2024年4月1日より、Supership株式会社は親会社であるSupershipホールディングス株式会社に吸収合併されました。
合併に伴い、存続会社であるSupershipホールディングスは社名をSupershipに変更し、新たな経営体制を発足しました。本件に関する詳細は、プレスリリースをご確認ください。

ブランドリスクの危険性と対策方法について #Fujitsu Insight 2018レポート

セミナーレポート

ブランドリスクの危険性と対策方法について #Fujitsu Insight 2018レポート

2018年12月11日(火)、東京ガーデンテラス 紀尾井カンファレンスにて富士通様主催のカンファレンス「Fujitsu Insight 2018」が開催されました。

デジタルマーケティングをテーマにいくつかのセッションが行われたなかで、「次世代型インターネット広告配信でROIを最大化」と題したセミナーでは、富士通が企業のマーケティング部門向けに提供する「FUJITSU Intelligent Data Service AD Drive(アド ドライブ) 運用型マーケティングサービス」についての講演が行われました。

富士通の「AD Drive」は従来の運用型マーケティングサービスとは異なり、AIを活用したインテグレーションを行うことで、部門の垣根を超えたデータから効率的な広告配信を行うサービスです。

▼紹介動画はこちら

▼資料ダウンロードサイトはこちら
http://www.fujitsu.com/jp/innovation/digital/digitalmarketing/dl-contents/2018/topics-10/

Supership株式会社は、「AD Drive」へのデータ活用ノウハウや広告配信技術におけるパートナーとして、サービス開発・提供に協力させていただいております。(プレスリリースはこちら

また、Supershipグループでアドベリフィケーション事業を専業で展開するMomentum株式会社も、アドフラウド・ブランドセーフティソリューションの提供を通じて、不正サイトや不適切サイトへの広告配信を排除するアドベリフィケーションへの取り組みを支援しております。

 

セミナーの前半では、富士通株式会社 ポータルサービス事業部 マネージャー 一木 規正氏より「AD Drive」による広告配信の社内実践事例やサービスの強みのほか、富士通として特に注力している「ブランドセーフティ」への取り組みに関してのご紹介がなされました。

富士通株式会社 ポータルサービス事業部 マネージャー 一木 規正氏

後半では、モメンタム代表の高頭博志より、「インターネット広告におけるブランドリスクへの取り組みについて」というテーマにて講演をさせていただきました。

本記事では、高頭による広告主様に知っていただきたい、ブランドリスクやその対策方法に関する講演をレポートいたします。


 

Momentum株式会社 代表取締役(CEO) 高頭 博志

モメンタムについて

Momentum株式会社の高頭と申します。
2014年から、ブランドリスクやアドフラウドをテクノロジーで適切に解決する事業をおこなってきました。昨年7月にKDDIグループにジョインし、その後もアドベリフィケーションという事業領域に注力しています。

最近ではブランドリスクについての話題が雑誌やニュースメディアでも頻繁に取り上げられるようになりましたが、創業当時はインターネット広告業界の人間ですらブランドリスクについての認知がほとんどされていませんでした。当時から専業で対策ソリューションの研究・開発を行ってきたこともあり、現在では多くの広告配信プラットフォームにおいて、弊社のソリューションをご利用いただいております。

これまでの実績から3つご紹介いたしますと、まずブランドセーフティ、アドフラウド対策における世界水準の認定機関であるTAGのライセンスを国内企業で唯一保有しています。

また、電通様とともに「アドベリフィケーション推進協議会」を共同で立ち上げ、広告主様が安心して広告を配信するための調査研究や情報発信に取り組んでおります。

また、国内で最も多くの広告配信プラットフォームとの接続を行っており、国内シェアNo.1のサービスを提供しております。

ブランドリスクとは?

ここからはブランドリスクとはいったいどういったものなのか?どのくらい発生するものなのか?をお話していきます。

電通の調査によると、2017年度の日本の広告費は1兆5千億円を超えており、なかでもインターネットの運用型広告と分類されるものは9千億円ほどで、前年比120%を超える成長率で今後も伸び続けている状況です。

出典:「2017年(平成29年)日本の広告費」/株式会社電通

このような成長の背景には、テクノロジーの進化によってインターネットの運用型広告は、従来の4マスでは実現できなかった広告配信結果の数値化が可能になった点や、幅広いユーザーのなかから柔軟なターゲティング配信が可能となった点が挙げられます。

しかし、利便性が上がり多くの企業で使われるようになった一方で、運用型広告における問題も顕在化してきました。

中でも今年一番大きな話題となったのは、著作権侵害サイトとして総務省が声明を発した巨大な違法サイト「漫画村」に、一部の広告配信プラットフォームを通じて大手企業の広告が配信されていたという事態です。

こうした、広告主の知らないところで不適切サイトに自社の広告が表示されてしまうという事象は珍しいことではなく、我々が実施した調査によると、現在配信されている運用型広告の11.2%がこうしたブランドリスクを引き起こす広告であるというデータが出ています。(調査詳細はこちら

ブランドリスクの具体例として、著作権侵害サイトへの広告配信の他にも、アダルト系などの公序良俗に反するサイトへの広告配信や、例えば、ビールメーカーの広告が飲酒運転のニュース記事に出てしまうなど、自社のプロダクトやサービスに対してネガティブな記事に広告が配信されてしまうというように、サイトだけでなくページ単位でブランドリスクを引き起こすケースもあります。

