Advertisement 17.08.24

愛されてるつもりが遊ばれていたーフラウド時代に高まるアトリビューションツールの重要性 #愛されるアプリへのベストプラクティス

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本記事は、2017年7月20日に「Ad Generation」と「AppsFlyer」の共催で実施したアプリディレクター・マーケター向けイベント「愛されるアプリへのベストプラクティス」における講演をレポートしております。
今回は「AppsFlyer Japan カントリーマネージャー 大坪直哉様」の講演を紹介いたします。

※その他、登壇していただきましたゲストスピーカー様の講演レポートはこちらにまとめてあります。


AppsFlyer Japan カントリーマネージャー 大坪直哉様

これまでオーバーチュア、ヤフー・ジャパン、Criteoに所属し、SEM(Search Engine Marketing)、純広告、リターゲティングバナーと様々な広告に触れてきました。2015年からはそれらの広告のパフォーマンスを評価する側に回りたいと思い、AppsFlyer Japanを立ち上げました。

マーケティングとは、事実を土台に仮設を積み重ねていく作業です。その意味では、家を建てることに似ています。計測ツールはその土台の役割を果たします。ただ、その土台がぐらついているとどうなるか。。。

本日は、最近広告業界で問題になっている「アドフラウド(広告詐欺)」に関するお話をさせていただきます。

補足:縦軸が稼げる金額の大きさ、横軸労力とリスクの大きさを表した統計データのなかで、アドフラウドは最も低リスクで儲かる犯罪として位置している。
出典:“The Business of Hacking” May2016 /Hewlett packard enterprises

「アドフラウド」とは日本語で広告詐欺のことを指しますが、世の中にあるいろんな不正のなかでも「アドフラウド」は簡単に儲かるんです。だから、世界中でこんなに広まってしまってるんです。
テストクリックでさえレポートに上がらず、全然関係のないメディアに勝手に成果が紐付いてしまう、ということが実際に日本でも起こっています。
フェイクニュースならぬ、フェイクROIという虚構の愛のようなものが、いま増えているのではないかと思っています。

海外では国内に先行してアプリにおけるアドフラウドの被害が報告されています。本日は海外出張先で仕入れた最新事情を、本当にあった事例をもとにいくつかご紹介します。

シナリオ1ーネットワークに問題がある場合

これは、アドネットワーク側で不正を働いていたケースです。

①ユーザーがネットワークA経由で掲出されたある広告主の広告を見た(広告は踏んでいない)がダウンロードはしなかった。
②数時間後もしくは数日後、同じユーザーが自身でストアに行って、そのアプリをダウンロードした。
③ところが、ネットワークAはインプレッションされただけでもクリックされたというデータを送るトラッキングURLを設定していたため、レポート上はユーザーがネットワークAの広告をクリックしてアプリをインストールしているように見えた。
④アプリの広告主は実際にはオーガニックインストールであるにもかかわらず、ネットワークAを評価した。
⑤アプリを直接ストアに行ってインストールしたユーザーは、当然自分自身の意志でインストールしているので、アプリ内で活発に行動して購買活動を行った。
⑥ユーザーのLTVやROIは非常に高くなり、アプリの出稿担当者は“成功した”ネットワークAのキャンペーンに予算をつぎ込んだ。
⑦出稿担当者は効果のよいネットワークAへより多くの予算をかけられるようCEOから承認を得、さらに資金をつぎ込んだ。マーケティングチームは素晴らしい結果を得られ、CEOも喜んだ。だが実際のところは、オーガニックユーザーをノンオーガニックユーザーとカウントしただけのことで、予算が無駄に使われただけだった。。。

シナリオ2ーアトリビューションツールに問題がある場合

こちらは我々AppsFlyerと同じく、本来は広告の成果を測る立ち位置にいるはずのアトリビューションツールの問題で発生した不正のケースです。

①ユーザーAがある広告主の広告を見た(広告は踏んでいない)。ダウンロードもしなかった。
②しかし、広告をみたユーザーAでなく、全く関係のないオーガニックインストールのユーザーBにそのログが紐付けられた。
③広告主はオーガニックインストールの成果をネットワークの成果として評価した。
④アプリを直接ストアに行ってインストールしたユーザーは、当然自分自身の意志でインストールしているので、アプリ内で活発に行動して購買活動を行った。
⑤ユーザーのLTVやROIは非常に高くなり、出稿担当者は”成功した”ネットワークのキャンペーンに予算をつぎ込んだ。
⑥広告主はより多くの予算をCEOから得て、実はオーガニックであるユーザーを獲得しているとは知らず、ネットワークのキャンペーンにさらに資金をつぎ込んだ。マーケティングチームは素晴らしい結果を得られ、CEOも喜んだ。だが実際のところは、オーガニックユーザーをノンオーガニックユーザーとカウントしただけのことで、予算が無駄に使われただけだった。。。

