LINEのタイムラインや、LINE NEWS、LINEマンガなど、LINE株式会社の提供するさまざまなアプリ等に広告を配信できるプラットフォーム「LINE Ads Platform」(通称LAP)。
10月11日に正式ローンチされた、SupershipのパブリックDMP「Fortuna」は、LAPと連携させることで、その広告配信の効果をより高めることができます。
その実例や効果について、10月4日・5日に行われた「アドテック東京2018」のトランスコスモス様のブースで行われたセッションにて、Supershipで「Fortuna」を担当する中嶋 真が登壇し、お話しさせていただきました。
本記事ではそのセッションの模様をお伝えします。
●登壇者 トランスコスモス株式会社 IPS本部 メディア推進統括部 メディア推進部 メディア推進課 課長 河西 優希 氏(モデレーター) C Channel株式会社 マーケティング室 マーケティングプランナー 兼 mysta株式会社 マーケティング部 マーケティングプランナー 椛島 健太 氏 Supership株式会社 データビジネス事業部 Fortuna推進G GL 中嶋 真 |
LINE Ads Platformのスゴい所とは?
セッションでは、はじめに、モデレーターの河西氏から、LAP(LINE Ads Platform)についての解説がありました。
河西 LINEは、毎月6000万から7000万のMAUがあるプラットフォームです。ユーザー層は日本の人口分布と類似しており、老若男女、どんなユーザーにもリーチできるメディアとなっています。
全ユーザーのうち、TwitterやFacebookを利用していない、LINEでしかリーチできないユーザーが約40%いらっしゃいますが、LAPを使うことでこうしたユーザーへのリーチが可能となります。
また河西氏は「最近はタイムラインやニュースだけでなく、LINEマンガやブログ、ポイントの面にも広告が出せるようになっており、今後もファミリーアプリを中心に配信面を拡充していくということで、さらにリーチ力が高まってくると予想されます」とさらなるリーチの拡大に期待を寄せました。
DMP「Fortuna」でLAPの効果を最大化する
続いて、中嶋より「Fortuna」の紹介をさせていただきました。
SupershipのパブリックDMP「Fortuna」では、キャリアデータ(※)など、自社で利用可能な、豊富かつ高精度な3rd partyデータのみならず、クライアントのユーザーデータなどの1st partyデータ、提携各社の2nd partyデータもシームレスに格納し、活用できます。
(※)「Fortuna」が取り扱うキャリアデータは、各関連法令を遵守し、適切な情報セキュリティのもと管理・運用しております。また、キャリアデータは全て匿名化されており、個人の氏名、番地を含んだ住所、電話番号、メールアドレスなど、個人の特定につながる情報は含まれません。
LAPから認定を受け、パートナーとなっているDMPは日本国内に2つのみですが、そのうちの1つがこの「Fortuna」です。
LAPにおける活用事例として、河西氏は、教育サービスを提供しているクライアントにおいて、Fortunaの「妊娠している女性」「小さい子どもがいる女性」などといったセグメントを追加したことにより、CPAを約3分の2にすることができた、と話しました。
このように低CPAを実現するFortunaのセグメント設計について、C Channel様でマーケティングを担当する椛島氏より、「セグメントを細かく切りすぎてしまうと、impが全然出ないということもあると思われるが、どれくらいの粒度で切るのが効果的か」との質問がありました。これに対して、Supershipの中嶋は以下のようにコメント。
中嶋 Fortunaでは、格納しているIDのボリュームが約4.6億IDと日本最大級となっています。そのため、例えば「年代・性別・エリア・興味関心」程度の掛け合わせであればある程度の配信ボリュームは出るのではと考えています。
そのうえで、ある程度の配信が出て、効果検証ができるレベルでいうと、目安ではありますが、50万IDくらいはデータのセグメントとしては最低限必要ではないでしょうか。これは取り扱わせていただく商材によっても変わってくるかと思います。
また、メディアサービスを提供するクライアントの事例では、「アウトドアやキャンプに興味・関心がある」といったFortunaのセグメントを追加することで、CTR(クリックスルー率)とCPC(クリック単価)を共に改善することができました。
このクライアントではもともとリターゲティングを手法として取り入れていましたが、それを上回る成果をあげることができたということです。
さらに、類似拡張配信(Fortunaのセグメントを用いて配信したユーザーに類似するユーザーへ配信する)を行ったところ、リターゲティング配信を上回る成果を得ることができました。
この2つの施策を組み合わせて広告配信をしたところ、新たにLINEの「友だち」を月におよそ2000件獲得することができたということです。
なお、こうしたFortunaのセグメント配信や、類似拡張配信による成果は、およそ2週間の期間で現れたとのことで、「これまでは1ヶ月ほどかかっていた施策がFortunaのデータを活用することで非常に早く成果を出すことができた」との評価をいただきました。その要因として中嶋は「データの質(正確性)とボリューム」があると話しています。
Fortuna×LAPの今後は?
今年行われたLAPのバージョンアップに伴い、代理店や広告主などでは新しい管理画面への移行対応が進められています。
Fortunaでもその準備が進められており、新たに追加された動画広告のCPC配信などの配信手法に対しても「トランスコスモスさんをはじめ、代理店各社様と様々な検証を行い、クライアント様に対して最適なデータのご提供方法を一緒に検討し、サービス改善に務めていきたい」と中嶋よりコメントがありました。
これに対して、河西氏も「代理店だけでできることではないし、Supershipのようなデータのソリューションを提供する会社だけでも、クライアントだけでできることでもない。三位一体になって、新しい管理画面に対応し有効活用できるようにしていきたい」と答え、セッションは幕を閉じました。