セミナーレポート

データ・ドリブン・マーケティングにおいてマーケターが陥る3つの課題

Supershipでは、キャリアデータをはじめとする豊富で高精度なデータを軸に、質の高いデータマーケティングコンサルティングを提供しております。

10月5日に行われた「アドテック東京2018」では、マーケティングパートナーとして協業を行うKPIソリューションズ様のブースにて、企業のマーケターが陥りやすい3つの課題とその対処方法についてのトークセッションにゲストスピーカーとして登壇の機会をいただきました。

本記事ではセッションの様子をダイジェストにてレポートいたします。
(以下、敬称略とさせていただいております)


●登壇者
株式会社KPIソリューションズ 代表取締役 兼 CEO 石田 徹郎 氏(モデレーター)
Supership株式会社 執行役員 CMO 中村大亮
Supership株式会社 データビジネス事業部 副事業部長 後舎(ごしゃ) 満

株式会社KPIソリューションズ 代表取締役 兼 CEO 石田 徹郎 氏(モデレーター)

石田「本トークセッションでは、長年広告主としてマーケティングの最前線を経験し、現在はSupershipのCMOとして企業のマーケティングコンサルティングを支援する中村大亮氏と、KDDIのデジタルマーケティング部にてプロモーションを担当し、現在はSupershipでデータを活用したソリューションの企画開発を行う後舎満氏のお二人にお話を伺っていきます。
お二人とも広告主としてマーケティングを経験され、現在はベンダー側で企業のマーケティングを支援する立場ということで、広告主とベンダー両方の経験から、『データドリブン〇〇を進めるために必要なこと』と題したデータ・ドリブン・マーケティングを進めるにあたってマーケターが陥る3つの課題について、マーケターへのアドバイスをいただいていきたいと思います。」

どんなデータが必要?/データをどう集める?

石田「まず1つめのテーマは、マーケティングの材料として必要不可欠なデータアセット、つまりデータの資産化についての課題です。

ユーザー理解をするために、また、正しく効果的なマーケティング分析をするためには、データに“厚みを増す”ことが重要になってきます。例えば、純広告記事などのペイドメディアや、ソーシャルメディアをはじめとしたアーンドメディア、そして自社で所有するオウンドメディアや様々な外部メディアでの行動データなど、あらゆるところからデータを収集し、得られたユーザーのデータをベースに、ユーザーの興味・関心を把握していきます。サードパーティデータの提供や分析にあたり、弊社はSupershipさんと一緒にパートナーとしてお客様の支援を行っています。」

Supership株式会社 執行役員 CMO 中村大亮

中村「はい、Supershipでは、キャリアデータをはじめとする豊富で高精度なデータをかけあわせて、ユーザーの興味・関心を把握するお手伝いをさせていただいています。場合によっては弊社のデータパートナー様のデータも活用します。
もちろん、自社で不足データを直接購入する、という選択肢もありますが、データをもらうだけで、こちらから何も返せないといったように、交渉が難航するケースもあるかと思います。そんなときは、Supershipに相談ください、とは言いませんが(笑)、私どものようなサードパーティベンダーをはじめ、KPIソリューションズ様にご相談いただければそのあたりの交渉も含めてサポートできるので、選択肢の1つとして一度ご相談いただくのがよいかと思います。」

石田「データ分析の部分は、今後機械学習をつかったものも増えていくのでしょうか?」

Supership株式会社 データビジネス事業部 副事業部長 後舎 満

後舎「すべてを機械学習で担うのは難しいと思いますが、部分的に機械学習を取り入れた分析は既に実践しておりまして、例えば、引っ越しや結婚、転職などのライフイベントのあったユーザーの行動データを分析して、同じような行動をとっているユーザーを機械学習で予測するという、『予兆モデル』を開発し、既にご活用いただいている企業もあります。クライアントのニーズにあわせて予兆モデルを開発することも可能ですし、収集できるデータの量と質を高め、機械学習を上手く活用することで更なる精度向上が図れると思います。」

分析ってどうする?/データをどう活用する?

石田「次に、分析・活用における課題です。集めたデータをつかって、実際にどのように分析を行うのが良いのでしょうか?」

中村「私の場合、時間軸、属性軸、行動軸の3つの分析軸で実際に分析をしてきました。まずはとにかく身近にあるデータを定期的に、性別や年代などの属性軸や、例えばオウンドメディアの記事のアクセス数、サイト内での遷移数など、複数の軸を掛け合わせて眺めてみてください。

こうして得られた分析結果をマーケティング施策に落とし込んでいく、というのがマーケティングの流れになるわけですが、基本的にはマーケティングには8つのステップがあると思います。

