検索速度10倍、新規CVRは2桁%向上―SNKRDUNKが語る「S4」導入の圧倒的成果と、それを支えたSupershipの“伴走力”

国内最大級のファッション&コレクティブル マーケットプレイス「SNKRDUNK(スニーカーダンク)」(以下、スニダン)を運営する株式会社SODA。月間600万人以上が利用する同サービスにおいて、Supershipのサイト内検索ソリューション「Supership Search Solution(S4)」を導入いただきました。

Supership、サイト内検索ソリューション「Supership Search Solution (S4)」を国内最大級スニーカー&トレカフリマアプリ「スニダン」へ提供開始 〜検索結果の最適化・絞り込み機能充実により、購入者・出品者の双方にメリットを提供〜
https://supership.jp/news/2025/04/07/13742/
Supership、サイト内検索ソリューション「Supership Search Solution (S4)」を国内最大級のファッション&コレクティブル マーケットプレイス「SNKRDUNK(スニーカーダンク)」のWeb版へ提供開始
https://supership.jp/news/2025/08/19/13908/
急成長を遂げるマーケットプレイスが抱えていた検索の課題とは何だったのか。そして、数あるソリューションの中からなぜS4を選んだのか。導入の背景から今後の展望まで、株式会社SODA 執行役員COOの鍛様と、Supershipの担当者との対談を通し、その裏側に迫ります。
【登場人物】
- 株式会社SODA 執行役員COO 鍛 哲史 様
- Supership株式会社 データソリューション事業領域 リテールメディア企画部 ディレクション2G 海野 佳奈子(本案件のメイン担当者)
- Supership株式会社 データソリューション事業領域 リテールメディア企画部 部長 杉本 尚弥(S4を含む、Supershipにおけるリテールメディア事業の企画を統括)
- Supership株式会社 執行役員/データソリューション事業領域 事業部長 稲田 暁人(Supershipにおいてリテールメディア事業などを統括)
月間数百万人が利用する国内最大級マーケットプレイスが抱えた「検索」の課題
―まずはじめに、SODAの鍛様から自己紹介と、「スニダン」のサービスについて改めてご紹介いただけますでしょうか。

鍛様:SODAの鍛です。2024年12月に入社し、現在はCOOとしてプロダクト開発やマーケティングを含む事業全体のオペレーションを統括しています。
スニダンはCtoCのマーケットプレイスで、大きな特徴は、購入者様と出品者様の間に我々が入り、すべての商品に対して専門鑑定士による真贋鑑定や検品を行っている点です。 偽造品の排除はもちろん、商品の状態を厳しくチェックすることで、お客様に安心・安全な取引を提供しています。
カテゴリーとしては、サービス名にはスニーカーと入っていますが、アパレル、スニーカー、トレーディングカードの3つを主軸に展開しており、特にスニーカーにおいては国内の86%という圧倒的ナンバーワンのシェアを占めています。トレーディングカードやアパレルについても着々と伸びており、今はこの3つの柱で事業を運営しています。
―ありがとうございます。今回、サイト内検索ソリューション「S4」を導入いただきましたが、どのような背景や課題があったのでしょうか?
鍛様:もともとスニダンの検索機能は、MySQLの全文検索を利用していました。しかし、サービスが成長し取扱商品が数百万点規模にまで増えたことで、検索スピードがかなり遅くなっており、まずこの速度を改善することが急務でした。
また、将来的には速度だけでなく、価格帯での絞り込みやソート、その他様々なフィルター機能などを追加していきたいと考えていました。これを自分たちでオープンソースなどを使って開発していくにはかなりのコストがかかるため、パッケージとして機能が提供されている外部ソリューションの導入を検討し始めました。
なぜ「S4」だったのか?最終的な決め手は「人」と「伴走支援」
―様々なソリューションを比較検討されたかと思いますが、最終的に「S4」をお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか?
鍛様:SupershipのS4は、我々が求める検索速度と豊富な機能がパッケージとして提供されている点、そしてコストパフォーマンスのバランスが最も優れていると感じました。また、他社さんのサービスは英語検索に強いものが多かった中で、日本語にしっかりと対応していた点も大きなポイントでしたね。

(本案件のメイン担当者)
海野:ありがとうございます。スニダン様のように専門性の高い商品を扱われているサイトでは、日本語の微妙なニュアンスや専門用語への対応が検索体験を大きく左右すると考え、その点は特に丁寧にご説明させていただきました。

