1st Partyデータ(1st party data)を活用したコンテンツレコメンデーション最適化 〜KDDIとSupershipの取り組み事例〜
3rd Party Cookie廃止に伴うアドテク業界の変化
国内外における個人情報保護法の改正に伴い、AppleやGoogleをはじめとする大手プラットフォーマーが「3rd Party Cookie」の廃止を進めていることを受け、アドテク業界やデジタル広告を活用している広告主は、3rd Partyデータ(3rd party data)を使ったターゲティング広告に変わる新たなデジタルマーケティングの手法を模索しています。
こうした「Cookieレス」に向けた打ち手のひとつとして、大手企業では3rd Partyデータではなく自社の1st Partyデータ(1st party data)から作成したターゲティングセグメントを活用し、ユーザーのニーズに合わせてコンテンツを最適化する「コンテンツレコメンデーション」を実現しています。
また、大手プラットフォーマーにおいても、自社サービスの顧客情報やトラフィックに基づいた1st Partyデータを活用し、ユーザーの興味・関心に応じたコンテンツレコメンデーションや広告配信の最適化に向けた取り組みが積極的に進められています。
自社データ(1st Partyデータ)の活用でユーザー体験を向上
Supershipでは、KDDI株式会社のデジタル領域におけるマーケティングや広告運用を一手に担うハウスエージェンシーとして、KDDIの主要なサービスのトラフィックに基づくデータから、同社の様々な関連サービス・アプリのユーザーに対し、各人の興味・関心に合わせた適切なコンテンツレコメンデーションを行うことで、ユーザー体験の向上を支援しています。
ユーザーが欲する情報や、ユーザー価値が高いコンテンツを適切に届けることができるコンテンツレコメンデーションは、多くの情報や機能を提供しているサービスにおいて、ユーザー体験の向上に特に大きく寄与すると考えられています。
サービスの新規利用者数の増加を目的とした施策だけでなく、既存顧客の定着・維持を目的としたリテンション施策の双方を実施することで、サービスの成長に大きく貢献することができます。
より広い視点での分析が、データ活用を成功に導く
企業が持つデータを最大限活用するためには、広い視野を持ち、組織横断的にデータ活用の課題や可能性を考える視点が必要です。しかし、大企業であればあるほど部門・部署の横断や連携が難しく、どの部署がどんなデータを持っているのか、実態をすべて把握することが難しいケースが多いのも事実です。そもそもデータを整理して蓄積する環境が整っていないケースも多くあり、サービス担当者はサービス拡大に向けた個別最適化に大きく力を注がなければなりません。
こうした課題を解決するためには、データ活用に強みをもつ企業のコンサルティングサービスを利用することが有効です。
豊富な経験と実績から得た知見で、より広い視点からデータ活用の新たな可能性を発見し、定期的なデータ分析による顧客理解の促進やサービスの改善、自社メディアへの利活用に向けた検討を進めることができるようになります。
KDDIとSupershipの取り組み事例
KDDIは、au公式ポータルサイトの「auサービスToday」をはじめ、総合ショッピングサイト「au PAYマーケット」や「au 5Gチャンネル」のようなエンターテイメントコンテンツを配信するプラットフォーム、「auスマートパスプレミアム(有料)」のようなお得なクーポンの提供に強みがあるポータルサービスなど、様々なジャンルのデジタルサービスを提供しています。
これらのサービスが保有している1st Partyデータを分析することで、サービスを利用するユーザーの特性が明らかになり、サービスごとに異なるユーザーの特性やニーズを理解することが可能になります。Supershipではこれらのデータを分析し、ユーザーに応じたコンテンツレコメンデーションや広告配信の最適化を行うことで、KDDIの1st Partyデータ活用をコンサルティングから運用まで一気通貫で支援しています。
au PAY マーケット
「au PAY マーケット(※1)」はKDDIとauコマース&ライフが提供するサービスで、日用品、グルメ、ファッション、インテリア、家電などの”モノ”から、レストラン、ビューティー、宿泊などの”コト”まで、たくさんの商品やお店、体験と出会える総合ショッピングサイトです。