本当はデバイスIDでトラッキングするべきところを、わざとIPアドレスだけでトラッキングすることで、こういう不正ができてしまいます。
実はこの機能はマーケターが数字を良くみせたいというニーズから生まれたものだそうで、海外では実際にこのような機能を持つアトリビューションツールが存在しており、この機能を使っているマーケターも存在しているんです。

これってみんな幸せなのか・・・?

マーケターは誰しも、レポート上でROIの数字が良いとつい心踊らされてしまうものなので、数字を疑うことをせずに、“すばらしい”結果に満足してしまいがちです。
また、マーケターの中には、無駄に広告費を支払っているのを理解しつつも、会社が選んで設定したアトリビューションツールの場合、事を荒立てて面倒なツールの変更提案や手続きをしようとせずに目をつぶっている人もいるかもしれません。

特にアトリビューションツール提供会社がアドネットワークを運営している場合、これらの不正プログラムを簡単につくる材料(オーガニックも含めた全インストールユーザーのデバイスID)が揃っているので、アドフラウドが発生するリスクがあります。

マーケターは高い広告効果に満足します。不正を働くアドネットワークは、より多くの発注を受けることでお金がじゃんじゃん流れ込んでくるようになるわけで、当然ハッピーですし、計測トラフィックの量に応じて広告主からのお金をいただくアトリビューションツール提供会社も、出稿とともにトラフィック量が増えてハッピーになります。
一見みんなハッピーに見えるこの状況が出血多量死に至る恐怖のサイクルなんです。

広告予算を使って出稿した結果、そのレポートがオーガニックの優良ユーザーのものを含まれることでROIが高くなり、高い広告効果に満足したマーケターは経営者へさらに追加予算を申請し、経営者がさらに予算を投資するという、悪循環が起こります。
オーガニックユーザーの獲得にお金を払うのは、お金をドブに捨てているのと同じくらい無意味なことです。

架空のCPI/ROIの競争になっていないか?

このような不正を行う一部のアドネットワークがいることで、不正ネットワーク同士で架空のCPI/ROIによる競争が起こったり、誠実に運営しているアドネットワークが正しく評価されないという大きな問題が業界全体で起こってしまいます。
よって、不正を正しく検知し、不正を行うネットワークやパブリッシャーを業界として排除していく必要があるのです。広告主たちが、正しく広告予算が使われているかに疑問を持っている今、我々計測ツール側がしっかりとこの問題に取り組んでいかなくてはいけないと思っています。
また、一方でクライアント側の経営者もマーケターも、いまのROIが本当に正しいものなのか、一度しっかりと腰を据えて理解し見直す必要があると思います。

アトリビューションツールの選定と正しいレポート分析のススメ

そのために、私がマーケターのみなさんに是非お願いしたいのが、「きちんと不正を見抜けるようなレポートを提供しているアトリビューションツールを見極めること」と「そのレポートを“正確に分析する”方法を知ること」です。

きちんと、過去に遡ってどの広告メディアを踏んでいたのかがわかるデータ(マルチタッチアトリビューションデータ)を開示しているアトリビューションツールを見極め、そのツールを使って正しくレポートを分析できるようになっていただきたいのです。

なお、ツール選定の際、アドネットワークやメディアを所有しているようなアトリビューションツール提供会社を選択する場合は、不正排除が困難になる可能性があることを覚悟のうえで理解して使用する必要があります。