(S4を含む、Supershipにおけるリテールメディア事業の企画を統括)
杉本:S4はサービス開始当初から、日本のECサイトの特性やユーザーの検索行動に特化して開発を進めてきました。特に、80万語以上を収録した独自の辞書は我々の技術の中核であり、日本語特有の多様な表記ゆれや専門用語にも柔軟に対応できる点が強みです。今回、その点を評価いただけたのは大変光栄です。
―機能面以外での決め手はありましたか?
鍛様:最終的な決め手は、提案の質と「人」でした。問い合わせの段階から、海野さんをはじめとする担当の方々が、ただサービスを紹介するだけでなく、我々の課題を深くヒアリングし、「御社の場合はこうした方が良いのでは」と具体的な提案をいくつもしていただきました。
よくあるSaaSモデルだと、APIを提供されて「後はそちらでどうぞ」となりがちですが、Supershipさんには事業に寄り添い、一緒に課題解決をしてくれるという「伴走」の姿勢を強く感じました。これなら安心して任せられると思い、導入を決めました。
海野:そう言っていただけて大変嬉しいです。お問い合わせいただいた当初から、チーム内で「どうすればスニダン様のユニークなビジネスモデルの力になれるか」を何度も議論しました。単なる機能紹介に留まらず、事業の成功に貢献したいという思いでご提案させていただきました。

(Supershipにおいてリテールメディア事業などを統括)
稲田:鍛様から「伴走」というお言葉をいただき、大変嬉しく思います。海野をはじめとする現場の担当者がお客様に寄り添う姿勢は、まさに我々が目指す姿です。我々は単にツールを提供するベンダーではなく、お客様の事業成長に深くコミットするパートナーでありたいと考えています。
S4は、このような伴走型支援を通じて、顧客体験の向上とビジネス成果の両立を実現する「三方良し」の総合検索ソリューションとして多くの企業様に採用いただいています。
導入プロセス:二人三脚で乗り越えたCtoCサービス特有の課題
―導入プロセスで特に印象に残っていることはありますか?
鍛様:スニダンでは中古品と新品(カタログ品)が混在しているため、どうすればユーザーにとって最適な検索結果を表示できるか、Supershipのエンジニアの方と何度も「壁打ち」をさせていただきました。おすすめ順のパラメーター調整など、我々のサービスの強みを最大限に活かすための検索ロジックを、経験則も交えながら一緒に考え、構築していけたのが非常に良かったです。
―スニーカーやトレカは独特の型番などがあり、検索の難易度が高いかと思います。
鍛様:実は、スニダンはカタログから出品する仕組みなので、商品名の表記揺れの課題は多くありませんでした。一方で、“何をキーにして検索に引っかけるか”という点では非常に難しかったです。例えば「黒 ナイキ」のようにざっくり検索する方もいれば、型番を完全一致で入力する方もいるため、そういった様々なニーズに対応するロジックを構築しました。
海野:スニダン様で取り扱う商品の種類は、アパレルからポケモンカードまで非常に幅広く、当初は意図しない検索結果が出てしまうこともありました。そこで、スピーディーに開発チームと連携し、一つひとつ表示順を確認しながら意図しない検索結果を手作業で補正するなど、修正確認・改善のサイクルを早く回すことに注力しました。
―導入における弊社のサポート体制はいかがでしたか?
鍛様:特にエンジニアの方のレスポンスが驚くほど速く、本当に助かりました。担当の方とは「もはや同じ会社のチームメンバーなのでは?」と感じるくらい密に連携させていただき、まさに「ワンチーム」で開発を進めている感覚でした。
開発中に困ったことがあって相談しても、1営業日も待つとラグが発生して遅れてしまうこともありますが、リアルタイムに近いスピードでコミュニケーションが取れ、問題が発生した際もすぐに対応いただけたので、開発が滞ることなくスムーズに進みました。
海野:エンジニアチームもスニダン様のプロジェクトに非常に高い熱意を持って取り組んでいました。Slackでのやり取りも活発で、技術的な課題解決はもちろん、より良い検索体験を実現するためのアイデア出しも積極的に行っていましたね。
S4はAPIを提供して終わりではなく、導入後のチューニングこそが重要だと考えています。クライアント様と我々が一体となって改善サイクルを回していくことが、最高の検索体験につながると信じています。スピード感は我々が常に重視している点です。
導入後の効果:検索速度は「10倍」に。新規ユーザーのCVRは2桁%向上
―S4導入とアプリのUIリニューアルを経て、社内ではどのような反応がありましたか?

