セミナーレポート

5Gで到来!「データ爆発時代」にどう備える? #KDDI 5G SUMMIT セッションレポート

6月27日に開催された「KDDI 5G SUMMIT」。

次世代通信「5G」の本格化を前に、通信技術の革新がもたらすビジネスの変革について考えるべく、KDDI株式会社の髙橋 誠代表取締役社長をはじめとする各界の第一人者たちが集結しました。

Supershipからは取締役副社長COOの稲葉 真吾が、株式会社UltraImpression 代表取締役社長の棚田 壽典氏と登壇し、「データ爆発時代のデジタルマーケティング戦略」と題したセッションを行いました。

5Gの普及により訪れる「データ爆発時代」にどう備えるべきなのか?テレビ局における事例を交えてお話ししたセッションの模様をお届けします。

<登壇者>
棚田 壽典 氏
株式会社UltraImpression 代表取締役社長
稲葉 真吾
Supership株式会社 取締役副社長COO

(以下敬称略)


データは“グローバル経済の石油”になる

Supership株式会社 取締役副社長COO 稲葉 真吾

Supership株式会社の稲葉でございます。本日は「データ爆発時代にどう向き合うか?」ということで、前半は私から、5G時代におけるデータ活用の重要性についてご紹介させていただきます。後半は、UltraImpressionの棚田様にご参加いただき、テレビ局におけるデータ活用の取り組みについてお伺いできればと思います。

まず、我々Supershipについてのご紹介ですが、弊社は「データテクノロジーカンパニー」として企業のデジタルトランスフォーメーションの支援など様々な事業を展開している会社です。

「データテクノロジーカンパニー」を掲げているのはなぜか、という点についてお話しします。今年6月に都内で開かれた「世界デジタルサミット2019」にて、アメリカの半導体大手、ウエスタンデジタルのスティーブ・ミリガンCEOが、「データがグローバル経済の石油になる」と発言されました。我々も、まさにその通りだと考えております。

第二次産業革命において、経済発展の大きな原動力となったのは石油でしたが、これからは「データ」がその役割を担い、多種多様な事業・産業が生まれてくると考えています。

実際に、昨年の「世界の時価総額Top10」をご覧いただくと、「GAFA」を筆頭として、データを活用してビジネスを営むデジタル系の企業が10社中7社を占めています。

(※出典:ダイヤモンド社)

5Gの普及でデータは「爆発」する

では、5G時代においてデータはどうなるか?という本題に入りたいと思います。色々な考え方があり、今回お話しする内容はその一端にすぎませんが、我々としては、IoT・センシングデバイスが爆発的に増えることでデータが大量に流通すると考えています。

総務省の「情報通信白書」においても、「モバイルデータ」(IoTを含む)の流通が顕著に伸びることが示されています。2017年からは予測値となりますが、2020年までの3年間でおよそ3倍になっています。

IoTデバイスの中でも、特に「自動車・輸送機器」「医療」そして「工場・インフラ・物流」といった分野において、より大きな成長が見込まれています。「自動車・輸送機器」はコネクテッドカーが牽引し、「医療」では主にヘルスケア領域で様々な取り組みが広がっています。また「工場・インフラ・物流」では、既存の仕組みをさらにスマート化していく形での活用が見込まれています。

こうして様々な産業でIoTの活用が進み、センシングデータなど多様なデータがどんどん増えていく。つまりは・・

▲データ爆発時代到来

・・・「データ爆発時代到来」と、私たちは考えています。決してウケ狙いではありません(笑)。続いては、爆発的に伸びるデータに対しどのように向き合えばいいかを考えていきます。

分析しやすい環境を整え、コストを抑える

データは、大きくオンライン領域のものとオフライン領域のものに分類できます。
オンラインデータは、スマホアプリやWebブラウザから得られるものが中心で、弊社も日常的に活用しているものになります。ここに将来的に重なってくるのが、IoTデバイスからのセンシングデータです。

一方、オフラインデータは、実店舗における購買情報や、カスタマーセンターに蓄積されているデータなどです。これらは重要なデータですが、今まではオンライン領域のものと紐づけることは難しいのが実情でした。

それが、これからは、オンラインとオフラインを統合して分析できるようになり、ネット広告を見たユーザーが店舗で商品を手に取ったかがわかるなど、顧客をより立体的に捉えられるようになると考えています。

もちろん個人情報保護の規制もありますので、「どこまで踏み込めるのか」「ここから先は行ってはいけない」という線引きをしたうえで、データを匿名加工する必要があります。

一方で、膨大なデータを活用するうえでは、まずデータを統合管理する環境を整備し、クレンジングなどを行って、データサイエンティストが分析しやすい環境を整える必要があります。これらの点がひとつでも欠けていると、データ活用の手前でつまずいてしまいます。

データの管理環境の整備にあたっては、各所に散らばるデータをいかに統合するかということも大切ですが、データはとてもデリケートなので、ガバナンスも非常に重要です。会社間、もしくは部門間で、誰がどのように触れて良いのか、厳密に管理する必要があります。

また分析の段階では、データ処理のスピードが重要です。データが爆発的に増えるとそのぶん分析環境に負荷がかかって処理速度が遅くなり、結果的にデータサイエンティストの時間を奪ってコストにも跳ね返ってくることになります。ここで、大規模データに対応しうる分析基盤を導入することによって、処理速度をアップさせ、ローコスト化につなげることができます。

目指すは「データの民主化」

データサイエンティストが分析しやすい環境を整えることはとても大事です。その一方で、冒頭で紹介した「デジタルサミット」では「データが、サイエンティストだけでなく誰もが身近に触れるものとなる」という言葉もありました。

