【minne byGMOペパボ様 成功事例】なぜ“広告初心者”が売上を伸ばせたのか?「S4Ads」の技術とサポートが支えるECリテールメディア戦略、「還流モデル」の全貌

セミナーレポート

【minne byGMOペパボ様 成功事例】なぜ“広告初心者”が売上を伸ばせたのか?「S4Ads」の技術とサポートが支えるECリテールメディア戦略、「還流モデル」の全貌

2025年11月11日(火)、Supership株式会社(以下、Supership)は、GMOペパボ株式会社(以下、GMOペパボ)様と共同で、マーケティングカンファレンス「MarkeZine Day 2025 Retail」に登壇しました。

セッションでは、国内最大級のハンドメイドマーケット「minne byGMOペパボ」様が、弊社のサイト内検索広告ソリューション「S4Ads」を活用し、いかにしてサイト内広告「minne広告」を成功させたのか、その軌跡と戦略の裏側を深掘りしました。

minne byGMOペパボ様との取り組みでは、ECリテールメディア戦略の理想形である「三方良し(プラットフォーム・出店者・ユーザー)」の実現に加え、広告運用に不慣れな作家様やブランド様の活動をきめ細かく支援し、プラットフォーム全体の成長を促す「還流モデル」を確立しました。

本記事では、当日のセミナー内容を基に、Supershipがminne byGMOペパボ様のECリテールメディア戦略を技術と知見でどう支え、作家様・ブランド様の成功を導いたのかを詳しくお伝えします。

登壇(写真左から)

  • Supership株式会社 野本 くらら(リテールメディア企画部 ディレクション1G GL)
  • Supership株式会社 杉本 尚弥(リテールメディア企画部 部長)
  • GMOペパボ株式会社 武尾 健太 様(minne事業部 マネージャー)
  • GMOペパボ株式会社 小松 智樹 様(minne事業部 プロダクト開発チーム シニアディレクター)

作家様・ブランド様の「ステージアップ」というニーズを背景に生まれた「minne広告」

95万件以上の作家様・ブランド様が1,800万点以上の作品を出品する、巨大なハンドメイドマーケットminne byGMOペパボ。2012年のサービス開始後、認知拡大期を経て2019年に黒字化を達成。現在は成長戦略の柱として「作家様・ブランド様の活動支援」に注力しています。

minne広告は、作家様・ブランド様が自身で費用を支払い、サイト内で自作品の露出を増やし購入を促す施策です。

minne byGMOペパボの開始当初は趣味で創作活動を行うユーザーが中心でしたが、事業として成功する作家様やブランド様が増えるにつれて、新たなニーズが生まれたといいます。

「もっともっと事業として成功していきたいというお声をいただくこともあり、お金を払ってでも何かマーケティングをしたい、というご要望にお応えする形で『minne広告』は生まれました。」(武尾様)

趣味の延長線上から、事業として「ステージアップしたい」という作家様・ブランド様の熱意に応えるため誕生したminne広告。その技術基盤として採用されたのが、Supershipのサイト内検索広告ソリューション「S4Ads」です。

S4Ads導入の決め手は「迅速なサービスイン」と「将来的な拡張性」

minne byGMOペパボ様がS4Adsを選定した理由は、大きく2つあります。

第一に「導入スピード」です。GMOペパボの武尾様は、自社でゼロから広告システムを開発する選択肢もあったとしつつ、導入スピードを重視したと語ります。S4Adsを導入することで、大規模な開発リソースを割くことなく迅速に機能提供を開始することができました。

第二に「拡張性」です。将来的に他のECプラットフォームとの連携も視野に入れていたminne byGMOペパボ様にとって、閉じた自社システムを構築するよりも、外部ソリューションであるS4Adsを導入するメリットは大きいものでした。この点については後ほど詳しく解説します。

広告に不慣れな作家様・ブランド様を導いた「徹底的なサポート体制」が成功の鍵に

minne広告が成功を収めている最大の要因は、広告運用に馴染みのない個人作家様が中心であるという特性を踏まえた、丁寧な設計運用支援にあります。実際に利用率は着実に増加し、目標数値を達成し続けています。

【成功の鍵①】 心理的ハードルを下げるメッセージング

広告サービスの開始は、既存ユーザーからの反発を招くリスクも伴います。minne byGMOペパボ様はこの点を考慮し、メッセージングを重視しました。GMOペパボの小松様は、作家様やブランド様に向け、minne広告が単なる広告ではなく「皆さんがさらに販売者としてステージアップしてもらうためのツールである、というコンセプトを明確に伝えた」と語ります。このメッセージが、作家様・ブランド様が前向きに広告を活用する土壌を育みました。

