テクノロジー

「ITP2.0」って?ScaleOutの中の人が解説してみる(勝手に予測もしてみた)

こんにちは。ScaleOutのプロダクトマーケティングを担当しております、狩野厚作です。
昨今、インターネット広告業界では「ITP2.0」というキーワードを耳にすることが多いと感じています。
実際、今年の6月にAppleの開発者向けカンファレンスにて発表されて以来、「昨年のITPと何が変わったのか?」「広告配信や計測に新たな影響がでるのではないか?」というようなお客様からのお問い合わせもいくつかいただいております。
そこで、今回は「ITP2.0」についての解説と、今後どんな影響がでるのか勝手に予測もしてみたいと思います。

そもそも「ITP2.0」って何?

そもそも「ITP」とは(Intelligent Tracking Prevention)の略です。
2017年にAppleの開発者向けカンファレンスでは初めて発表され、 iOS 11.0/Safari 11.0 から実装されたプライバシー保護、セキュリティ強化を目的としており、Cookie制御も機能のひとつとして含まれています。

現在(※18年9月13日時点)のITPでは、Safariブラウザ上にて「サイトを横断して情報を取得していると判断されたドメインのCookieが付与から24時間で無効となる」という制御がされています。
これにより、Safariブラウザ上では広告クリックから24時間の間しかリターゲティング広告の配信が行えなくなっています。また、CV(コンバージョン)計測においても、広告クリックから24時間経過してしまったCVは自然流入扱いになってしまう。という状況が起きています。

近日公開とされている「ITP2.0」では「サイトを横断して情報を取得していると判断されたドメインのCookieは付与から即時無効となる」というように、アップデートがされる予定です。
そのため今後は、Safariブラウザではリターゲティング広告の配信、およびCV計測そのものができなくなる恐れがあります。

ITP以前よりSafariブラウザへのターゲティング配信は困難だった!?

ということは、「ScaleOut」としてかなり大きな影響があるのではないか?というご心配をいただくのですが、中の人としてはそこまで大きな影響はないと考えています。

なぜなら、ScaleOutを通じて配信された広告表示(インプレッション)を配信OSや配信デバイスごとにみると、2017年9月のITP実装以前、そして現在のITP実装後においても、スマートフォン/PCともにSafariブラウザ向けのへの、広告配信ボリュームは以前から比較的少ないものであったからです。

これはおそらくScaleOutに限った話ではありませんが、実はSafariブラウザではITPの実装以前から、一般的な広告トラッキングやリターゲティング、そしてオーディエンスターゲティング(※1)に使用される3rd Party Cookieの利用が、デフォルトでブロックされていました。(※2)

近年のweb広告配信ではオーディエンスターゲティングによる広告配信が一般的ですが、Safariブラウザにおいてはターゲティングに活用する3rd Party Cookie情報が(ユーザーがSafariブラウザの設定を変更しない限り)取得できないため、元々Androidほどオーディエンスターゲティングの比率は高くなかったのです。

(※1)広告配信において対象ブラウザのweb上での回遊行動などを匿名データとして蓄積し、興味関心などをセグメントして広告配信する機能

(※2)厳密にいえば以前のiOS側でのデフォルト設定は「訪問したサイトのCookieを許可」でした。これは3rd Party Cookieはデフォルトでブロックされるものの、一度1st Party Cookieとして書き込まれたCookie発行元のドメインについては、3rd Party Cookieとしても受け入れるという設定です。そのため、リダイレクトページなどを通じて1st Party Cookieを付与することができた場合、3rd Party Cookieによるトラッキングが可能となっておりました。

ScaleOutはSafariブラウザでもCV計測施策を予定!(アプリ向けのターゲティング配信には影響なし)

そもそもの配信ボリュームは少ないとはいえ、今回の「ITP2.0」へのアップデートを受けてSafariブラウザへのリターゲティング、オーディエンスターゲティング、CV計測は難しいものとなりましたが、ScaleOutではSafariブラウザのCV計測への対応が可能です。また、引き続きアプリへのターゲティング広告配信は可能となっておりますのでご安心ください。