こうしたブランドリスクの具体的な影響としては、例えば不適切なサイトに広告が表示されているのを目にした一般消費者が、それをソーシャルメディア上で投稿し、さらにそれを見た一般消費者の間で次々と拡散され、さらにこの一連の様子を一般メディアが記事として掲載する、といったように、ほんの一部でも不適切な広告が配信されてしまったことにより、多くの人々に対して企業のブランドイメージを著しく毀損してしまい、さらにはブランド離れによる売上の低下、というような最悪の事態に発展することが考えられます。

実際に、今年の夏頃に大手電機メーカーにおいてこうした事態が発生し、インターネット広告からの一時撤退に追い込まれたケースもあります。

このようなブランドリスク被害を金額として算出するのは非常に難しいですが、何十年もかけて大切に築き上げてきた自社のブランドイメージが一瞬にして崩れてしまうこと、そしてそれによって消費者離れがおこり売上が落ちるなどのダメージは、企業にとって深刻な問題となるかと思います。

ブランドリスクを防ぐには?

とはいえ、事業拡大のために広告出稿は避けて通れないものです。広告主様の築き上げた大事なブランドイメージを守りながら安全にインターネット広告を配信するために、ここからは具体的な対処方法について弊社のツールをご紹介しながらお話させていただきます。

弊社では、①広告配信前②広告配信中③広告配信後、の広告配信におけるすべてのフェーズにおいてブランドリスク対策を行うことができるツールを提供しています。

まず①広告配信前の対策としては、富士通様の「AD Drive」をはじめ、弊社が提携する数多くの広告配信プラットフォーム上で広告の入札取引が行われる前に、弊社のデータベースを参照し、不適切な掲載面かどうかを判定したうえで、適切な掲載面にのみ広告を配信する「Pre Bid形式」と呼ばれる方法を適用しています。広告取引を未然に防ぐという性質のソリューションのため、無価値な広告枠に広告の入札コストをかけてしまうことなく、安全な広告配信を実現いたします。

次に②広告配信中の対策としては、不適切な掲載面に広告が表示されないよう、広告が表示される直前で広告クリエイティブをダミーの広告に差し替えることで自社のブランドの広告が表示されてしまうリスクを水際でブロックする方法です。

このソリューションは、弊社と連携している広告プラットフォームに限らず幅広いプラットフォーム上で適用することが可能です。

最後の③広告配信後の対策は、次の広告キャンペーンをプランニングする段階で実施します。
前途のとおり、弊社のツールは国内で最も多くの広告配信プラットフォームと接続しており、接続先の広告配信プラットフォームを通じて毎日1億URLもの広告掲載面を機械学習と専任のオペレーターによる目視での解析の両軸で解析し、サイト単位や記事単位で広告面としての適切・不適切を分析した結果をデータベースとしてアップデートし続けています。

このリアルタイムに更新されるデータベースと、実際に配信した配信先のリストを付け合わせることによって、次回の広告配信時に予め不適切な配信面をフィルタリングしたうえで広告配信プランを設計することが可能となります。こうしたPDCAの繰り返しにより、ブランドリスクのコントロールの精度を高めることができます。

このように、フェーズごとに様々なアプローチによって、サイト単位にとどまらずページ単位で広告配信先の制御を行うことができるのが弊社の強みです。

弊社のソリューションを実際に富士通様に導入いただいた結果、得られたデータがこちらです。

前提として、まだ当時の富士通様では専門のブランドセーフティソリューションの導入がされておりませんでした。そこで、弊社のツールを導入いただいたところ、これまで可視化できていなかったブランド毀損リスクを数値化し、可視化することができるようになりました。

結果として、対象キャンペーン全てにおいて全体の十数%程度のブランドリスクが発生しておりましたが、ツールを導入した結果、これを1%以下まで下げることに成功いたしました。

※詳細はこちら

さいごに

日本におけるインターネット広告市場はまだまだ急成長しています。
そんななかで、インターネットの運用型広告が抱えるブランドリスクは11.2%と、少なくない割合で発生している状況です。
企業がこれまで築き上げてきたブランドイメージを一瞬にして崩してしまうような事態が起こらないよう、専門事業者のソリューションを使ったブランドリスク対策への重要性が業界全体で叫ばれています。

我々の意識調査によりますと、ブランドリスクの認知自体は大きく高まったものの、既にアドベリフィケーションの対策をしているという企業はまだ2割弱程度と、まだ対策に踏み切ることができていない企業が多いようです。
(アドベリフィケーション意識調査2018調査詳細はこちら

モメンタムでは、全ての企業にブランドリスク対策を行っていただけるよう、今後も導入しやすいソリューションの開発や提供を行ってまいります。
ご興味をお持ちになった企業様は是非お気軽にご相談ください。

本日は最後までご清聴いただきありがとうございました。



Momentum株式会社

モメンタムは、日本語に特化した言語解析技術を基盤に日本のデジタル広告業界の健全化への取り組みを牽引するアドベリフィケーションカンパニーです。アドフラウド対策やブランドセーフティにおいて世界最高水準の認定団体である「Trustworthy Accountability Group(TAG)」より日本で初めて認定を受け、さらに「Media Rating Council(MRC)」の認定を受けたパートナーとの連携によりビューアビリティ計測にも対応し、全方位型で精度の高いアドベリフィケーションソリューションの開発・提供を行っています。

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SupershipグループのMomentumは、日本語に特化した言語解析技術と独自データを活用したアドフラウド検知技術を基盤に、日本のデジタル広告業界の健全化への取り組みを牽引するアドベリフィケーションソリューションカンパニーです。アドプラットフォーム・広告主・広告代理店など、様々な企業のニーズにあわせた「HYTRA」ブランドのサービスを提供しています。

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