パブリッシャーにも、ユーザーにもメリットを!エラー検知機能とCOPPA対応(アドジェネ動画リワード広告 v3.1アップデート)
公開日 : 2019.02.12
こんにちは。広告配信最適化プラットフォーム「Ad Generation(アドジェネ)」のアプリ向け動画リワード広告におけるプロジェクトマネージャー(PM)、迎です。
2019年2月よりアドジェネ動画リワード広告配信用の最新SDK(iOS v3.1.0、Android v3.1.1)をリリースしました。
★最新SDKとドキュメントはこちら( iOS / Android )
今回リリースしたv3.1のSDKでは、これまでパブリッシャーであるアプリメディアのみなさんを悩ませてきた、リリース後のアプリで発生したエラーの検知から原因究明へのスムーズな対応と、昨今重要視される子供のプライバシーを守るChildren’s Online Privacy Protection Act of 1998 (COPPA) への対応の2つの大きなアップデートを加えております。
これらは、パブリッシャーのみならず、エンドユーザーにとってもメリットを与えられる機能ではないかと思っております。
この度は、アプリの広告マネタイズを行うパブリッシャーの方々にこれらの対応に至った背景やその必要性を知っていただき、少しでも多くのアプリでご利用いただきたいという思いから、Ad Generationを代表して筆をとらせていただきました。
動画リワード広告に関するその他の記事はこちら
1.エラー検知機能について
2.COPPA(Children’s Online Privacy Protection Act)への対応について
1.エラー検知機能について
これまでは、複数の広告配信用SDKを実装したアプリがストアからリリースされると、どの広告SDKでどんなエラーが発生しているのか詳細を把握することは困難でした。
※パブリッシャー側でエラー通知を受け取って、サーバーへログ送信する処理を実装すれば把握することは可能。
そのため、ユーザーからの問い合わせや(またはストアのレビューへの書き込み)、パブリッシャーの方々がレポートの数字で異常を発見したのをきっかけに、広告SDKを配布するアドプラットフォーム各社へ調査依頼をいただく、というのが一般的な流れとなっていたかと思います。
Supershipでは、QA(Quality Assurance=品質保証)チームがパブリッシャーからの調査依頼を受け、その原因究明を行っております。
ただ、お問い合わせの際にご提供いただく情報が断片的なものしかないケースは多く、足りない情報をヒアリングをさせていただいたり、数多くの端末・OSバージョンでテストをしながら調査を行う必要があるため、エラーの原因を特定するまでにかなりのお時間をいただいてしまう場合がございました。
そこで、この度リリースしたSDKではこの問題を解決する、エラー検知機能を実装いたしました。
本機能では、アプリ内でアドネットワーク各社のSDKから通知されたエラー情報をリアルタイムに収集し、検知します。
これにより、端末や広告枠が特定された状態で、どのアドネットワークのSDKでどんなエラーを発生させているのか、詳細なエラー通知により問題の切り分け、原因の特定が素早くできるようになります。
Stackdriver Loggingはログ検索ができる管理画面を提供してくれています。
Google Cloud Platformのドキュメントページに詳細な使い方もかかれています。
これでQAチームメンバー全員がログをみられる状況になったため、スピーディーに精度高くデバッグを行うことができるようになりました。
▼ログの表示
https://cloud.google.com/logging/docs/view/logs_viewer?hl=ja&_ga=2.2839280.-1755801270.1545794534#searching_and_filtering_logs
▼高度なログフィルタ
https://cloud.google.com/logging/docs/view/advanced_filters?hl=ja
これにより、パブリッシャーのみなさまがエラーを検知しアドネットワーク各社へ調査依頼をする手間を省くことができるだけでなく、エラーによりご迷惑をおかけしてしまっているエンドユーザーのみなさまに対して、これまで以上に早急な対応ができるようになります。
なお、本機能ではプライバシーに配慮し、IDFA・AAIDは送信しないよう設計されておりますので、安心してご利用いただくことができます。
本機能は、アドジェネ動画リワード広告配信用の最新SDK(iOS v3.1.0、Android v3.1.1)を実装いただくだけで、自動的に適用されるようになっておりますので、旧SDKをご利用のパブリッシャーのみなさまはお早めにアップデートをいただけますようお願いたします。
ただしアプリがクラッシュした場合はこちらでは検知できないため、クラッシュ情報に関してはfabricなどのツールから提供されるクラッシュレポートを確認のうえ、お問い合わせください。
2.COPPA(Children’s Online Privacy Protection Act)への対応について
COPPA(Children’s Online Privacy Protection Act)とは、2000年4月21日から米国で施行された、子供向けサイトに規制を課すことで子供のインターネット上の安全を守ろうとする法律です。
参考:
https://en.wikipedia.org/wiki/Children%27s_Online_Privacy_Protection_Act
米国では、モバイルアプリで広告のSDKが保護者の承諾なく、端末固有の番号(IDFA・AAIDなど)を取得し、行動ターゲティング広告やマーケティング分析のために子供の行動を追跡しているとして、アプリを提供するパブリッシャーだけでなく、広告SDKを開発したアドネットワークやSSPが被告として訴訟を起こされる、という事例が増えております。
訴えを起こすのはFTC(※)だけでなく、州や子供のプライバシー保護団体などです。
※FTC(Federal Trade Commission=連邦取引委員会)https://www.ftc.gov/ :
アメリカ合衆国における公正な取引を監督・監視する連邦政府の機関のこと
そこで、アドジェネ動画リワード広告配信用の最新SDK(iOS v3.1.0、Android v3.1.1)では、setCoppaChildDirectedを設定することでCOPPAに対応する広告SDKにおいてターゲティングがされないよう一括で制御できる機能を実装しました。
▼setCoppaChildDirected の設定方法はこちら(実装マニュアル)
・アドジェネ動画リワードAndroid SDK
https://github.com/AdGeneration/VAMP-Android-SDK/wiki/VAMP-Android-API-Reference#vampsetcoppachilddirected
・アドジェネ動画リワードiOS SDK
https://github.com/AdGeneration/VAMP-iOS-SDK/wiki/VAMP-iOS-API-Reference#setcoppachilddirected
連携対応となるアドネットワークは
AdMob、FAN(Facebook Audience Network)、AppLovin、Tapjoy
となります。
本機能により、これまで以上にユーザーのプライバシーに配慮した広告配信が可能となるだけでなく、パブリッシャーのみなさまや広告配信事業者がCOPPA違反として訴訟を起こされてしまうリスクへの対応を行うことが可能となります。
北米にサービスを展開するパブリッシャー様におかれましては、是非この機会にプライバシーに配慮したCOPPAへのご対応をご検討ください。
- まとめ
- 以上、2019年2月よりリリースしたアドジェネ動画リワード広告配信用の最新SDK(iOS v3.1.0、Android v3.1.1)におけるエラー検知機能とCOPPA対応に関してご紹介させていだきました。
パブリッシャーの方々をはじめエンドユーザーにとってもメリットを与えられるこれらの新機能を少しでも多くのアプリに実装いただけると幸いです。
今後もよりよいサービスのご提供ができるよう、さらなる新機能の開発につとめてまいります。