鍛様:元々「スニダンの検索が遅い」というのが共通課題だったので、テスト段階から「めちゃくちゃ速い!」という声がチームのあちこちから上がっていましたね。
実際に、体感ではなく計測値としてレスポンス速度が10倍以上になりました。ユーザー様からもX(旧Twitter)などのSNS上で「検索が改善された」「すごい早くなってる」というポジティブな声をいただいており、本当に導入して良かったと感じています。
杉本:その高速化を実現しているのが、サイトごとに独立した環境を構築するS4の「シングルテナント構成」です。これにより、他サイトの負荷影響を受けず、スニダン様のような大規模なアクセスにも耐えうる高い安定性と高速レスポンスを両立させています。
―ビジネス面での具体的な効果はいかがでしょうか。
鍛様:非常に大きな効果が出ています。特に、新規でサービスを利用し始めたお客様のコンバージョン率が、2桁パーセント向上しました。
既存のお客様はもはや検索の仕方や商品の探し方を分かっているので、指名検索が多く、あまり迷うことはありません。一方で、例えばポケモンカードが好きで入ってきた方が「ピカチュウ」とざっくり検索した際に、スムーズに検索結果が表示されたことにより、そこからのコンバージョンがかなり高まったのだと考えています。もちろん、検索回数自体も増加しています。
稲田:素晴らしい成果ですね。検索体験の向上は、新規顧客の獲得とロイヤル化に直結する重要な要素です。S4がスニダン様の事業成長のエンジンの一つとして貢献できたことを大変誇りに思います。
―絞り込み機能の拡充も大きな変化だったかと思います。
鍛様:はい。購入者様にとっては「3万円以内で状態の良いものを探す」といった探し方が可能になりました。特にトレーディングカードでは「PSA10」のような特定のグレードで絞り込めるようになったのは、コアなファンの方々にとって大きなアップデートです。 これまで詳細ページまで行かないと分からなかった情報が検索結果画面で分かるようになり、コンバージョン向上にも繋がっています。
一方、出品者様にとっても、今出ている金額を簡単に調べられるようになり、「いくらで売れるかな」という相場が分かりやすくなったというメリットがあると思います。
「伴走」の先にあるもの―“トレンドを予測する検索”を共に創るパートナーシップ
―S4導入により検索体験は大きく向上したということですが、今後はどういった顧客体験をユーザーへ新たに提供していきたいですか?
鍛様:まず短期的には、現在開発を進めているグローバル版アプリへのS4導入ですね。そして将来的には、レコメンド機能の高度化にも挑戦したいです。
これまでの改善は、お客様が「今欲しいもの」にいかにスムーズにたどり着けるか、という点に主眼を置いていましたが、次のステップは、お客様自身もまだ気づいていない「未来に欲しくなるもの」を予測し、提案していく“パーソナライズされた予測型の顧客体験”だと考えています。
―その実現のためにはどういったことに取り組むべきなのでしょうか。
鍛様:特に難しいのが「トレンド」の扱いです。現状、我々の方で「これは売れそうだ」という商品をカテゴリ問わず手動で「ジャストドロップ」というセクションに表示し、毎日更新しています。
まだ購入や出品がないものの、世界的に話題になっているような商品を自動で捉えるのは非常に困難ですが、SNSの動向など外部データを取り入れることで、未来の需要を予測し、パーソナライズされたトレンド情報を提供できるようになれば、ユーザー体験価値はさらに向上するはずです。
例えば、スニーカー好きにはスニーカーのトレンド、アパレル好きにはアパレルのトレンドといった形でパーソナライズとトレンドをうまく組み合わせられると理想的です。手作業をなるべく減らし、より本質的な業務に注力できるようになるといいですね。
杉本:「未来の需要予測」は、当社が技術的に目指す方向性とまさに一致しています。S4では、生成AIを活用した「かっこいい靴」のような曖昧な検索への対応や、生産国が異なる“若干のデザイン違い”のスニーカーでも正確に判定できる、精度の高い画像解析機能の実現、ユーザーログを高速で活用したレコメンド精度の向上に向け、日々研究開発を進めております。
今後は、お客さま一人ひとりに、「今」欲しいものを瞬時にかつ的確にご提供するだけでなく、「未来」の需要までも見据えた価値提供を目指してご支援をしていきたいです。
さらに、リアル店舗のデータを活用したOMO(Online Merges with Offline)の領域でも、スニダン様と新たな価値を共創できるのではないかと期待しています。
稲田:ユーザーの趣味嗜好や生き方が多様化する中で、「ユーザーを深く知り、その行動によってどの価値を、どのメッセージを与えるか」という点の重要性は増すばかりです。我々はテクノロジーの提供だけでなく、事業目的の達成までをスコープに入れた「伴走者」として、今後もスニダン様のビジネス成長に貢献していきたいと考えています。
―最後に、弊社のサポートや今後の開発に対して期待することをお聞かせください。
鍛様:Supershipさんは「検索のスペシャリスト」ですから、我々が気づいていない改善点について、「もっとこうするべきです」「こうした事例もありますよ」といったプロアクティブな提案をどんどんいただけると嬉しいです。一緒に数字を追いかけ、サービスを成長させていくパートナーとして、これからもよろしくお願いします。
また、データ活用についても、我々はオフライン店舗のデータを使いきれていない部分があったり、CRMなどのマーケティング活動も最適化できていないと感じています。そこのデータをどう活用できるか、オフラインとオンラインをどう繋ぎ込むかといった点も含め、どうやったら新しい体験を一緒に作れるか、お話しできると嬉しいです。
稲田:弊社の特徴は、ソリューションを提供するだけでなく、マーケティング課題の把握からプランニング、そして運用までを一貫して行うことです。全ての課題をすぐに解決できるとは思っていませんが、一部でもお力になれる部分は多々あると思いますので、ぜひご期待いただきたいです。
海野:身が引き締まる思いです。そして、大変光栄です。グローバル版の導入は我々にとっても新たな挑戦ですが、この機会を活かし、ゼロから最高のプロダクトを一緒に作り上げていきたいと思っています。鍛様のご期待に応えられるよう、これからも積極的にご提案させていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!

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