コラム

KDDIの位置情報ビッグデータとDATUM STUDIOの高度なデータ分析力で新たなインサイトを導き出す『Location Trends』とは

新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらしたパンデミックにより、人々のライフスタイルやワークスタイルは過去に類を見ないほどのパラダイムシフトを起こしました。企業活動において、この行動変容から多大な影響を受けた人流の変化や行動特徴を把握・分析し、高度な予測からデータドリブンな意思決定を行うことが非常に重要な課題となっています。

DATUM STUDIO株式会社(以下、 DATUM STUDIO)は、2021年4月よりKDDI株式会社(以下、KDDI)が提供する位置情報ソリューション『Location Trends』に共同事業パートナーとして参画しました。KDDIが提供する正確な属性データが紐付いた位置情報ビッグデータを基に、DATUM STUDIOの高度なデータ分析とAI(人工知能)活用の知見を活かし、お客様の課題を解決するコンサルティングサービスを提供しています。

今回はKDDIとDATUM STUDIOに、位置情報ビッグデータの有効活用を実現する『Location Trends』についてうかがいました。

<参加者>

KDDI株式会社 データマネジメント部課長補佐
石橋 弘志

複合機メーカーのシステムエンジニアとして、基幹系システム、組込み開発など多数のプロジェクトを経験。その後、商品企画部門に異動し、IT子会社、販売子会社などで商品企画、マーケティング、プロモーション全般を担当。2018年にKDDIにジョインし、位置情報系サービスの新規事業企画、アライアンス推進、営業推進を担当。現在は位置情報系サービスの企画・販売パートナー協業と顧客開拓に従事。

 

 

DATUM STUDIO株式会社 コンサルティング本部 戦略企画部
殿内 界

コンサルティング企業にて、大手証券会社向けの国際金融規制対応システム・管理会計高度化システム構築に従事。2020年にDATUM STUDIO入社、Salesforce・Teamspiritを活用した商談/プロジェクト管理・勤怠システム整備を担当。現在は位置情報系サービスの企画・VR/AR技術を活用するCMS整備・ARメイクトライオン推進に取り組む。

徹底したセキュリティポリシーで管理されたKDDIの位置情報データ

石橋: KDDIはGPSデータを蓄積して位置情報データをお客様に提供しています。
このGPSデータの取り扱いにあたり、以下の仕組みを構築しています。

  • スマートフォンユーザーであるお客様の同意を取得
  • お客様の個人が特定できないようにデータを加工、非特定化処理
  • 一定エリアに少人数の場合は、データ表示をしない小人数値のマスク化

こうした徹底されたセキュリティポリシーの下、KDDIでは位置情報データを提供しています。

KDDIが提供する高い精度と信頼性のある数百万人規模の位置情報ビッグデータ

石橋: 我々が取り扱う位置情報データには、3つの特徴があります。

  1. データ取得は24時間365日間、数分間隔で実施
  2. バックグラウンド(スマートフォンのアプリが非起動状態)でもデータ取得
    し、スマートフォンの契約者情報に基づいた正確な属性データ(性別、年代等)が紐付く
  3. GPSデータと地図情報をマッピングすることで、道路単位での通行量や進行方向の分析が可能

これらの特徴より、KDDIのGPSデータは高頻度でのデータ収集と正確な属性データを活用できることで、高度な人流分析を可能とすることが強みとなっています。

 

顧客の目的・課題に応じたKDDIの位置情報ソリューションサービス

石橋:  KDDIではお客様のデータ活用のニーズに合わせて、3つのソリューションを提供していますので、ご要望に応じた最適なサービスをご案内いたします。

ソリューション1_動態分析レポート『Location Trends』

『Location Trends』はお客様の要件をうかがい、課題の設定から最適な分析によるレポーティング、さらには施策立案まで手厚く支援を行うサービスです。KDDIが提供している位置情報ソリューションにおいて、もっとも高度な分析ときめ細かなサポートを行うものとなっています。

特に観光関連のお客様から、観光におけるスポットからスポットへの移動経路や宿泊地などを把握する周遊分析において高いニーズがあります。

ソリューション2_商圏分析ツール『Location Analyzer』

ウェブブラウザーで利用できるクラウドサービスです。サービスログイン後に表示されるマップより、調査エリアを指定することで、簡単に位置情報データの分析を行えます。居住者・通勤者・来街者別で人口表示や道路ごとの通行量も表示されるため、自店だけでなく競合店の来店状況の把握を目的とした商圏分析が行えます。

ソリューション3_『KDDI Location Data (au人口動態データ)』

KDDIより移動滞在のローデータを提供させていただき、お客様で独自に分析していただくサービスです。
正確な属性データと紐付く位置情報ビッグデータだけでなく、お客様が所持されるデータと統合して分析いただくことも可能です。

190以上の中央官庁・自治体および一般企業様の採用実績がある『Location Trends』

石橋: 一般的に位置情報サービスのでデータ取得は、GPSまたは基地局からの2種類となっています。

基地局データを利用している位置情報サービスは、1時間毎かつ数100m基準(都市圏)や数km基準(地方)でしかデータ取得を行っていません。このため、基地局データを活用した他社の位置情報サービスは、行動履歴分析に適していません。

一方、KDDIはGPSデータを活用し、数分毎かつ10m基準でデータ取得を行っています。これにより、詳細な行動履歴としてデータが活用できるので高精度で正確な行動分析が可能となります。

『Location Trends』では、この高頻度で取得した各地点のデータを結びつけることで、観光地などのスポット間の移動経路や交通手段、宿泊先など把握できます。

