独自データを活用した高精度なターゲティング配信や媒体開示型の詳細なレポーティング機能によって、より効果的、効率的な広告運用を多様な広告フォーマットにて可能にする、Supershipの広告主様向けアドプラットフォーム「ScaleOut DSP」。2020年4月より、AIを活用した独自の広告テクノロジーを提供するGumGum Japan株式会社(以下、GumGum)のソリューションと接続を開始しました。
プレスリリース:Supershipの「ScaleOut DSP」、コンテキスト広告の「GumGum」と接続を開始 〜リッチなクリエイティブと、データを活用したきめ細やかなセグメントでより質の高い広告配信を実現〜
今回、SupershipとGumGumのオンライン対談が実現し、ScaleOut DSPとGumGumの連携によって、実現できる広告サービスについて、事例も踏まえて語って頂きました。
<参加者>
GumGum Japan株式会社 アカウントエグゼクティブ 菅原 洋介 様
GumGum Japan株式会社 Head OF Sales, Japan 松本 亮 様
Supership株式会社 デマンドプラットフォーム推進統括部長 細井康平
菅原 洋介
GumGum Japan株式会社
アカウントエグゼクティブ
ロレアル、ゲッティ イメージズ ジャパン、Sansan等を経て、2019年11月に GumGum Japanに入社。GumGum Japanではアカウントエグゼクティブ として顧客開拓に従事し、Supershipとの連携ソリューションも積極的に推進。
松本 亮
GumGum Japan株式会社
Head Of Sales, Japan
主にLoreal、BMW、PHILIPSなどでブランドマーケティング及びカスタマーマーケティングを担当し、ユーザーインサイトを元にしたコミュニケーション設計やメディア選定に従事。
GumGumでは、2017年よりGumGum Japanの立ち上げに携わり日本市場の開拓を行っている。
細井 康平
Supership株式会社
デマンドプラットフォーム推進統括部長
十数年デジタルマーケティングに従事し、Supershipでは2019年よりデマンドプラットフォームを統括。Supershipのプロダクトを日本市場へ普及する事を積極的に推進。
細井:ScaleOut DSPなどのSupershipのプロダクトの提携先、パートナー企業を定期的にご紹介させて頂く企画をスタートします。その第1弾として、ScaleOut DSPが2020年4月より接続開始したGumGum様と対談させて頂くことになりました。よろしくお願いします。
GumGumとは?
細井:まずはじめに、GumGumの特徴からお聞かせ下さい。
松本:ではGumGumについてご紹介いたします。
GumGumは、アメリカのサンタモニカに本社を置く、AIを使った画像認識・⾔語処理技術を持つテクノロジーカンパニーです。独自技術を活用することで、より良いマーケティング手法や消費者体験を実現することを目的に事業を展開しています。GumGumの広告サービスの特徴は、ウェブ上の画像と文章をAIで理解して文脈に沿った広告配信を行う『コンテキスト・ターゲティング』、ブランドにとってイメージ毀損となるリスクを回避する『ブランドセーフティ』、不正広告(アドフラウド)の除外、自由度の高いリッチなクリエイティブが挙げられます。現在、北米を中心に世界各国で「Fortune 100」企業等の広告活動をサポートしており、2017年以降、日本でも数多くの企業の広告活動を支援しています。コンテキストターゲティングのパイオニアとして常に新たなサービスの開発を続けるほか、Cookieレス時代に相応しい広告の普及に向けて活動を展開しています。
日本国内では2017年からビジネスを開始し、現在150社以上の企業様とお取引をさせていただいています。
コンテキスト広告とは?
細井:IDFAやCookieの利用制限が見込まれる中、コンテキスト広告が注目されていますね。コンテキスト広告の特徴について改めて教えていただけますか?
※IDFAとは
IDFA (Identifier for Advertisers) は、Appleがユーザーの端末にランダムに割り当てるデバイスIDです。
松本:インターネット広告のターゲティング手法の一つで、Webページ上にある内容を解析し、その内容に適した広告を配信する手法を指します。各社ソリューションによって精度とアプローチは異なりますが、方法としてはWebページ内のキーワードや文脈、画像をもとに、コンテンツの内容に合った広告が自動的に配信されるため、Webページ内のコンテンツと広告との親和性が高く、閲覧しているユーザーの興味をひきやすい特徴があります。
細井:文脈や画像まで判別して配信できる事で、より的確にユーザーへ訴求できますね。
松本:グローバルおよび日本でもCookie離れが進む中、Cookieに一切触れないコンテキスト広告は新たな手法として注目されています。広告主様がコンテキスト広告を使うことで、”適切な広告を、適切なタイミングで、適切な人に”届けることができ、消費者の関心を捉えることができます。今まさにユーザーが興味を持っているタイミングを捉えることができ、リアルタイム性が高いターゲティングとなりますので、属性ターゲティングとはまた違うアプローチが可能となります。
細井:なるほど。2021年に予定されているIDFAの制限に続き、2022年にはCookieも利用制限が見込まれる中、これからのブランド広告には必要不可欠な手法となりそうですね。
GumGumのコンテキスト広告の特徴
細井:コンテキスト広告が注目されている中、御社が他社と差別化されているポイントは何でしょうか?