Supershipは「au PAY マーケット」のユーザーの定着を促すために、1st Partyデータを活用したコンサルティングを行い、既存ユーザーのリテンション施策を実施しました。
その一つが、「au PAY マーケット」ユーザーの1st Partyデータ(購買データやアプリ内の行動データなど)と、Supershipがこれまでの広告配信実績を通じて得たデータを活用した、精緻な顧客分析で、ユーザーの興味・関心に合わせたコンテンツを表示するコンテンツレコメンデーションです。これにより、既存顧客への顧客体験を向上させ、ユーザーのリテンションに貢献することができます。
さらに、「auスマートパスプレミアム(有料)」や「auサービスToday」のような、KDDIが提供する規模の大きなその他のサービスのデータを掛け合わせた分析を行うことで、「au PAY マーケット」の新たな顧客となり得るポテンシャル層を発見をすることも可能です。
実際の施策では、データ分析によりユーザーが購買する可能性が高い商品を特定し、広告費をかけることなく商品のレコメンデーションを実施しました。また、「au PAYマーケット」以外のKDDIの媒体においてもその商品を露出し、訴求することで、サービスの利便性向上にも貢献しました。
※1 ご利用には条件があります。
au 5Gチャンネル
「au 5Gチャンネル(※2)」は、KDDIが最新の音楽ランキングやドラマ・映画などのエンタメ情報、生活に役立つ情報、かわいい動物の癒し動画、話題のおもしろ動画など、様々なトレンド動画を無料で提供しているサービスです。
5Gマップでお客さまの生活圏が5Gエリア(※3)かどうかを確認したり、5Gエリア化された際にお知らせする機能も提供しています。
Supershipは「au 5Gチャンネル」を利用するユーザーのアクティブ率向上に向けたコンサルティングを行い、高いアクティブ率が期待できる見込みユーザー層に対して最適なコンテンツを表示するコンテンツレコメンデーション施策を実施しました。
GA4(Google Analytics4)を活用した「au 5Gチャンネル」のアクセスデータ解析により、アクティブ率が高いユーザーの特性を把握し、「au PAY マーケット」のリテンション施策で活用した顧客データから同じような特性を持つポテンシャル層をセグメント化し、興味・関心に合わせたコンテンツを広告として訴求するターゲティング広告を、自社媒体を利用して実施しました。
自社の関連サービスを利用する顧客の中から高いアクティブ率が期待できるポテンシャル層に対して、優先的に新規顧客を増やしていく本戦略は、アクティブ率改善に非常に効果的であり、KDDIのサービス全体のLTV向上にもつながる上、ユーザーの興味・関心とマッチしたサービスの利用機会を提供することで、ユーザー体験の向上にも貢献することができます。
このように、提供するコンテンツや市場環境が異なるサービスであっても、それぞれのユーザーを分析し、そこから見出されたユーザーの特徴やサービスの相関性をコンテンツレコメンデーションのスキームに応用することで、効率的かつ効果的な既存ユーザーのリテンション施策や、新たな顧客獲得施策を実施することができます。
Supershipは今後も、KDDIが保有する媒体やサービスを横断し、それぞれのデータを活用したコンサルティングを積極的に推進してまいります。
また、こうして積み重ねた1st Partyデータの活用実績や知見を基に、クライアントの様々な課題に合わせた、マーケティングの高度化を支援するコンサルティングサービスをご提供してまいります。
※2 対応機種はiOS14.0以上/Android™9.0以上のスマートフォンです。
※3 5Gは一部エリアで提供。
Supershipがご提案できるサービスのご紹介
UXを向上させるオウンドサイト・コンテンツレコメンデーションのコンサルテーション
【1】1st Partyのデータ分析
【2】GA4を活用したWebサイト、キャンペーンのLP分析
【3】1,2のデータ分析結果を活用したWebサイト、キャンペーンLP改善のご提案&制作
【4】1のデータセグメントを活用した広告運用
※KDDIがお客さま情報の第三者提供について同意を得たデータのみを分析対象としています
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