さらに性別・年代の属性データが紐付くため、「どのような人が観光スポットAから電車に乗って、観光スポットBに訪れ、スポットCで宿泊した」という周遊分析が可能です。これまで数多くの自治体様の観光事業にて「どこの地点で、誰に、いつ、どのような施策を実施すればいいのか」という分析に活用いただき、データドリブンな戦略策定から効果測定まで支援させていただきました。

これからのまちづくりに求められる「動態の可視化」における『Location Trends』の活用

石橋: また、自治体様が主導となるまちづくりでは、現状の人の動きを把握して、建物を建設したことで変化する動態を予測して計画が策定されています。

しかし、これまでは計画に基づく建設が終わるとプロジェクトは終了していましたが、昨今注目されているEBPM(エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング)の取り組みより、その後にまちがどのような状態にあるかを把握・分析することが必要となりつつあります。

こうしたケースでも『Location Trends』は、目的別(居住・ビジネス・観光・買い物 等)で人の動きを分析し、そのまち独自のニーズや課題を抽出するなど、まちづくり計画策定の支援をいたします。

イベント開催の前後や過去開催との比較分析より、イベント独自の課題抽出や施策算出を支援

石橋: イベントにおける具体的な事例として、東京で毎年2回開催される『コミックマーケット(以下、コミケ)』での活用があります。

このイベントは1日に十万人以上の動員がある大規模なものです。このため、イベント開催時の人流と滞留する地点を把握し、どの場所にどの程度の警備員を配置すべきか、適時的確な判断が非常に重要となります。
また、コミケではイベント前日から会場周囲で徹夜組が発生するため、対策として的確な交通規制が必要となります。このようなケースでも、『Location Trends』は高頻度でデータ取得を行うので、精度の高い計画の立案が可能となります。

他の事例では、世界中のアスリートが参加する国際的なスポーツイベントの東京開催に向け、首都圏の通勤人口を抑制する取り組み「テレワーク・デイズ」が実施されました。この取り組みにおいても、過去の通勤人口との比較や交通手段別の効果測定なども行っています。

位置情報データの分析ニーズが高まる「コロナの以前と以後」

殿内: 最近の潮流として、やはり「コロナ以前」と「コロナ以後」を比較できる位置情報データの分析ニーズが非常に高くなっています。

多くの自治体様が2020年春より以前と以後で、何が変わっているのか、どのような行動変容が発生しているのかを非常に気にされています。

こういったニーズに対しても、基地局データでは取得頻度が低いため、移動経路や立ち寄った地点など、詳細までは把握できません。

KDDIの位置情報データは、属性データからユーザー層をカテゴライズした上で、移動ルートや周遊状況など詳細に把握できるため、コロナの影響による行動変容の分析を高精度で行うことができます。

さらに『Location Trends』では、過去データが蓄積されているので、2020年春のコロナ直前との短期間との比較だけでなく、それ以前の推移を踏まえた比較・分析ができることも大きな特徴の一つです。

KDDIグループのシナジーを創出するDATUM STUDIOとのパートナーシップ

石橋: 今回、DATUM STUDIOが『Location Trends』のパートナーとして参画いただくにあたり、2つの点で期待をしていました。

まずは1点目は、グループシナジーを活かしたバリューをお客様に提供できることです。お客様への対応速度を上げ、リードタイムの短縮化を期待しています。

現在DATUM STUDIOより殿内さんがKDDIに出向いただいたことで、円滑なコミュニケーションが図れ、非常にフレキシブルな対応ができるようになりました。

もう一点は、AIや機械学習によるデータ分析を一緒に行っていけるということです。我々の事業の本質的な価値は、分析結果からその意味づけや示唆を導き出し、お客様に提供することです。

今回、AIや機械学習の知見があるDATUM STUDIOがパートナーとなったことで、新たな分析手法の導入やお客様への施策支援などの取組を行うことで、位置情報データ活用の価値向上を図りたいと考えています。

殿内: 「DATUM STUDIOが『Location Trends』にパートナーとして参画させていただき、KDDIの位置情報データの分析をより深く高度に行うことで、データ活用の範囲が広がると考えています。

従来通りの『Location Trends』の定型的なレポートを提供させていただきながら、DATUM STUDIOのAIや機械学習に関する知見を用いることで、これまでの分析では抽出できなかった示唆を導き出すことができます。

また『Location Trends』に限らず、KDDIが展開する他の位置情報ソリューションの『Location Analyzer』や『KDDI Location Data (au人口動態データ)』でも同等の取り組みを行い、KDDIグループとしてののシナジーを発揮していきたいと考えています。」

『Location Trends』の今後の展望について、お聞かせください。

殿内: 「これまで『Location Trends』は、自治体様の観光動態分析を中心に採用されてきましたが、今後は他の分野でも活用いただければと考えています。

一定エリアのミクロな分析を強みとする位置情報ソリューションなので、商圏分析はもちろんのこと、鉄道の駅やバスの停留所の設置などの路線計画における交通分析でもニーズがあると考えています。

また、データ分析に留まらず、きめ細かなコンサルティングにより課題発見から解決の方向性まで一貫してご提案させていただきます。」

石橋: 「先述にありますが、DATUM STUDIOがパートナーになり、分析にAIを用いることで、位置情報データをより有効に活用する支援をさせていただきます。
また、新規にコストを抑えたサービスメニューも検討していますので、観光関連はもちろんのこと、その他の目的でも導入いただければと考えています。
生活様式が新しくなっていくなかで、位置情報データは非常に注目されています。高頻度で取得できるGPSデータだからこそ導き出せる示唆や意味付けにより、お客様に高い価値を提供していきたいと考えています。」

Location Trends サービスサイト
https://www.location-trends.com/

DATUM STUDIO コーポレートサイト
https://datumstudio.jp/

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