①SafariブラウザにおけるCV計測について

引き続きSafariブラウザでもCV計測ができる仕組みの提供を予定しております。専用タグの設置など、いくつかクライアント様や代理店様にもご協力いただく箇所がでてきますので、詳細はSupershipの担当者にお問い合わせください。

②アプリへのターゲティング配信について

webブラウザ向けのターゲティング広告配信とCV計測においてはCookie情報が使われているのに対し、アプリ向けの広告配信においてはCookieでなく端末用の広告掲載ID(広告識別子)(※3)が使われています。よって、アプリ向けの広告配信においては特に影響はございません。

(※3)AppleのiOSは「Advertising Identifier(IDFA)」、GoogleのAndroid OSは「Google Advertising Identifier(AAID)」と呼ばれています。

今後の広告業界に起こりえる影響は?!

日本ではモバイルOSシェアの多くがiOSと言われています。広告クリックから24時間は可能だったオーディンエンスターゲティング配信、リターゲティング配信、広告配信後のCV計測が一切できなくなるため、様々な影響があると考えられます。(※あくまで予測としてご認識ください)

①広告在庫「iOS/アプリ面」の買付額が高くなる?!

前途のとおり、Safariブラウザユーザーにリーチするためにアプリ面へのターゲティング配信の増加が考えられます。結果としてアプリ面の広告在庫の買付競争が高まり、アプリ面の買付額は高くなる可能性があります。

②広告在庫「多数のメディア/Web面」のCPMは安くなる?!

こちらは主にメディア側の話ですが、Safariブラウザへのオーディエンスターゲティング配信ができなくなると、多くのメディアの広告枠のCPMが安くなる可能性があります。そもそもメディアの広告枠はオーディエンスターゲティングで起こる買付競争によってCPMが底上げされていたと考えられるからです。

③広告在庫「一部のプレミアムなメディア/Web面」の買付額は高くなる?!

②の逆説にはなるのですが、ターゲットを指定した広告配信をSafariブラウザで行いたい場合、メディアの特性を踏まえた特定メディアの指名買いが起こると考えられます。オーディエンスターゲティングは「枠から人へ」という言葉がありましたが「人から枠へ」という回帰が起こる可能性があり、それに伴いプレミアムなメディアの需要が高まることで買付額(CPM)が高くなるのではと考えられます。

その他、CookieのCVデータを利用した最適化機能を用いる広告配信媒体の成果悪化や、今回は詳しく説明していませんがリファラー情報(webサイトに到達する参照元となったwebサイト)がURLからドメインに変更されるため、レポートの正確性の低下などが考えられます。
※解析ツールや広告計測ツールにはITP対応済みのツールもございますので詳細は各社にお問い合わせください。

まとめ

・ITP2.0の実装によってSafariブラウザのCV計測、リターゲティング、オーディエンスターゲティングができなくなる。

・もともとScaleOutにおいてはSafariブラウザへの広告配信ボリュームは比較的少なく、今回の施策による影響は軽微と想定。

・専用のタグの設置などによってSafariブラウザのCV計測は引き続きできることを予定。ターゲティングはアプリ面への配信を行うことによって一部対応は可能。

 

以上、ScaleOutの中の人による「ITP2.0」の解説と勝手な予測でした。
“ITPの余波”として各メディアのCPM低下やプレミアムメディアのCPM上昇などが起きる可能性がありますので、引き続き今後の動きに注目していきたいとおもいます。

ScaleOut

「ScaleOut(スケールアウト)DSP」は、独自データを活用した高精度なターゲティング配信や媒体開示型の詳細なレポーティング機能によって、より効果的、効率的な広告運用を多様な広告フォーマットにて可能にする広告主向け配信プラットフォームです。不適切な枠からのリクエストや広告効果が見込めないフィラーを定期的に排除するモニタリング機能や、コンピュータのボットプログラムによる不正広告の検知機能によるアドフラウド対策に積極的に取り組むことで、高度なブランドコミュニケーションにご利用頂けるサービスを提供しています。

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