会社代表の森川様はとにかくいつでもアプリをチェックしており、社内でもいち早くバグに気づくこともあるとのこと。当たり前なことですが、まずは運営者自らがユーザーの立場で常にアプリを使う習慣をつけることが、アプリの改善への一番の近道ではないでしょうか?
もっと詳しい講演の様子はReproさんの講演レポートからご確認ください。
月間再生数6億回超え!「C CHANNEL」アプリディレクターが重視しているKPIを大公開/Growth Hack Journal
「LAURIER PRESS」が解説する女性向けアプリならではの“フォトジェニックの重要さ”
次に、「LAURIER PRESS」ディレクター古川 慧様による講演が行われました。 「LAURIER PRESS」は、“自分磨きを頑張る女子”を 応援するメディアということで、スピーカーの古川氏もこの日はピンクの「LAURIER PRESS」のロゴ入りTシャツを着て登場。「これを着ると男の自分でも可愛らしくてポジティブになれる」と、女性向けアプリディレクターとして女性の気持ちを理解しようとする姿勢が素敵でした◎ |
●「LAURIER PRESS」はこちら App Store / Google Play
「LAURIER PRESS」は、もともとウェブサイトとして5年間運営してきましたが、昨年7月にウェブデザイン・コンセプトを大幅にリニューアルし、昨年末にiOSのアプリをローンチしたとのことで、歴史あるメディアをウェブとアプリそれぞれでサービスを展開したことによって相乗効果でさらに成長している女性向けのオリジナル情報メディアです。
アプリ化に関しては、ユーザーからの要望が多かったというのもありますが、AppAnnieの2016年アプリ市場総括レポートによるとスマホの利用時間のうち、アプリの利用時間が85%で、そのうえ、スマホユーザーの中でも女子は特にアプリで情報収集をする傾向が非常に高いという理由からメリットを多く感じてアプリ化に踏み切ったとのことです。
なかでも、最も大きなポイントとして語っていただいたのがアプリ設計において最も重要視したという「フォトジェニックさ」というコンセプトについてです。
ウェブではどうしてもSEOを重視した見せ方になってしまいますが、アプリではSEOを意識する必要がないので、Instagramのような「フォトジェニックさ」を重視した見せ方をしています。
インスタっぽさにこだわった理由は、女性は何かの意思決定をする際に画像で判断する傾向が高いから、なのだそうです。
旅行会社の調査でも25%の女性が旅行先をSNSで探した画像で決めるという調査結果もあるとおり、女子力を高めたい女性向けのアプリとしては、「フォトジェニックさ」は非常に重要なポイントなのです。
このように、ターゲットとなる若い女性ユーザーの好みに寄り添ったデザインでコンテンツを展開することで自然と「ユーザーのファン化」につなげることができます。
ウェブサイト側でユーザーをあつめてアプリへ誘導し、アプリ側で女性の好みに寄り添ったコンテンツをみせることで自然と「ユーザーのファン化」につながり、良質なユーザーを集めるよいサイクルができている事例の紹介でした。
その他、iOSアプリリリース直後に単月14万DLを達成した秘訣として、ランキング上位に掲載されるための、ターゲットを絞ったプロモーション方法(Twitter・Facebook・InstagramなどのSNS)や、ライターとしてコンテンツ発信をしているインフルエンサーによる告知などが紹介されました。
女性向けアプリならではのアプリ設計について参考となる貴重な講演でした。
もっと詳しい講演の様子はReproさんの講演レポートからご確認ください。
女性向け人気Webメディア『LAURIER PRESS』が感じたアプリ展開のメリットとアプリ成長のためのポイント/Growth Hack Journal
「Repro」が解説するアプリ内マーケティング実践のステップ
Reproからは、佐々木 翼様より同社が提供している無料で使えるアプリのグロースハックツール「Repro」を使って、実践可能なアプリのリテンションをあげるためのコツについてご紹介いただきました。 |
可処分時間の取り合いとも言われているような、まさにアプリ戦国時代とも言える昨今、ユーザーに長く使ってもらえるようなアプリになるよう、チューニングする作業は非常に重要なものです。
チューニング実践にあたるステップはシンプルに2つ。まず①ターゲットを明確化させ、それぞれのターゲットごとに②ボトルネックを発見し対処するといったものです。
まず1つめのターゲットを明確化する(ペルソナを設定する)ステップにおいては、行動軸と属性軸の縦横軸でターゲットをあてはめ、そのターゲットをひとつひとつ掘り下げてペルソナ設定をしていくのかポイントなのだそう。
なかでも、これまでいろんなアプリのコンサルティングをしている中でもっとも有効だったペルソナ設定手法として紹介されたのが「共感マップ」といわれるものです。
一度ではなく、定期的にアプリの運営者同士でペルソナ設定を行うワークショップを行うことが理想的です。
ターゲットがはっきりしたら次はいよいよ、実践ステップにはいります。
Reproではアプリグロースハックツールの利用者に対して「問題発見フレームワーク」を提供しているそうですが、今回はこのフレームワークの元となる基本的な考え方についてご紹介いただきました。基本的な実践ステップとしてはこの4つに分けられるそうです。
▼問題発見の4ステップ
1. ボトルネックを見つける
2. ボトルネックをつぶすための仮説を立てる
3. 仮説にもとづき実行する
4. PDCAを繰り返す
このように、大きく2つのステップについて今回は基礎の部分を少しだけご紹介いただきましたが、もっと詳しく知りたい!という方はReproさんへご相談ください。
▼Repro
https://repro.io/jp/
以上、長くなりましたがイベントに参加させていただいた中で印象に残ったポイントをいくつかまとめさせていただきました。
Ad Generationでは今後も、アプリ媒体社様のためになるようなセミナーを積極的に開催していく予定ですので、ご興味のある方はお気軽にご参加ください。