セミナーレポート

個人情報保護とターゲティング広告の“これから”の関係 #Web広告研究会セミナーレポート

2018年9月25日(火)、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会が主催する 2018年9月度 月例セミナー「ターゲティング広告の今後はどうなる?〜GDPRとITP2.0から考えるこれからのターゲティング広告〜」が開催されました。
第1部では、Supership株式会社 小嶋 泰我(こじま たいが)より、ITP2.0の解説GDPRの解説をさせていただきました。

第2部では、資生堂、リクルートマーケティングパートナーズ、ベネッセコーポレーション、Supershipのマーケティング担当者によるパネルディスカッションが行われ、個人情報保護とターゲティング広告の“これから”の関係について、それぞれの立場で意見交換がなされました。

本記事では、パネルディスカッションの一部をご紹介します。

※以下、敬称を省略させていただいております。


個人情報保護とターゲティング広告の“これから”

株式会社日本経済新聞社 小林 秀次 氏(モデレーター)

小林:第一部では、Supershipの小嶋さんからアップルによる広告を目的ととしたトラッキングを制御するITP2.0や、欧州のプライバシー保護規制GDPRについての解説をしていただきました。デジタル広告のターゲティング技術が向上してきたなかで、こうしたデータの利用制限、法規制が進んでいる流れに関して、どのように向き合っていくべきだとお考えでしょうか?

Supership株式会社 小嶋 泰我

小嶋:個人情報保護の流れが世界的に加速していくのはほぼ間違いないでしょう。私自身、こうした動き自体は正しいものだと思っていますし、自然な流れなのではないでしょうか。

そんな中、今後我々のような広告配信プラットフォームが考えていかなければいけないのは、如何に不快感なく、ユーザーのニーズにあわせた広告を消費者に届けられるかを追求することだと思っています。
例えば、ユーザーが常に行動を追跡されて「監視されている」と感じてしまうようなターゲティングで、広告への不信感を煽ることのないように気をつけていきたいです。

この部分に関しては、2019年3月から総務省が事業者の認定をはじめる「情報銀行」はユーザーにとって不信感のないデータ提供になるのではないかと考えており、今後の動向を追っていきたいです。

また、特定の個人をピンポイントでターゲティングするのでなく、クラスタ化された集団で個人を特定せずにターゲティングするようなフレームワークを業界全体で整えていく必要もあるかと思っています。

もう1つは高度なデータマネジメントへの対応です。
今はスマートフォンとPCから得られたデータを中心にユーザーの分析をするのが主流ですが、今後は、ウェアラブルデバイスをはじめ、様々なチャネルやデバイスを通じて新たなデータを得られるようになります。

このように、今後ますます増えていくデータの種類・量の取扱いに耐えうるような、難易度の高いデータマネジメントのスペシャリストを育てていくことも課題だと考えています。

株式会社ベネッセコーポレーション 秋山 大志 氏

秋山:アップルがITPをバージョンアップしたのも、EUがGDPRを施行したのも、すべては消費者視点に立った結果です。

今後、媒体の立場としては、お客様(ユーザー)と媒体(企業)が顔の見えるいい関係を築けるようになるといいのではないかと思っています。

もともと顔の見える関係でお客様に信頼をいただいていれば、飛び込み営業のように押し売りをするようなターゲティング広告配信にならずに、ニーズのあるお客様に対して適切なアプローチが可能となるからです。

そのためには、デジタル広告に限らず様々なチャネルを活用したブランディングを行うことでお客様への認知を高める一方、同時に、お客様からのニーズが発生するタイミングもしっかりと捉えることが必要となってきます。

また、前提として、お客様との信頼関係をしっかりと築いていくために、1st パーティーのお客様のデータの取扱いに責任を持てる媒体と、同じく2ndパーティーデータの取扱いに責任を持てる事業会社同士がしっかりと連携し、情報を正しく取り扱う環境づくりが業界全体として求められているのではないでしょうか?

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 瓜生 翔 氏

瓜生:トラッキング制御も個人情報保護規制も、これからも引き続き変化し続ける性質のものだと思っています。ですので、対処の方法としては、その時にできる最大限で都度行っていくしかないのかなと思っています。

また、そもそものデータの活用先がWeb広告のみというのではもったいないので、広告以外のチャネルにも今後データの活用先が広がっていくといいのではないかと思っています。

資生堂ジャパン株式会社 高橋 満 氏

高橋:お客様(生活者)を理解することは確かに大事なことだと思います。ただ、その目的はあくまでもお客様のためでなければならないと思っています。

資生堂では2012年にECサイトを立ち上げ、そこから得られるお客様の情報を管理させていただいていますが、自社データだけでは理解できないこともあります。
例えば、結婚・妊娠を機にブランドを離れてしまうお客様がいますが、一度ブランドから離れてしまうとその間のユーザー状況を把握することはできなくなります。そこで、外部パートナーのもつ情報と自社の情報を掛け合わせて考察することにより、その原因や心境の変化を分析することが可能となります。

その分析結果をヒントに、商品作りや新たなアプローチをすることで、結果的にお客様の満足度を高めていけるよう、今後も外部パートナーさんとうまく連携していければと思っています。


以上、今後のターゲティング広告や、個人情報の取扱いついてのコメントをまとめさせていただきました。

Web広告研究会のサイトにて、より詳細なイベントレポート記事が掲載されておりますので、こちらも是非御覧ください。

「テレビ報道で高まるネット広告への関心、ターゲティング広告のこれからを徹底議論」2018年9月25日開催 月例セミナーレポート第2部
https://www.wab.ne.jp/wab_sites/general-browse/view/2896/

 

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