2024年4月1日より、Supership株式会社は親会社であるSupershipホールディングス株式会社に吸収合併されました。
合併に伴い、存続会社であるSupershipホールディングスは社名をSupershipに変更し、新たな経営体制を発足しました。本件に関する詳細は、プレスリリースをご確認ください。

「オープンイノベーションはただの流行か、本当に改新を興すのか」 #iNTERFACE SHIFT 2018レポート

セミナーレポート

「オープンイノベーションはただの流行か、本当に改新を興すのか」  #iNTERFACE SHIFT 2018レポート

2018年12月13日、東京虎ノ門ヒルズにてAI, ブロックチェーン, VR, VUI, などの最先端テクノロジーを集めた大規模カンファレンスiNTERFACE SHIFT 2018 (インターフェース・シフト) が開催されました。
最先端テクノロジーへの高い関心を持つビジネスパーソンや学生で賑わった会場では、業界のトップランナーが登壇する多くのパネルディスカッションが開催され、Supershipホールディングス代表の森岡も「オープンイノベーションはただの流行か、本当に改新を興すのか」と題したパネルディスカッションに登壇の機会をいただきました。

本レポートでは、このパネルディスカッションのダイジェストをレポートいたします。

※以下、スピーカーの敬称は省略させていただいております。


ーオープンイノベーションは本当に実現するか?

経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室 総括補佐 黒籔 誠 氏

まず、モデレーターである経産省の黒籔氏からは、2006年に入省したときからオープンイノベーションは最重要の政策課題とされており、現在に至るまで国をあげての最重要課題であり続けているという現状が共有されました。その後、本セッションのタイトルでもある「オープンイノベーションは本当に実現するのか?」というテーマについて、各スピーカーからコメントが述べられました。

最初に、株式会社HIZZLEのファウンダー兼CEOで、CSO(チーフストラテジーオフィサー)として資生堂にも参画をしている留目氏は「オープンイノベーションは実現すると思ってますし、実現しないといけないなと思います。」という発言に続き、次のように語りました。

株式会社HIZZLEファウンダー&代表取締役社長兼CEO / 株式会社資生堂CSO 留目 真伸 氏

留目 「多くの企業が成長戦略に課題を持っていると思います。しかし、企業の枠の中で解決しようとしても、既に限界がきていてうまくいかないケースがあるかと思います。これを解決するには、企業の枠を超えて、最適なチーム体制をゼロベースで整えていくことが必要不可欠であると思っています。本来、東インド会社に端を欲する株式会社も課題解決のためのプロジェクトであったはずであり、解決すべき課題を定義し、これを最適なチームで解決していこうとすると自ずと企業の枠を越えたチームになっていくはずです。また、そもそもオープンイノベーションとは、このように“オープン”であるとともに、“イノベーション”であることに価値があるものです。最初から予定調和的に解決策とプラン、筋書が明らかになっているものをただ単にリソースが足りない、専門家が社内にいないという理由で外の人も巻き込んでやっていく、というものは“イノベーション”ではありません。オープンかつフラットに議論し試行錯誤し、学びあっていく中で、当初思いつかなかったような素晴らしい解決策が生み出されていくことが、オープンイノベーションの本当の価値だと思います。このようなマインドセットを持って取り組むということが重要と考えます。」

次に、Supershipホールディングス代表の森岡からは自身の経験を交えながら次のような意見が述べられました。

Supershipホールディングス株式会社 代表取締役社長CEO 森岡 康一

森岡 「私が代表を務めるSupershipホールディングスは、KDDIという大企業のアセットを使いながらも、スタートアップならではのスピード感や実行力を持ち味に、データを活用した事業展開をしています。
元々はFacebook Japanの副代表として当時最先端であったソーシャルサービスを国内で普及させるというミッションを遂行していたわけですが、次の展開としてインターネット領域で世界で戦えるような新規事業を考えていたときに、これからは確実にデータの戦いになると思いました。同時に、当時の日本のインターネット市場は、圧倒的にキャリアの持つシェアが大きく、キャリアが持つ膨大なデータが主戦場になると考えました。
そんなキャリアを相手にするには、5億円や10億円の資金があっても足りず、資金調達にも限界が出てきます。ナショナルクライアントと言われるような大企業は100億円、1000億円単位で資金を動かしていますから。
そういう理由で、キャリアを巻き込んで新規事業を興していこうと決断し、KDDIにジョインしたんです。
そこから、KDDIの力を使いながら、KDDIという名を冠せず、オープンなインターネット事業を行うSupershipという会社を立ち上げて3年が経った今、やっと世の中に大きなインパクトを与えられるような会社になってきたな、と実感しているところです。

こうしたやり方をオープンイノベーションと呼ぶのであれば、我々が先行事例になるのかなと思いますが、そういう意味で、現在進行系でオープンイノベーションを実践中であり、実現したいと思っています。」

続いて、企業内の新規事業創造を促進するアルファドライブの代表であり、前職で2000件もの新規事業に携わってきた麻生氏からは、オープンイノベーションがなぜ必要なのかについて自身の想いが語られました。