松本:ここ最近、コンテキスト広告の領域にニーズが集まることで、国内外で様々なテック企業がコンテキストの領域に参入しています。その中での差別化要因としては、下記の図のように解析している情報の取得方法が挙げられます。他のコンテキスト広告ではサイトのカテゴリーやキーワードだけをベースに広告配信を行うのに対し、GumGumは”文脈”をベースとします。ここで言う”文脈”は、記事の内容に含まれる画像情報やキーワードの複雑な組み合わせなどを、総合的にどのような意味が含まれるかということを解析します。
例えば、”ヨーロッパ旅行”関連の記事があった場合、GumGumのAIを使えばその内容が”ビジネス旅行”なのかまたは”家族旅行”、もしくは”ハネムーン”なのかということが、AIの総合的な判断に任せることにより、正しく理解することができます。
図:何が他のコンテキスト広告と違うのか? GumGumの資料から抜粋
細井:なるほど。AIで精度高く文脈を解析した上で配信すれば、広告効果も期待できますし、ユーザーメリットも高そうですね。
GumGumのコンテキスト広告特有の効果
細井:御社独自の技術が特徴的であることから、広告効果としても反響があると思うのですが、いかがでしょうか?
松本:調査会社Spark Neuroとの共同調査によると、GumGumのコンテキスト広告の効果は通常のバナー広告に比べて2.2倍、文脈と関連性の低い広告よりも記憶に残りやすいことがわかっています。また、平均でも82%以上のビューアビリティーで、純粋ブランド想起率は標準的なディスプレイ広告よりも50%高く、助成ブランド想起率は14〜26%高くなりました。
(引用:A NEUROANALYTIC STUDY OF CONTEXTUAL AD EFFECTIVENESS)
極めて高い解析技術とターゲティング精度
松本:また、GumGumのコンテキスト解析AIは、10年以上にわたる開発と機械学習により培われた高度な解析技術で、コンテキストターゲティングの精度は業界でもトップレベルです。米国で実施された電通インターナショナルの調査では、コンテキストターゲティングの業界平均よりも約30%高いターゲティングの精度を持つことがわかっています。
(引用:Understanding Contextual Relevance and Efficiency)
GumGumのブランドセーフティーの取り組み
細井:弊社はMomentum、IASとブランドセーフティーの取り組みを行っていますが、御社でも取り組まれていることはあるのでしょうか?文脈上、ブランド毀損があるような掲載面は広告主様としても避けたいところですよね?
松本:ブランドセーフティーに対しても対応をしています。配信先のページ内容が文脈上「ブランドセーフ」(ブランド毀損リスクが低い)かどうかの分析も行うことで、広告主様にとって不適切な内容のページへの広告表示を回避します。
解析の結果、リスクの高い文脈を回避することでブランドセーフティを重視した広告環境を実現します。
GumGumを使った広告の事例紹介
菅原:株式会社IHI様の事例をご紹介させていただきます。IHI様は1853年創設の総合重工業グループですが、近年若者世代から意識されにくいという課題感を持たれておりました。そこでGumGumのコンテキスト広告を活用し、就職活動やキャリアなど「若者の関心にマッチした文脈」と重工業、技術、資源・エネルギー、インフラ、産業機械、航空・宇宙など「IHIと関連性の高い文脈」に対して広告配信を行う取り組みを実施いたしました。
これらの文脈に対し、ユニークなTVCM動画とバナーを組み合わせたGumGumオリジナルの広告クリエイティブを配信することで、約1.2%の高いクリック率と企業認知獲得を実現することができました。適切な文脈を選ぶことで、広告内容やIHI様への関心が最も高まるモーメントを捉え、潜在層に的確にリーチすることができたと考えております。
GumGumとScaleOut DSPの連携でできるようになったこと
1.GumGumのコンテキスト広告のセグメントと掛け合わせでリーチできるようになった
細井:GumGumと連携したことにより既存の※ScaleOut DSPのセグメントとは別にGumGumのコンテキスト広告のセグメントにも配信できる様になりました。
3rdパーティCookieが使えない場合でもコンテキスト広告によりターゲットとなる趣味趣向にあわせてコンテキスト広告を配信できます。
※ScaleOut DSPで利用できるセグメントについては下記URLから資料ダウンロードできます。
https://supership.jp/business/scaleout/
2.GumGum独自のリッチなクリエイティブが魅力的
細井:GumGumのリッチなクリエイティブが使えることも魅力的です。
実際にどのようなクリエイティブが掲載できるのかご紹介します。
下記のURLをご参照下さい。
https://japan-gallery.gumgum.com/in-screen/dazn/tablet
細井:GumGumの特徴であるコンテキストターゲティングに加え、リッチクリエイティブでもあることから、広告主様の解決したい課題に沿った訴求・表現方法が可能であることもGumGumの魅力だと思います。