【成功の鍵②】 効果を「実感」させる管理画面と、それを支えるS4Adsの柔軟性

minne広告の管理画面には、このコンセプトを体現するためのさまざまな工夫が凝らされています。

S4Adsが提供する柔軟なAPIを活用することで、広告指標(インプレッション、クリック数など)を作品単位で可視化できるように設計。専門知識がなくとも、直感的に効果を把握し、次の一手を考えられるようになっています。

「単に広告を運用するだけでなく、『次のアクションとして利益率を上げるため、作成工程や材料を見直してみては?』といった、事業全体を見据えたアドバイスを提供することも意識しています。」(小松様)

このような、作家様・ブランド様の成長に寄り添うパーソナライズされたアドバイス機能の実装においても、Supershipの運用コンサルタントがminne byGMOペパボ様と二人三脚でロジックを設計しています。

また、季節のイベントや購買トレンド(例:七五三シーズンにおける着物や髪飾りなど)を参考にしたタイムリーなアドバイスも提供。「今このタイミングで広告を出すと、当たりやすいかもしれない」という具体的なヒントを与え、作家様・ブランド様の出稿を後押しします。

これにより、作家様・ブランド様は自身の感覚だけでなく、データに基づいた判断が可能になります。小松様は「そこから徐々に理解が深まってくれているのかな、という手応えがある」と、この設計の効果を語りました。

【成功の鍵③】 「三方良し」を実現するS4Ads独自の広告配信ロジック

一方で、広告導入で懸念されるのが、購入者側の「広告への嫌悪感」によるユーザー体験の低下です。しかし、この点について小松様は「広告へのネガティブな反応は想定より少なかった」と振り返ります。

その技術的根拠が、S4Adsの「独自スコアリング技術」にあります。一般的な検索連動型広告は入札単価の比重が大きいですが、S4Adsはそれだけではありません。

「入札単価に加え、作品の販売・評価実績、閲覧履歴、そしてS4の検索エンジン技術を応用した検索キーワードとの関連性などを総合的にスコアリングし、ユーザーにとって最適な商品を広告として表示します。この技術により、『広告の押し付け感』をなくし、むしろ新たな作品との出会いを創出する、ポジティブな購買体験を提供できるのです。」(Supership 野本)

このロジックがあるからこそ、作家様・ブランド様は不当な価格競争に陥ることなく、良い作品を誠実に作っていれば広告効果を得やすくなります。そして購入者は、自分の興味に合った魅力的な作品に出会える。まさにプラットフォーム、作家様・ブランド様、購入者の「三方良し」を技術で実現しているのがS4Adsの強みです。

「minne広告ではキーワード検索や閲覧履歴など、ユーザーの自然な流れの中から広告を表示するため、『広告が嫌だ』という声はそれほどありませんでした。結果として、GMV(流通取引総額)に広告収益が純増する形で売上を伸ばすことができました。」(小松様)

この「純増」という結果について、Supership 杉本も「広告を入れたことで1ページあたりの売上が下がることは絶対に避けなければいけません。minne byGMOペパボ様で純増という結果に繋がったことは、我々にとっても非常に嬉しい成功事例です」と、その価値を強調しました。

「還流モデル」戦略を持続的成長のエンジンに

minne byGMOペパボ様のECリテールメディア戦略の根幹には、プラットフォームの収益と作家様・ブランド様の活動支援を両立させる「還流モデル」があります。これは、minne広告や作家様・ブランド様向けサブスクリプション機能「minne PLUS」といった「新たな売上の柱」で得た収益を、既存の「マーケットGMV(流通総額)」を伸ばすための集客投資に再配分する仕組みです。

「新たな売上の柱で上げた売上を、既存の売上の柱の方でどんどん伸ばすための投資にしていく。この良い循環を生み出す仕組みこそが、minne byGMOペパボの持続的な成長を支えています。」(武尾様)

Supershipは、この「還流モデル」をさらに加速させるべく、技術提供にとどまらない伴走支援を推進しています。

今後の展望―マーケットを超えた価値創出へ

セッションの最後には、「リテールメディアとしてのminne byGMOペパボの未来」が語られました。Supershipは、minne byGMOペパボ様のさらなる成長に向けた新たな挑戦もサポートしています。