株式会社アルファドライブ 代表取締役社長兼CEO / 元株式会社リクルートホールディングス新規事業開発室長 麻生 要一 氏

麻生 「これまで2000件くらい新規事業に携わってきましたが、IoTから地方創生まで、本当にあらゆる社会的課題に対するソリューションをつくってきました。その結果わかったことは、事業者がビジネスの論理をつかって単独で解決できる課題とそうでない課題が存在するということです。
例えば、障害者雇用という社会的課題に対して、障害者に向けた学習サービスを作ることによって雇用を促進するサービスを作ることはできました。一方で、どうしても太刀打ちできなかった課題もあります。例えば、森を守るという社会課題です。森を守るにはきちんと木を間引いて光が当たるようにしてあげないといけないのですが、そもそも木を伐採するためにはコストがかかるので、管理者が不明のまま放置されていることが多く、森林組合側でもそこを管理するのが難しいという現状があります。
そこで、木材の流通構造の見直しをはじめ、ビジネスの力でなんとかできないかと取り組んだのですが、ビジネスの論理ではどうしても解決できませんでした。
これを解決するには、ビジネスをやる企業、非営利団体、大学のようなアカデミックな機関、そして行政といったような、様々なセクターを超えたそれぞれの論理を持つ組織の方々と一緒に活動する必要があります。
私は、こうしたセクターを超えるようなオープンイノベーションが実現されるような社会をつくっていきたいと思っています。」

ーオープンイノベーションの現状は?どう変わるべきか?

セッションのなかでは、オープンイノベーションの今と未来についても語られました。

留目 「今がどうであるかというのは判断が難しい問題だと思いますが、大企業の立場からしても、先ほどお話したマインドセットの点においてまだまだギャップがあると思います。そんななかでも、Supershipさんはすごくチャレンジされていて、是非成功事例になっていただきたいなと思っています。私としては、会社の壁を超えて、個々人が1つのプロジェクトを進める仲間としてもっとフラットに付き合えるような関係値がつくれると、イノベーションを生み出せるようになるのかなと感じていますし、そんな世の中になって欲しいと思っています。」

森岡 「私もほぼ同じ意見です。お互いに学び合う、ということがとても大事なことだと思っています。例えば、スタートアップ側の提案に対して、大企業はそれでは上に通せない、の一点張りで突き返してしまうのは本質的ではありません。スタートアップ側は、なぜ上に通せないのか、大企業の考えや政治的な仕事の進め方を学ぶ必要があり、同時に、大企業側もスタートアップの目線に合わせたうえでなぜNGを出しているのかをしっかりと伝えることで、お互いに学び合い、理解し合うことができます。これは大企業とスタートアップが共創していくうえで非常に大切なポイントだと実感しています。」

麻生「私がこの10年で日本を変えるために探求しているテーマの1つが、先ほどお話した
セクターを超えたイノベーションを起こす、というものです。大企業とスタートアップという企業同士に限らず、今後は、非営利団体・大学・行政といったセクターを超えた組織同士で活動していかないと、この国のアップデートは成し得ないと思っています。そのためには、これを実現するスキームづくりが重要になるのではないでしょうか。
例をあげると、スタートアップにVCが投資して、その投資した金額が何倍かになったか、といったような評価指標が、非営利領域にはきちんと存在していません。こうした『ソーシャルインパクトボンド』と呼ばれるようなスキームづくりをもっと進化させたり、国ぐるみで会社のあり方、非営利法人のあり方自体のルールを見直すことで、オープンイノベーションが促進されるんじゃないかと思っています。
いろんなトライアルをしながら日本らしいオープンイノベーションを作っていきたいなと思っています。」

ー未来の起業家を目指す学生へひとこと

最後に、未来の起業家を目指す会場内の学生に向けて、各スピーカーからメッセージが送られました。

留目 「AIをはじめ、テクノロジーの進化によって、いまオフィスの中で行われている多くの業務は人間でなく機械がこなしてしまう時代が来るでしょう。そんななかで、自分が今後何をやらなくてはいけないのかをしっかりと考え、それに向けて行動し、新たな価値を作っていくということを、自分自身も経営者としてやっていかなければいけないと感じます。個社に雇われる経営者でなく、社会に雇われる経営者になるべきであると思っていますし、そうでありたい思っているので、ぜひみなさんも一緒にオープンイノベーションにチャレンジをしていきましょう。」

森岡 「一言で言うと、ワクワクしてほしい。学校や会社といった小さな枠組みのなかで考えるのでなく、もっとワクワクするような大きなスケールで物事を考え、その考えをちゃんと発信する。そうやっていけば自然と仲間は増えると思いますし自分にないアイデアにたくさん触れることで、人としても起業家としても大きく成長していけると思います。」

麻生 「名刺交換するときに、『自分はこれやってる人です』と言える人になってほしいですね。『パソコンを売ってる人です』、でなく『コンピューティングパワーをよりパーソナルにしたい人です』と言ったほうが、イメージも生まれやすくなりますよね?そういう視座でやりたいことを掲げる人になってほしいなと思います。
何をしたいかわからない、という人は、貧困の現場や介護施設など、何かしらの困っている人がいそうな課題の現場に行ってみてほしいです。きっと、そこで感じるなにかが原動力になるはずです。」

本パネルディスカッションは以上のように締めくくられ、大盛況のうちに終了しました。

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