アプリのアドフラウド手法いろいろ

では、ここからは正しくレポートを分析するにあたり、そもそもどのような種類の不正の手法があるのか、数ある中から代表的なものを2つご紹介します。

①インストール・ハイジャック

これはクリック・インジェクションやクリック・ハイジャックという名でブラウザにおいて昔から知られている手法です。

マルウェアが仕込まれたアプリがインストールされる際に、そのインストールのプロセスの中で勝手にクリックを割り込みで発生させ、そのクリックレポートを成果として計測するうえ、さらにそのアプリが起動されるとインストールとしてカウントがあがる、という関係ないアプリのインストールによるアドフラウドの種類です。
このマルウェアは、不正アプリやサードパーティのアプリストア経由でダウンロードされたアプリに仕込まれていることがよくあります。

参考:What is Install Hijacking?/AppsFlyer公式サイト(英語)

②クリック・フラッド

クリック・フラッドというのはインストール直前のラストクリックになろうとして大量の不正クリックレポートを送りつける手法です。

参考:What is Click Flooding or Click Spamming?/AppsFlyer公式サイト(英語)

日本でも既に平均2%がインストール・ハイジャックの成果である可能性

こういったアプリにおけるアドフラウドが実際にどのくらいの割合で起こっているのかというのがわかるように、今回初出しとなる資料を用意しました。

このグラフは弊社で計測した日本のメディア全体のインストール数(青のライン)に対して、その中でインストール・ハイジャックと疑われるインストール数のパーセンテージ(オレンジのライン)を表したものです。
なんと、過去90日で、日本でもだいたい平均して2%。高いときは3%くらいのインストールが、実はインストール・ハイジャックである可能性があります。

インストール・ハイジャックが2%というのを広告予算で仮に計算してみましょう。
日本のマーケット全体でみて、仮に1日のインストール数が100万あったとして、そのうちの2%(2万)がインストール・ハイジャックだとすると、CPIを750円とした場合、1,500万円/日もの損失になります。つまりひと月あたり4億5,000万円もの損失という計算になります。

こうして知らずに広告主が支払ってしまった詐欺による売上が、不正ツールの開発者に入ってくると、事業者がもっと増えたり、不正ツールがブラッシュアップされてしまったりと、どんどん状況が悪化していく可能性があります。

AppsFlyerのアドフラウドへの取り組み

AppsFlyerでは、広告主向けのアドフラウド対策として、いくつかのソリューションを提供しています。
まず、デバイスランクというアクティブ不正防止ソリューションです。
IPアドレスでのブロックでなく端末毎にブロックしないと不正が防げない時代になっていますので、デバイス単位で不正の可能性をランク付けして、端末ごとブロックすることができます。

また、管理画面にて「Active Fraud Insights」がいつでも見られるようになっています。

これは、広告がクリックされてからインストールされるまでの秒数と件数をグラフ化したものです。
統計的にみて、通常は左のグラフの通りベルカーブと呼ばれるきれいな山ができあがるのですが、インストール・ハイジャックによる割り込みで不正にインストールカウントがあがっている場合は、ピークが最初にくる特徴があります。
AppsFlyerを使っているマーケターで、もしこのような形のグラフが管理画面で確認できたら、まず不正を疑ってください。

もう一つ、見抜く方法としてユニバーサルアンインストール測定というものもあります。これはインストール元のソースごとにアンインストール数とその比率が分かるものです。

インストールとアンインストールを繰り返して不正を働く事業者が実際に逮捕されたニュースもあるように、こうした不正を働く業者のメディアはアンインストール率が異常に高くなるのでひと目で見抜くことができます。

詳細はこちら
https://www.appsflyer.com/jp/product/uninstall-attribution/

以上、本日はアドフラウドについて色々とお話しさせていただきましたが、とどのつまりは、計測ツールは審判だと思っています。
審判はどのチームにも所属していないからこそ公平な立場で審判を務めることができるのです。我々AppsFlyerは、審判としてメディアや代理店の立場でなく、独立した立場で計測ツールを提供しています。

アトリビューションツールは縁の下の力持ち的なもので、それって意味有るの?という方もいると思います。
しかし、どんなに立派な家でも土台がしっかりしていないと崩れてしまうように、どんなにプロモーションをかけても、いつの間にか不正事業者に無駄にお金を払ってしまう悪循環によって土台から倒れてしまうことがないように、マーケターのみなさんにまずは不正を見抜けるツールの選定と、レポートから不正を見抜く方法を知って欲しいと思います。

本日はご清聴ありがとうございました。


※その他、登壇していただきましたゲストスピーカー様の講演レポートはこちらにまとめてあります。

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