コラム

KDDIの位置情報ビッグデータを活用した『Location Trends』紹介 〜都道府県別レポートの活用事例〜

『Location Trends』はKDDI株式会社(以下、KDDI)が提供する位置情報ソリューションです。KDDIが提供する正確な属性データが紐付いた位置情報ビッグデータを基に、共同事業パートナーであるDATUM STUDIO(以下、 DATUM STUDIO)の高度なデータ分析とAI(人工知能)活用の知見を活かし、お客様の課題を解決するコンサルティングサービスを提供しています。

SuperMagazineでは、2021年9月にKDDIの位置情報ビッグデータとDATUM STUDIOの高度なデータ分析力で新たなインサイトを導き出す『Location Trends』とはで『Location Trends』の紹介をさせていただきました。

今回は第2弾として『Location Trends』の新たな取り組みである、都道府県別レポートの作成と活用事例についてお話させていただきました。

<参加者>

KDDI株式会社
パーソナル事業本部サービス統括本部データマネジメント部
樋田 英能

 

 

DATUM STUDIO株式会社 データソリューション本部
菊池 昭夫/澤田 秀貴/土肥 満里奈

※組織名・役職名は2022年3月時点のものとなります。

都道府県別レポート作成の背景・目的

樋田:以前より全国の地方自治体様から「位置情報データを用いて観光地の分析を行いたい」という要望をいただいていました。加えて、新型コロナウイルスの影響による人流の変化に対して、関心が更に高まったことを背景に、都道府県別レポートの作成に至りました。特に観光業に携わられる方々は、各観光地や各エリアにどのように人が流入しているのかといった点や、コロナウイルス流行前後の人流の変化に対して高い関心を持たれているため、全国同条件でデータ抽出を行い、都道府県別の分析を行いました。

都道府県別レポート作成時のポイント

菊池:ポイントは2点あります。1点目は、コロナウイルス流行前後での人流の変化が一目でわかるアウトプットを心がけました。コロナウイルスの影響で外出を控えられている方が多いことから、特に観光地の人流が減少しているであろうという想定のもと、レポート対象エリアは有名な観光スポット15箇所を選定した上で、一年間の来訪者数の推移・来訪時間帯・来訪者の性別・年代・居住地を軸に分析を行いました。
2点目は、観光スポットに訪問された方の属性、居住地を明確にすることです。どのような人がどこから来訪されているか、という視点でエリア分析を行うことで、エリア別の特性が明らかになることは勿論ですが、コロナウイルス流行前後で起きた行動変化の様子を明らかにしたいと考えました。来訪者の性別・年代・居住地の分析についてはKDDI Location Analyzer(※1)を用いて集計を行ったため、本人許諾を得た属性データを用いた精度の高い分析が実現できたと感じています。

※1:GPS位置情報データを搭載したクラウド型の分析ツール。調査エリアを指定することで、性別・年代(推計ではない正解な属性データ)や居住、勤務、来街に関する属性データを活用し、商圏や来訪者、時間帯別傾向などの分析が可能となります。

 

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分析により明らかになった人流の変化

樋田:例えば、ある都道府県においてはコロナウイルス流行後に大きく人流が減少しており、影響が顕著に現れていました。さらに、来訪者がどのエリアから移動されてきたかまで分析したところ、遠方からの来訪者数が減少し近隣エリアからの来訪者数が増加しているといった傾向が見られました。逆に公園や海水浴場のような開放的エリアでは、コロナウイルス流行後に人流の増加傾向が確認できました。エリアや施設の特性によっても異なる人流傾向がレポートにより明らかになりました。

菊池:実際に分析を行って感じたことは、想定通りコロナウイルス流行前後の人流の変化は顕著だということです。今回、観光スポット以外にも主要駅やインターチェンジでのコロナウイルス流行前後の人流の推移も分析したところ、流行後に来訪者の増加傾向が見られるスポットもありました。

樋田:更に同じ県内やエリア内であっても、来訪者の年代により施設の人流の変化には差がありました。例えばゴールデンウイークのような大型連休期間の観光施設では、コロナウイルス流行後の人流は全国的に減少傾向にありますが、観光施設の中でも、ファミリー向けの施設についてはそれほど増減が見られませんでした。また、ある県の観光スポットの公園では、コロナウイルス流行後に朝方の時間帯の来訪者が増加する傾向が見られ、コロナ禍に散歩などのアクティビティの人気があがったのではないかと推察されます。
このように、コロナウイルス流行前後で観光スポットごとに来訪者の属性情報を比較することで、背景にあるトレンドまで分析することができました。
さらに、各都道府県で緊急事態宣言が発出されている地域とそうでない地域によっても人流に差が見られたことは言うまでもありませんが、このように「人流の変化」と一言で言ってもデータの切り取り方によって見られる傾向は様々で、実態の詳細を把握する手段としてとても有効だと感じます。

菊池:また、コロナウイルスの影響に関わらず見えた傾向としては、観光スポットの訪問者の年齢層からより具体的な情報をレポートから読み取ることができました。例えば、20〜30代の年齢層が多く訪れるとされるスポットでも、30代が突出している場合は、小さなお子様を連れたファミリー層が遊びに行くようなスポットであることが想定されます。
逆に、同じファミリー層向けのスポットであっても、30~40代だけでなく70代以上の年代層も突出していれば、年配のご夫婦がお孫さんと一緒に遊びに行かれているスポットだと想定できます。このように訪問者の年代層ごとに分析するとスポットごとの特性が見えました。

今後の都道府県レポートの活用ケース

澤田:最近では位置情報の活用についてご相談をいただく機会が増加しています。その中でも観光客が複数の異なるスポット間をどのように移動し、訪問しているかを分析することへの注目度が高いと感じます。異なるスポット間の来訪者属性の共通項を洗い出し分析することで、観光ルートの提案や誘致するための施策立案の面で、自治体様のみならず旅行会社様にもご活用いただけるものとなっています。

土肥:レポートは現状把握だけではなく、態度変容の測定や広告施策の立案、さらには未来予測にも活用可能です。
今回のようなコロナウイルス流行前後の人流分析も態度変容測定の一例ですが、他にもイベント実施前後の人流の測定や、再開発地域の周辺住民数の変動把握などにも利用できると考えています。
広告施策の立案への活用という点では、実店舗の来訪者の居住地や年代別データを基に、インターネット広告でのターゲティング選定に活用することが可能です。
また、現状のモデル分析を用いて混雑予想といった未来予測といった使い方も考えられそうです。

樋田:今後は自治体や観光業に関わる方に、観光スポットや都市ごとの主要エリアの分析と示唆出しに活用いただくことで、その土地に訪れる方に向けた情報発信の材料になると考えています。
コロナウイルス流行が長期化している現状で、各エリアや施設にどのくらいの人出が戻ってきているのか把握できれば、今後の施策やキャンペーン立案、それに伴う人員配置等にご活用いただけるのではないかと考えています。
都道府県レポートに限らず、『Location Trends』を通してお客様の課題を解決し、高い価値を提供していきたいと考えています。

Location Trends サービスサイト
https://www.location-trends.com/

DATUM STUDIO コーポレートサイト
https://datumstudio.jp/



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