コラム

「アドベリフィケーションに関する意識調査2018」結果報告 〜不正広告への認知高まる、過半数の企業が対策に積極的〜

Supershipグループでアドベリフィケーションツールの開発・提供を手がけるMomentum株式会社では、国内の事業会社のマーケティング・広告・広報部門に所属する担当者と、メディア事業で自社媒体の広告事業に携わる担当者約380名を対象に、「アドベリフィケーションに関する意識調査」を実施しました。
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<調査概要>
調査期間:2018年9月12日~10月22日
人数:382名
対象:上場企業のマーケティング・広告・広報部門に所属する担当者、メディア事業で自社媒体の広告事業に携わる担当者
※構成比は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計して100にならない場合があります

 

そもそも「アドベリフィケーション」とは?

「アドベリフィケーション」とは、Ad=広告、Verification=検証という言葉が指す通り、「広告を検証する仕組み」のことです。

インターネット広告におけるプログラマティック配信の仕組みは複雑化しており、配信量も膨大であることから、表示される広告1つ1つを人の目で確認することは非常に困難となっています。そのため、ブランド価値を毀損するようなサイトへの配信や、広告費をかすめ取る詐欺などが少なからず発生してしまう事態となっています。
そうしたリスクを防止するため、誕生したのが「アドベリフィケーション」です。

近年は、漫画などを違法に配信する“海賊版サイト”が政府をも巻き込んだ騒動を起こし、その収入源が広告だったことや、サイトに“広告詐欺”が隠されていたことが新聞やテレビでも報道されたことで、注目が集まっています。

今回の調査結果においても、アドベリフィケーションに取り組むきっかけを聞いた質問では「アドフラウドやブランド毀損が問題になっているから」(19.7%)が最も多い答えとなり、次いで「雑誌や新聞、WEBメディアなどで記事を読んだから」(18.0%)が2番目に多くなっています。

「アドベリフィケーション」対策として挙げられるのは、大きく分けて以下の3点となります。

アドフラウド」=広告詐欺
ビューアビリティ」=(広告の)視認性
ブランドセーフティ」=ブランド価値毀損のリスク(およびそれに対応すること)

アドフラウド

アドフラウド=広告詐欺は、悪意のある第三者が広告費を騙し取ることで、手口は多岐に渡ります。

例えば、不適切なサイトの運営者が、広告掲載先のドメインを偽る=健全なサイトになりすますことで不正に広告収益を得ようとする「ドメインスプーフィング」は、ニュースなどでも話題となった“海賊版サイト”でも確認された手口で、モメンタムでは注意を喚起するプレスリリースを発表しています。

また、人ではなくボット(プログラム)を使ってインプレッションやクリックを大量に発生させ、水増しすることで広告費を騙し取るものもあり、これはいわば「誰もいない廃墟に向けチラシを投げ込む」ようなことになってしまうため、費やした広告費は無駄になってしまいます。

ビューアビリティ

WEBサイトに配信された広告は、その全てがユーザーの目に留まっているわけではありません。

例えば、WEBページの一番下に広告が表示されているとすると、ユーザーが最後までスクロールせずに別のページへ遷移してしまった場合、その広告は「配信はされていたが閲覧はされていない」ことになります。

広告は配信された時点で費用が発生しますが、それがユーザーに見られていないのであれば、その費用も無駄なものとなってしまいます。

ブランドセーフティ

「ブランドを毀損しない」とは、反社会的なサイトや、悪意のあるまとめサイトなどに広告が配信されないことを指しますが、近年ではサイト単位のみならず、サイト内のページ単位でブランド毀損のリスクを判断するようになっています。

例えば、アルコール飲料の広告が大手のニュースサイトに出稿されるとして、それが飲酒運転による事故の記事で表示されてしまうと、その2つが関連付けされることでブランド毀損につながってしまいます。

このように、サイト自体は信頼できるものであったとしても、ページの内容によってはブランドを毀損してしまう恐れがあるため、業界や広告主に応じてカスタマイズしたフィルタを用意するなどの対策が必要となります。