特徴がある広告ですので、ユーザーにとって目につきやすく、広告に触れた人の感情をより変化させることも期待できます。
GumGum × ScaleOut DSP 配信事例/効果
細井:GumGum × ScaleOut DSPを実際に導入したフィリップス・ジャパン様を紹介します。今回の対談にあわせてフィリップス・ジャパンの野澤様より以下の通りコメントを頂いています。
「弊社の光美容器は3万~6万円台の高額美容家電のため、潜在顧客の検討時間も長く、認知・比較検討・購買の各フェーズに適したクリエイティブの製作、および配信最適化を実施頂き、結果として市場シェアを大幅に高めることができました。
広告の企画段階から積極的に連携頂けたこと、豊富なデータと分析力を背景にこれまでにない視点からご提案を頂き、光美容器はまだ市場浸透率が低い製品のため、今後の拡がりを感じています。」
株式会社フィリップス・ジャパン
パーソナルヘルス事業本部
ビューティー&新規カテゴリ―
マーケティングマネージャー
野澤 奈津子
細井:GumGum×ScaleOut DSPの特徴を活かし、特に効果を発揮できた好事例です。
この事例以外にも高パフォーマンスで運用できている実績もあり、
他の広告配信と比べても非常に高いビューアビリティーで、CTRとしても通常配信と比較してかなり高い傾向にあり、高いビューアビリティーと相まって送客効率が良好です。
また広告認知、購買意欲共に高リフトの結果が出ている案件もあります。
高いビューアビリティーで視認性も高く、広告接触者のブランドリフトにも貢献していると言えますね。
なぜScaleOut DSPと接続したのか?
細井:GumGumがScaleOut DSPと接続した理由を教えてください。
松本:日本支社、そしてアメリカ本社の意向が一致し、決め手になったのは、
国内でのGumGumのビジネスを推進していく上で強力なパートナーになってもらえるポテンシャルがScaleOut DSPにはお有りであるという点でした。
既に開発が済んでいる外資系DSP様とは異なり、今回ScaleOut DSPとの連携においては、ゼロスタートからの開発案件でした。そのためHQを説得するにあたり、いかに弊社にとっての持続的な成長に繋がるパートナーになっていただけるかという点が重要でした。
細井:具体的にScaleOut DSPを評価頂けたポイントはどのようなところでしょうか。
松本:ScaleOut DSPは豊富で精度の高いデータをお持ちで、且つ国内での確固たるお取引実績がお有りであるということがポイントとなりました。また、導入に際してはHQ側との度重なる折衝がある中で、Supershipのトップクラスのエンジニアチームの皆様に心強いサポートをいただいたことも、現在の強い信頼関係を築くことができたことに繋がっていると感じています。
GumGumの今後の展望
細井:コンテキスト広告が注目されている中で、特にGumGumの注目度が高まっています。SupershipとしてもGumGumの今後の展望に注目しています。
松本:GumGumのようなブランディングを目的とするデジタル広告においては、従来型のCTR、CVR、CPAを始めとするユーザーのアクションをベースにした指標を当てはめるには、少し無理があるケースもあります。
本来のブランド広告のKGIを考えたときに、全体の1%のアクションを取るユーザーだけを見るより、99%の接点を持ったユーザーがどのような心象を受けるのかということを考えるべきです。
ある広告主様では、デジタルのブランディング広告をOOHや雑誌タイアップのような発想で、あくまで一つの ”ユーザーとの適切なタッチポイント” という位置付けで、それ以上を求めないというケースもあります。
その広告主様はどちらかと言うと、施策のメインのKGIは獲得指標で、ありとあらゆるデジタル施策を活用しているのですが、企業のブランディング施策については一定の線引きをされています。
今後はこの広告主様のように、デジタルだからといって従来型のアクションに対しての評価を当てはめるのではなく、いかに質が高いコンテンツにそのブランドらしさが伝わるメッセージを発信できるか。そういった視点で評価をしてもらうことをGumGumとしても提案をしていきたいと思っています。
どういったユーザーにその広告は届けられ、どんな残存効果を残すことができたのか、ということを実証するためにもScaleOut DSPがお持ちの”User insight”などを活用していくことが鍵となると考えています。
細井:ありがとうございます、おっしゃる通りだと思います。更にGumGumのコンテキストをターゲティングとして利活用し、※Supershipが保有しているセグメントデータに対して、広告効果が高くなるモーメントが明らかになるような分析や、配信スキームの確立を共同で作って行くこともGumGumの更なる利用促進の一手になるのではないかと考えています。
パートナー紹介第一弾としてGumGum様を紹介させていただきました。
これからのGumGumとコンテキスト広告の発展に期待したいと思います。
※Supershipが保有しているセグメントデータ
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