【挑戦①】S4Adsの拡張性が拓く「オフサイト広告」という次の一手

一つは、作家様・ブランド様から預かった広告予算をminne byGMOペパボサイト外で活用し、プラットフォームへの集客と作家様・ブランド様の売上向上に繋げる「オフサイト広告」構想です。Supershipの野本は「まさにこれが、武尾様がお話しされた『還流モデル』を加速させる核心的な施策」と位置づけています。

この壮大な構想を支えるのが、既存のS4Adsを発展させたシステムアーキテクチャです。

「S4Adsは各種APIを提供しており、既存のECシステムへの柔軟な組み込みが可能なだけでなく、将来的な外部サービス(オフサイト広告媒体など)とのデータ連携もスムーズに行えます。この技術的な拡張性が、minne byGMOペパボ様の『マーケットを超えた認知拡大』という未来の構想を下支えしているのです。」(Supership 杉本)

「自社だけで広告の仕組みを作っていると、他社様のECプラットフォームに我々の作品を広告として出すことは実現できません。S4Adsのような多くのプラットフォームで利用されているソリューションを導入することで、他社様とのコラボレーションがしやすくなる点は、非常に大きなメリットでした。」(武尾様)

Supershipは、SNKRDUNK様など多くの大手ECプラットフォームにS4シリーズを導入している実績があります。これらのアライアンス網を活かし、将来的にはS4Ads導入サイト間での相互広告出稿といった、Supershipだからこそ実現できる独自のネットワーク構想も視野に入れています。

【挑戦②】作家様・ブランド様に寄り添う「AIアドバイザー」構想

もう一つは「AIアドバイザー」の導入です。将来的には広告の自動運用も視野に入れつつ、まずは作家様・ブランド様それぞれのデータに基づいたアドバイスを自然言語で提案する機能を目指しています。

ここでも、minne byGMOペパボ様の「作家様・ブランド様に寄り添う」姿勢が貫かれています。

「広告に不慣れな方が、いきなり自動運用にお任せすると、どんどんお金だけがかかってしまうのではないか、という不安もあるかと思います。まずはAIがアドバイス役に徹し、作家様・ブランド様がご自身で納得して運用に慣れていくステップを大事にしたいと考えています。」(武尾様)

この段階的な支援の思想に、Supershipの杉本も「すごくminne byGMOペパボ様らしい発想。作家様・ブランド様を思いやる気持ちがないとこの発想には至らない」と深く共感。Supershipは、S4Adsのデータ分析技術を活かし、この作家様・ブランド様想いの構想の実現を支援してまいります。

まとめ:ECプラットフォームの持続的成長を支えるS4Ads

minne広告の成功事例は、ECサイトがリテールメディア戦略を推進する上で重要な示唆を与えてくれます。

  • 「還流モデル」の構築: 広告収益を再投資しプラットフォーム全体の成長を促すビジネスモデルが、持続可能性の鍵となる。
  • 出店者への徹底したサポート: 特に個人出店者を抱えるプラットフォームでは、ツールのUI/UX、フォローアップ体制、心理的ハードルを下げるメッセージングが成功を左右する。
  • 最適な広告体験の提供: ユーザーの購買体験を損なわない精度の高い広告ロジックが、顧客満足度と収益性の両立を実現する。
  • 拡張性のある技術基盤: オフサイト広告など、マーケットの枠を超えた成長戦略には、外部連携が容易なソリューションが不可欠である。

Supershipは、S4Adsの提供を通じて、minne byGMOペパボ様の「還流モデル」という持続的な成長戦略を支える中核インフラとしての役割を果たしました。弊社はこれからも、リテールメディア活用を推進するサイト様と「二人三脚」で取り組み、EC業界全体の発展に貢献してまいります。

ECサイトの新たな収益化や、出店者のマーケティング支援に課題をお持ちのご担当者様は、ぜひS4Adsの導入をご検討ください。

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Supershipの「S4シリーズ」は、サイト内検索ソリューション『Supership Search Solution:S4(エスフォー)』をはじめ、商品広告の出稿機能を容易に組み込み、リテールメディア化ができる『S4Ads(エスフォーアズ)』、パーソナライズされたレコメンドで収益向上を支援する『S4Recommend(エスフォーレコメンド)』など、EC事業者さま向けに提供するサービス群です。

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