2018年1月25日、Supershipの媒体社向け広告収益最適化プラットフォーム「Ad Generation(アドジェネ)」は、媒体社さまの収益向上のため、新型広告配信ロジックの適用によるプロダクト改善をおこないました。
(参考)Supershipの「Ad Generation」、新型広告配信ロジックを適用開始 ーDSP事業者の広告配信機会の向上により、媒体社のさらなる収益性UPへー/プレスリリース
ニュースリリースから早いもので3ヶ月が経過した今、改めて新型広告配信適用のきっかけや、その方法、実際にどんな効果がでているかなどを、アドジェネの開発を担当する広告事業本部 アドテクノロジーセンター PMの落合祐樹氏に語ってもらいました。
どんな業務を担当していますか?
Supershipのアドプラットフォーム開発を一手に担っているエンジニア集団「アドテクセンター」という組織で、アドジェネのプロダクトマネージャーを担当しています。
アドジェネの開発は専任のエンジニアが10名、広告配信などのアドプラットフォームの基盤を開発するエンジニアが20名強という体制でおこなっています。
私は、アドジェネの立ち上げ時期から携わっていますが、体制の強化もあり、開発スピード、クオリティ、広告配信の安定性など、ここ数年間向上し続けていると感じています。
新型広告配信ロジックをつくったきっかけは?
アドネットワークの広告配信ロジックが変化してきたことがきっかけになりました。
レポートの数字をみながら媒体社さまの収益が少しでもあがるように営業メンバーも交えて色々議論しているなかで、この後にも述べますが、前提としていたアドネットワークの広告配信ロジックが変化してきており、これにより機会損失になる部分がでてきたことに気づきました、、、
ベースの部分からの変更になるので、大変な改修になりそうでしたが、そこを直してでも手を加えるべきだろう、というアドジェネを統括する池田(通称ジ・アドジェネ)の判断でプロジェクトがスタートしました。
なにが変わったんですか?
なにが機会損失であったかというと、アドジェネでは、複数アドネットワークの直近の配信実績から自動的に単価を予測して配信順位や、配信比率の最適化を行っています。
そのうえで、配信中のアドネットワークのなかで一番高いと予測した単価をフロアプライスとして、DSP各社にRTBの入札リクエストをする、という、国内SSPで一般的に採用されているロジックの設計をしていました。
ただ、外資系アドネットワークに多いのですが、例えば、このアプリを既にインストールしている人に限り単価が高い、というように、広告配信条件に一致する場合のみ高単価な広告を配信する、という案件の傾向が増えてきました。
<従来のロジック>
<新ロジック>
これにより、媒体社さまの短期的な収益改善が見込めるだけでなく、DSP事業者さまの配信機会が向上するので、高単価なRTB案件が増えるなどの長期的なインパクトも狙っています。
<変更点まとめ>
↓
配信可能な全てのアドネットワーク VS RTB
どのように改修したのですか?
シミュレーションの結果、収益がどのくらい上がるかは枠によりけりでしたが、影響が少ない広告枠でも収益が下がることはなかったので、媒体社さまに価値があると判断できました。この判断をおこなってから、アドサーバーの改修にとりかかりました。
媒体社さまの売上に影響はありましたか?
(取材時はちょうど3月末の期末の時期でしたので…)時期要因で今はなんとも比較し難いのですが…営業担当者宛に媒体社さまからうれしいコメントをいくつかいただいたようで、営業メンバーがそういった声を我々開発メンバーにも共有してくれました。媒体社さんのプラスになったという話を聞くとうれしいですし、変更してよかったと思いますね。
アドジェネ全体の売上をみてもRTBの売上比率は新ロジック適用前と比べて約120%くらいに伸びています。インプレッションでみても約1.5倍くらいになっています。
シミュレーション上こうなるのは想定していましたが、実際にしっかりと実績として数字にあらわれています。
今後のアップデート予定と最後にひとこと
日々の細かい機能改善はこれまで同様粛々と進めていきます。
まだいまは言えないですが、近々、媒体社さんの売上にもっとインパクトを与えられるような大きなリリースができそうですので、ぜひ注目してもらえるとうれしいです。
我々は、媒体社さまにとって価値があるかをプロダクト開発の判断軸にしているので、とにかく喜んでもらえるなら自分達が損してでもやる、という思いで開発も営業も運用もみんな頑張っています。
今後もこのコンセプトでプロダクト開発をおこなっていきます。