本ウェビナーの目的
Momentumが提供する様々なインターネット広告のリスクに対応した包括的なリスト提供プラットフォーム「HYTRA DASHBOARD」では、これまでディスプレイ広告面やYouTube上の広告面におけるソリューションを展開してきました。
この度、新たにアプリ上の広告でブランドセーフティを実現する非推奨リスト提供サービス「HYTRA DASHBOARD App Unsafe List」をリリースしました。
これからアプリ上の広告のリスク対策に取り組む企業の方はもとより、今取り組んでいるものの対策の効果に不安を感じている企業・担当者の方、作業工数が膨大になり負担を感じられている営業の方にぜひご検討いただきたい内容です。
登壇者プロフィール
メインスピーカー:柳谷 俊輔(Momentum株式会社)
Chief Product Officer
楽天株式会社でキャリアをスタートし、エンジニアからアナリストへの異動を経て開発視点での社内コンサルティングに従事。2012年にcomScore Japan株式会社に入社。ワールドワイドなデータ提供プレイヤーという立ち位置からB2Bビジネスを内資、外資問わず担当するとともに、アドベリフィケーションの日本国内での啓蒙活動に従事。2018年4月にMomentum株式会社に参画、2022年4月より現職。
アプリ内広告を取り巻く環境
スマートフォンの利用拡大に伴い、アプリの利用に費やす時間は2019年〜2021年の3年間で、世界各国で伸長しています。
モバイルアプリの売上高においても、2016年〜2020年は日本を含む世界各国で増加しており、2021年〜2023年においても増加傾向を予測しています。また、アプリの売上高の増加に伴い、アプリ内の広告費も増加していることが想定されます。
上図は、2019年にPubMatic社が行ったアプリ内広告の意識調査の結果を示したものです。「(アプリ内広告に関して)どのような課題が解決されれば、貴社(または貴社クライアント)のアプリ広告をDSPを経由してプログラマティックにバイイングしますか?」という質問に対し、「ブランドセーフティの課題」、「アドフラウドの課題」という回答が9割を超えています。この結果からブランドセーフティやアドフラウド(不正広告)の課題は、WEBサイトやYouTubeだけでなくアプリ内広告においても広告主や代理店の皆さまに共通した、解決すべき重要項目として認識されていることがうかがえます。
Momentumが考えるアプリ内広告における課題
Momentumが認識しているアプリ内広告の課題は、三点に大別できます。
まず一点目は、「各プラットフォームはアプリ審査において、”広告出稿”に適切か否かの審査を行っていない」ことです。
アプリ配信を行う各ストアでは、アプリ自体の審査(各プラットフォームが設定している不適切なコンテンツに該当しないか等)は行っているものの、広告主が広告出稿を行う際に適切なアプリかどうか、という観点での審査は十分に行われていません。
また最初の審査の際は審査通過のために良質な情報を出して、本番環境でのアプリ配信時には審査の申請時と異なる情報を掲載していた事象が実際に発生しています。これは即ち、広告主にとって望ましくないアプリに、自社に広告が表示されてしまう可能性があるということです。
二点目の課題は、広告主のブランド毀損をしてしまう可能性があるアプリ、アドフラウドが一定数存在していることです。
例えば違法音楽ダウンロードアプリの存在が2020年頃、話題になりました。このようなアプリ内にも、国内の有名メーカーやナショナルクライアントの広告が実際に掲載されていました。この時一般社団法人日本レコード協会が違法音楽アプリの根絶に向けて、注意喚起や「あの音楽アプリは、もう違法。」という特設サイトを開設しました。しかし業界を挙げてこうした取り組みがなされているにも関わらず、いわゆる「著作権侵害アプリ」は現在も各アプリストアに存在しています。そのようなアプリに広告主の財産である貴重な広告が掲載されてしまうリスクが、今もなお払拭しきれていないのです。
また、ブランドセーフティの観点においては、不正インプレッションの事例もあります。ワールドワイドで1,000万回以上ダウンロードされた非常に著名な某バーコードリーダーアプリに、突然マルウェア(不正且つ有害な動作を行う意図で作成された、悪意があるソフトウェアや悪質なコードの総称)が仕込まれてしまい、結果として不正なサイトアクセスが発生してしまいました。当然ながら、各アプリストアにおける審査段階でマルウェアが仕込まれたものや、その疑いがあるアプリは除外されています。しかし、そういった対策を行い審査を経たアプリであったとしても、途中段階でマルウェアが仕込まれたり、何らかの不正を働かせるアプリにすり替えられてしまう、といった事象が発生しています。このことからも、アプリストアによる審査・パトロールにも限界があることが分かります。
三点目の課題は、ディスプレイ広告出稿のみを行っていても、広告配信プラットフォームの仕様上、リスクを含むアプリにも広告が出てしまう可能性があることです。
例えば、GDN(Googleディスプレイネットワーク)を使っている方がディスプレイキャンペーンを使った場合です。現状のディスプレイキャンペーンは、ディスプレイ(WEB)面だけに配信されるわけではなく、アプリも広告配信の対象に含まれるのがデフォルトになっています(Googleに限らず、他のプラットフォーマーも同じ状況です)。Momentumが把握している範囲では、ディスプレイ面への配信が約5〜6割、残りがアプリやYouTubeなどの面への配信です。獲得目的の広告のみならず、ブランディング目的の広告においても、アプリにインプレッションが寄ることがプラットフォーム側のロジック次第ではあり得ます。アプリの面に関しても、何らかの対策を行う必要があると考えます。
「HYTRA DASHBOARD App Unsafe List」で実現できる
ブランドセーフティ
広告主のブランドや商品イメージを傷つける可能性があるアプリへの広告配信を制御するための広告配信非推奨リスト提供サービス「HYTRA DASHBOARD App Unsafe List」(以下、App Unsafe List)は、これらの課題に対して適切にアプローチします。
App Unsafe Listは、世界最大級のアプリ調査・分析データを保有するデータプロバイダーを含むデータソースを利用しています。取得したデータをMomentumが様々な角度から解析し、更に目視によるチェックも行っています。機械と人によるハイブリッドなチェック・判定を行うことにより、精度が高いリストを抽出することが可能となります。
Momentumのソリューションにおいて、ブランドセーフティの観点から除外しているカテゴリには、アダルト系、マッチング系、公営ギャンブル(競馬、競艇など)、センシティブな分野(政治、宗教など)、著作権侵害、ブラウザアプリ(アプリストアで展開されているブラウザ)、2ちゃんねる/5ちゃんねるまとめ系(ビューワーアプリ等)が挙げられます。この他にもハイパーカジュアルゲーム等、ブランドリスクに直結しなくとも、短期的な広告収益を意図したユーザーが定着しづらいものも除外すべきカテゴリに含んでおります。
但し、これら全てを除外対象にしなければならないのかというと、一概にそうではありません。広告主の業種・業態や、扱うキャンペーンの内容等に応じてカスタマイズする手段を取ることも可能です。
なお、App Unsafe Listを適用することができるプラットフォームは、GoogleAds、Yahoo! JAPAN、Meta(Facebook)、TikTok Adsなど(Momentumが確認済みであるもの)です。
上表は、App Unsafe Listを確認いただける画面(サンプルイメージ)です。ダッシュボードから著作権侵害などの除外カテゴリにはどのようなアプリが登録されているのか、一目で確認することができます。ダッシュボードの構成および使用方法も非常に明快ですが、ご利用いただく方々にはMomentumが適宜サポートいたします。
アプリ広告の配信におけるブランドセーフティにあたり、App Unsafe Listの活用を是非ご検討ください。
本日はありがとうございました。