<マーケティングの8つのステップ>
①目的を具体的に決める(クリアであればあるほど良い)
②仮説を立てる(分析のアプローチを明確にするための仮説を立てる)
③データを俯瞰し全体像をとらえる(長期間あるいは全属性など、全体をみて分析対象の全体像を掴む)
④俯瞰した全体像の中から特徴があるところを捉える(連続性のある値や異常値から仮説に関わるファクターを見つける)
⑤その特徴を深堀りする(そのファクターを他の分析手段を含め様々な手段を使って深堀りする)
⑥深堀りした結果から戦略を立てる(結果を5W1Hの観点で整理し戦略にする)
⑦施策を実行する
⑧施策の効果を検証する

このなかで分析の工程は①~⑤になりますが、とくに大事なのが、①の目的です。目的が明確でないと、そもそも分析にどのデータを用いればよいのかが見えてきません。逆にはっきりしていればしているほど、必要なデータと分析におけるアプローチ方法が見えてきます。あとは、このPDCAサイクルを回すことも重要です。当たり前のことですが、毎回振り返りを行い改善することで、マーケティング施策の最適化を図ることができます。
また、マーケティングにおいては経験値も重要で、分析に慣れてくると、①の目的を適正に設定できるようになり、②の仮説も立てやすくなります。③④では時系列やユーザー属性軸など、とにかく色々な切り口でデータを眺めること、これを繰り返すことで経験値は上がっていくと思います。」

後舎「私も、データを収集したものの、結局そのデータの使い所がなかった…という事態はよく耳にしますし、自身の経験上も思い当たることがあります。どんなデータが必要かを考えるにはまず目的をはっきりさせることが重要で、その目的達成の為にどのようなデータが必要かを洗い出し、それが自社で持っているデータだけで十分補えるのか?足りないデータがあればサードパーティのデータベンダーから取り入れることを検討するといったようなステップで整理していくと良いのではないかと思います。

また、データ分析においても、どうしても自社だけで行うには限界がくることもありますので、分析を得意とする外部のベンダーに協力を依頼するのも1つの手段だと思っています。ただ、その際に、すべてお任せてしてしまうのではなく、是非一緒にやっていただくことをお勧めします。大変だとは思いますが、一緒にやっていくことで、自社にもノウハウを貯めていくことができます。ノウハウを蓄積させていくことで、全体のマーケティング設計の精度向上につながるはずです。」

社内体制は?どのようにチームビルディングする?

石田「最後のテーマは、組織づくりです。ご自身での経験や、色々な企業をサポートしてきたなかで、データ・ドリブンなマーケティングをするにはどういったチームビルディングが重要だとお考えでしょうか?」

中村 「まず、事業会社側の社内にハブ機能をつくるというのが体制づくりの前提としてあって、そのハブ機能がきちんとワークするような組織づくりをしていく必要があると思います。
データ・ドリブンなマーケティング初期のステップとなる、デジタル広告のCTRやCPM改善のフェーズから、さらにコンテンツフォーメションや、あるいはクリエイティブをどうするか?といったところにまでデータ活用の範囲が広がってくると、ハブ機能への負担がどんどん増えてきます。ハブ機能を持つ部門をつくるだけでなく、そこに耐えられる組織をつくるのがポイントではないでしょうか?

さらに、もう一つ、共通のKPIロジックを持つ、ということもポイントだと思っています。
大きな企業様であるほど、ブランドごとにエージェンシーがいて、そこに外部の分析ベンダーが入ってブランドごとに分析を行うといったケースがあるかと思います。

しかし、これではそれぞれのブランドで経験値やロジックなどもバラバラになってしまいますので、是非共通のKPIロジックを持つ、ということをご検討いただきたいです。
実際に、これを実践している企業様では、複数の会社や組織の人間であっても同じ目線を持って、データ・ドリブンなマーケティングを実践していらっしゃいます。複数の組織を横断するハブ機能となる部門を持つこと、そして、ブランドや組織を通じて共通のKPIロジックを持つこと。この2点がチームビルディングの成功の秘訣ではないでしょうか?」

まとめ

石田「最後のまとめとして、お二人にデータ・ドリブンなマーケティングをするための“コツ”をお伺いしたいと思います。」

中村「様々なテクノロジーによってデータ・ドリブンなマーケティングは進化し続けています。今後もそうだと思いますが、大切なことはお客様のためになるような『カスタマーファースト』の原点に立ち返り、目的を見失わないことだと思っていますし、今後もそうありたいと思っています。」

後舎「様々な組織や部門を巻き込むケースが多いと思いますが、いきなり大きな課題に取り組むよりは、小さなことからコツコツ継続的に積み上げていくのがよいかと思います。まずは自部門で完結できそうな身近な課題からトライして、その結果を共有し、有効なものは横展開していく。この積み重ねが自身や組織全体にデータドリブンな取り組みを浸透させていく上で重要だと思います。」

石田「ありがとうございました。以上で、セッションは終了となります。ご清聴ありがとうございました。」

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