私たちも同意見で、これまで少数の専門家が扱い、分析をしていたものが「データの民主化」により、一部の限られた人ではなくプロジェクトに携わる全員が使えるものになると考えています。そうした中でデータサイエンティストは、より高度な領域を担うようになります。

そしてデータを活用することで、ユーザー体験の大幅な向上が引き起こされると考えています。ユーザー体験の向上は、新規の産業やサービスによりもたらされるものと、既存の産業の中でもたらされるもの、大きく2つに分けられますが、今回は、皆さんにも非常に馴染み深い既存産業、テレビ局における取り組みについて考えていこうと思います。

今年5月に、テレビ朝日様を中心に、我々Supershipや、サイバーエージェント様、電通様、博報堂様が参画し、新会社「UltraImpression」を設立いたしました。ここからは株式会社UltraImpressionの棚田社長にもご登壇いただき、テレビ局の5Gに対する取り組みについてお話ししていければと思います。


テレビ局主体の動画広告配信プラットフォームをつくる

株式会社UltraImpression 代表取締役社長 棚田 壽典 氏

棚田 株式会社UltraImpressionの棚田と申します。テレビ朝日では地上デジタル放送の推進業務やテレビ広告のセールスに従事し、昨年11月に新設されたIoTv(=Internet of Television)センターにて広告配信プラットフォーム関連業務を担当しておりました。

IoTvセンターは、テレビ朝日が「新しい時代のテレビ局」をつくるために新設した部署で、動画配信ビジネスの戦略検討や、先端技術を用いたコンテンツビジネスの開発に取り組んでおります。その1つ目の成果として、新会社UltraImpressionを今年5月に立ち上げました。本日はよろしくお願いいたします。

稲葉 ありがとうございます。ここからは、テレビ朝日様ではどういったことを考え、新会社を作られたのかというところを、より詳しく伺っていきます。まずUltraImpressionのミッションについて伺えますか?

棚田 大きく分けて3つ挙げられます。まず1つ目は「安全・安心の市場をつくる」ということ。テレビ朝日が培ってきた制作力に裏付けられた地上波クオリティのコンテンツ=「プレミアムコンテンツ」に動画広告を配信できる市場、つまりブランドセーフティを担保できる安全・安心な市場を作りたいと考えております。

2つ目は「独自データの利活用」です。今回、UltraImpressionを立ち上げるにあたって、Supershipにご参加いただき、業界でも随一のテクノロジーや、データマーケティングのノウハウを活用させていただけることとなりました。

そして3つ目は「動画市場の未来を創りたい」ということです。5Gの普及により動画視聴形態が多様化していく中で、時代に合わせた最適な広告配信プラットフォームを作っていきたいと思っています。

稲葉 テレビ朝日グループにとって、UltraImpressionはどういった役割を担うのでしょうか?

棚田 当面は、テレビ朝日の無料見逃し動画配信サービス「テレ朝キャッチアップ」の広告枠や、サイバーエージェント様とテレビ朝日で共同運営している「AbemaTV」の一部の広告枠において、運用型のデジタル広告配信を行っていきます。

テレビを取り巻く環境が大きく変わっていく中で、テレビ朝日の営業局と密に連携を取りながら、インターネット商流のビジネスを拡大させていきたいと考えています。

稲葉 テレビ朝日グループにおいて大きな役割を果たす会社となることが感じられましたが、テレビ局としてこのような取り組みを展開することになったいきさつを教えていただけますか?

棚田 5Gの普及が身近に迫る中、インターネット広告の中でもとくに動画広告市場の拡大が見込まれています。そうした成長市場にテレビ朝日として積極的に参入することで、インターネット商流の収益の拡大を狙っていきたいということがありました。

広告配信プラットフォームの構築・運用にあたっては、テクノロジーやデータマーケティングのノウハウを有するSupershipにご協力いただくことが最適と判断し、今回の展開となりました。
また「AbemaTV」とも連携を深めるためにサイバーエージェント様にもご参画いただきました。さらには、電通様、博報堂DYメディアパートナーズ様にもご参画いただき、広告の営業におけるご支援をいただきたいと期待しているところです。

稲葉 ありがとうございます。我々としても、新しい市場づくりに尽力させていただければと考えております。

「インプレッションの向こう側へ」

稲葉 では最後の質問とさせていただきます。ズバリ「UltraImpressionの将来像」は?

棚田 はっきりと申し上げるのは難しいですが、5Gの普及により動画視聴形態が多様化することで、ビジネスチャンスも大きく広がっていくと考えています。そうした時代の要請やアドバタイザーニーズにしっかりと答えられるように、必要な機能を随時追加し、その時代に合った広告配信プラットフォームを展開したいと考えています。

会社のキャッチコピーにもしているのですが、「インプレッションの向こう側へ。」ということで、ただインプレッションだけを追求する広告配信プラットフォームではなく、テレビがこれまでコンテンツを通じて与えてきた感動や驚き、これまでにない広告価値を提供できるプラットフォーム、そして会社になっていきたいと考えています。

稲葉 テレビの在り方や、インターネットのこれからの進展など、見えない部分はまだまだたくさんあります。そうした中で、手探りな部分はあるかと思いますが、これからUltraImpressionを大きく育てていこうとしていることは十二分に感じられたかと思いますし、参画させていただいているSupershipとしても、一緒に業界をより盛り上げることができれば良いと考えております。本日はご静聴ありがとうございました!

データマーケティングコンサルティング

Supershipは、データを活用したマーケティングパートナーです。データとテクノロジーでイノベーションを生み出すマーケティングコンサルティングサービスを顧客理解から効果検証まで、ワンストップでご提供しています。

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