以上の3点により、デジタル広告における「広告費の不正利用防止」や「ブランド価値毀損リスクの回避」を助けるのがアドベリフィケーションであるといえます。

※アドベリフィケーションについてはSuperMagazineの他の記事でも解説しております。より詳しく知りたい方はそちらもご参照ください。

広告主のためのアドベリフィケーション入門(前編)〜そもそも何故“アドベリ”が必要?〜
広告主のためのアドベリフィケーション入門(後編)〜4つのステップで“アドベリ”の費用対効果をアップ〜
アドフラウドの基本と対策方法をおさらい – アドフラウド勉強会レポート 前編
ボットだけではない!新型アドフラウドによる新たな問題点 – アドフラウド勉強会レポート 後編
アドフラウドの手法と解説

 

問題の認知度&対策の意向が高まる

「アドベリフィケーション」「ブランドセーフティ」「アドフラウド」「ビューアビリティ」のそれぞれのキーワードについて「名称も内容も知っている」とした回答は、昨年10月に行なった調査結果と比較すると、アドベリフィケーションは12%→19.7%約1.6倍)、ブランドセーフティは14%→36.8%約2.6倍)、アドフラウドは5%→25.1%約5倍)、ビューアビリティは10%→24.6%約2.5倍)となり、全てのキーワードで向上がみられました。

前回比で約5倍と、最も伸び率が高かった「アドフラウド」においては、前述した海賊版サイトの話題が広くメディアで取り上げられたことから、認知度が高まったものとみられます。

また36.8%と認知度が最も高い「ブランドセーフティ」は、ヘイトスピーチなどの不適切なサイトへ配信された広告がしばしば騒動になることから、「広告配信によるブランド価値の毀損は避けたい」という課題感が表れたものと考えられます。

その一方で、「アドベリフィケーション」の認知度は「ブランドセーフティ」「アドフラウド」「ビューアビリティ」のいずれよりも低くなっています。
これらのことから、報道などの影響でインターネット広告に存在する問題そのものの認知度は高まったものの、それらを防ぐための技術についてはまだ十分に認知されていないことがうかがえます。

それぞれの対策状況について聞くと、「対策をとっていないが、今後対策をとっていきたい」と答えた企業は、ブランドセーフティで14%→46.3%約3.3倍)、アドフラウドは14%→48.5%約3.5倍)、ビューアビリティは15%→45.8%約3.1倍)と、前回調査では14〜15%だったのがいずれも3倍以上で、4割を超えており、「対策を取りたい」という意向が高まっていることがわかります。

また「対策をとっていないが、今後対策をとっていきたい」「対策をとっている。またはとったことがあり、今後も対策をとっていきたい」を合わせた数値は、ブランドセーフティでは65.2%アドフラウド61.7%ビューアビリティ61.2%と、6割超の企業が対策の取り組みに積極的であることがわかります。

 

アドベリ導入の障壁は「予算」や「人的リソース」?

一方で、実際に対策をとっているかについて企業の年商で分けて集計すると、年商1000億円以上の企業で「未対策」としたのは、ブランドセーフティで38%、アドフラウドで44%、ビューアビリティは39%と4割程度だったのに対し、年商1000億円未満の企業ではブランドセーフティで62%、アドフラウドで64.4%、ビューアビリティで61.3%といずれも6割強におよび、年商の規模により対策状況に開きがあることがわかりました。

また、「対策をとっていないが今後は対策をとっていきたい」と答えた方に、今までに対策をとってこなかった理由について聞いた質問では、「今回の調査までこのキーワードを知らなかった」がアドフラウドでは26.1%、ビューアビリティでは23.5%とそれぞれ最も多く、ブランドセーフティでは17.8%と2番目に多い答えとなりました。

一方で、「担当するメンバーなどのリソースがないから」とする答えは、ブランドセーフティは19.1%と最も多く、アドフラウドでは23.5%と2番目に多く、ビューアビリティでは19.6%で「予算がないから」と同率で2番目に多くなっています。

これらの結果より、アドベリフィケーション機能を導入するにあたっては、予算人的リソースなどのコスト面が障壁になっていることが伺えます。

また、ビューアビリティにおいて「予算がないから」が2番目に多い答えになっていることからは、アドベリフィケーションにおいてはブランドセーフティとアドフラウドの優先順位が高いということが読み取れます。

 

アドベリが広告の費用対効果にもたらす影響とは?

アドベリフィケーションの費用についてはこのような結果も出ています。

こちらは、「対策をとっている/またはとったことがあるが、今後は対策をとりたいと思わない」 と答えた方を対象に、対策をとりたいと思わない理由について聞いた質問の集計結果です。

ご覧のように、「費用対効果が悪かった」をはじめ、「ROASが低下した」「CPAが低下した」を合わせると、およそ3分の2が対策にかかるコストや費用対効果を問題視していることが見て取れます。

また、アドベリフィケーションに取り組んだ結果出た効果については、

「CPAが向上した」(4.9%)「CPCが向上した」(3.3%)「ROASが向上した」(2.4%)の3つを合わせても10.6%となり、アドベリフィケーションが広告の費用対効果に与える効果を評価する声はあまり多くないということがうかがえます。

一般的に、アドベリフィケーション技術を導入することで、広告の単価そのものは上昇する傾向にあります。

しかしながら、その単価だけを見て「アドベリフィケーションによって広告の費用対効果は悪化する」と結論づけることは必ずしもできません。

こちらは、モメンタムのソリューションを導入いただき、広告配信を行った場合の費用(CPM課金)の例です。CPMだけで見ると、導入後の単価では38円上がっています。

一方で、アドベリフィケーションを導入していない状態では、下記の「無駄なインプレッション」にも広告費を支払っていることとなります。

ブランドを毀損するおそれのある面に配信されているもの
・アドフラウドの危険性があるもの
・ビューアブルでない(視認性が低い)面に配信されているもの

特に「ビューアブルでない」ものは40.2%を占め、大きなインパクトを与えていて、費用対効果を考えるうえでは決して無視できないことがわかります。

これらの“無駄”を除外した“買い付けCPM”を算出すると、アドベリフィケーションを導入していない場合は201円、導入し“無駄”を削減した場合では184円となります。

アドベリフィケーションにより、“無駄”かつブランドに悪影響を与えてしまうような広告配信を除くことで、より効率良く広告費を使える、つまり「広告の費用対効果が悪化すると一概には言えない」といえるのではないでしょうか。


今回の調査結果から、日本国内におけるアドベリフィケーションを取り巻く状況は以下のようになっていると考えられます。

“海賊版サイト”に関する報道の影響などにより、不正広告の認知度や対策への意向は高まっている
一方で、実際の対策においては、多くの企業(年商1,000億円以下の企業を中心に)で予算や人的リソースが障壁となっている

こうした「リソースが無い」という課題に対し、モメンタムでは、広告主様向けにアドベリフィケーションツールの導入から運用まで最小限のコストでフルサポートを行う「Hyper Transparency for Advertiser」(HYTRA/ハイトラ)をご提供しています。
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ハイトラの導入にあたっては、はじめに現状の広告配信リスクを分析し、広告主ごとにカスタマイズ(業界特有のネガティブワードなど)したフィルタを作成します。導入後も恒常的にモニタリングを行い、ロジックの調整などを行いながら、アドフラウドやブランド毀損の可能性のある掲載面への広告表示や、広告そのものの入札をブロックします。

これらを、専門の担当者が導入から運用まで一気通貫にサポートすることで、広告主が要する人的リソースや工数を少なく抑えることに務めています。

さらに、モメンタムでは12月11日より、広告代理店向けのアドベリフィケーションツール「HYTRA DASHBOARD(ハイトラ ダッシュボード)」をリリースいたしました。
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今後も、「無価値なインターネット広告取引をゼロにし、インターネット広告全体の価値を向上させていく」というミッションのもと、アドプラットフォームだけでなく、広告主、広告代理店など、様々な企業のニーズにあわせてたサービスの開発・提供を行うことで、日本のデジタル広告業界の健全化への取り組みを牽引してまいります。

Momentum株式会社

モメンタムは、日本語に特化した言語解析技術を基盤に日本のデジタル広告業界の健全化への取り組みを牽引するアドベリフィケーションカンパニーです。アドフラウド対策やブランドセーフティにおいて世界最高水準の認定団体である「Trustworthy Accountability Group(TAG)」より日本で初めて認定を受け、さらに「Media Rating Council(MRC)」の認定を受けたパートナーとの連携によりビューアビリティ計測にも対応し、全方位型で精度の高いアドベリフィケーションソリューションの開発・提供を行っています。

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