2024年4月1日より、Supership株式会社は親会社であるSupershipホールディングス株式会社に吸収合併されました。
合併に伴い、存続会社であるSupershipホールディングスは社名をSupershipに変更し、新たな経営体制を発足しました。本件に関する詳細は、プレスリリースをご確認ください。

【セミナーレポート】地上波×デジタル 過熱する動画広告で継続的に成果を出すには?最新のトレンド事例を交えてお伝えします!【UltraImpression×Supership×Momentum】

セミナーレポート

【セミナーレポート】地上波×デジタル 過熱する動画広告で継続的に成果を出すには?最新のトレンド事例を交えてお伝えします!【UltraImpression×Supership×Momentum】

大きく伸長している動画広告市場。コロナ禍でその傾向はさらに加速し、2025年には1兆円規模に達する予測(※1)もあり、市場は既に「過熱している」状況にあります。

こうした市況において、持続的に成果を上げるデジタルマーケティング施策を行うために押さえておきたい動画広告に関する基本情報や最新トレンド、実施にあたり気をつけるべきポイントをお伝えするべく、動画広告配信プラットフォームを提供する株式会社UltraImpression、Supership株式会社と、アドベリフィケーション事業を行うMomentum株式会社の3社によるセミナーを開催しました。
本記事では、セミナーの一部をレポートにてお届けします。

※1:サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査を発表 https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=27195

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【UltraImpression×Supership×Momentum】地上波×デジタル 過熱する動画広告で継続的に成果を出すには?最新のトレンド事例を交えてお伝えします!

登壇者:

(左から※敬称略)
株式会社UltraImpression プラットフォームビジネスセンター長 青柳 拓
Supership株式会社 アカウントセールス事業領域 アカウントセールス推進部 島松 美緒
Momentum株式会社 Chief Product Officer 柳谷 俊輔

目次:
多様化する動画広告とインストリーム広告急成長の要因
動画広告の出稿媒体を比較する3つのポイント
①視聴完了率と有音再生率
②専念視聴/視聴態度
③広告受容性
動画広告を取り巻く3つの重要トピックス
①3rd Party Cookie(サードパーティーCookie)/広告ID(広告識別子)規制
②民放テレビの地上波リアルタイム配信
③新たなチャネルに応じたアドベリフィケーション対策
地上波×デジタルでさらに広がる動画広告の可能性
まとめ


多様化する動画広告とインストリーム広告急成長の要因

Supershipでは、国内における動画広告配信の黎明期より提供している「ScaleOut DSP」を通じて、各種データを活用した高精度な動画広告の配信を行っています。
セッションの冒頭で「ScaleOut DSP」のセールスを担当するSupership島松は、各種動画広告フォーマットの特徴を解説し、広告主のニーズの高まりを特に感じるのはインストリーム広告(動画プレイヤーの中で、動画の最初や最後、もしくは途中で再生される広告のこと)であり、費用対効果の面でも高い効果を得られやすい傾向があると紹介しました。

ScaleOut DSPで対応している動画広告の種類

「YouTube」や「TikTok」などのソーシャルメディア系サービスの利用率の高まりに加え、コロナ禍での「巣ごもり」需要の後押しもあり、国内でも民放公式テレビ配信サービス「TVer」や「ABEMA」といったインターネットテレビプラットフォームを通じ、手軽に動画を視聴できるサービスが私たちの生活の中に浸透しています。こうした環境の変化により、動画視聴中に差し込まれる広告視聴体験は今や「当たり前のもの」として多くの視聴者に受け入れられており、インストリーム広告市場の急激な成長やパフォーマンスの高さがそれを裏付けているのではないかと考えられます。

さらに、「TVer」や「ABEMA」など、テレビ局がコンテンツを提供する動画ストリーミングサービスへの広告配信プラットフォームを提供するUltraImpression青柳氏は、テレビをリアルタイムで視聴するユーザーが少しずつ減少している一方で、コネクテッドTVの視聴者が急増しているとのデータ(同社によるビデオリサーチ社を通じた独自調査)からも、「インターネットテレビ」の存在感が増しているという点にも言及。
これまでテレビCMに予算を投下していた広告主が「TVer」などを通じてデジタル領域での広告配信を実施するケースが増えている点も、インストリーム広告市場の成長を後押しするもう一つの要因であると言えます。

テレビを週に1日以上利用するユーザーは少しずつ減少する一方、コネクテッドTVを週に1日以上利用するユーザーは2018年〜2022年の間で約2倍成長

テレビを週に1日以上利用するユーザーは少しずつ減少する一方、コネクテッドTVを週に1日以上利用するユーザーは2018年〜2022年の間で約2倍成長(資料提供:UltraImpression社)


テレビ受像機のインターネット結線率は、2018~2022年の間で約2倍成長(資料提供:UltraImpression社)

テレビ受像機のインターネット結線率は、2018~2022年の間で約2倍成長(資料提供:UltraImpression社)

動画広告の出稿媒体を比較する3つのポイント

このようにインストリーム広告を中心に活況を呈している動画広告ですが、具体的にどういったデジタル動画メディアで訴求すると、より高い広告効果を得られるのでしょうか?
UltraImpression青柳氏によると、出稿先の媒体を選定する際に注目すべきポイントは3つあります。

①視聴完了率と有音再生率

「インストリーム広告」と言っても、視聴完了率や有音再生率は配信先の媒体によって様々です。UltraImpression社の独自調査によると、SNSに多く見られるインフィード形式(ニュースメディアやSNSのフィード型コンテンツの間に挟まれる形で表示される広告のこと)の動画広告はInView率(視認率)が低く、ほとんどが音無しで再生されており、無料動画投稿サイトと視聴完了率を比較すると「TVer」の方が2倍近く高いことが明らかになりました。

動画広告を音声付きで高い視聴完了率で接触させられるメディアは「TVer」(資料提供:UltraImpression社)

動画広告を音声付きで高い視聴完了率で接触させられるメディアは「TVer」(資料提供:UltraImpression社)

②専念視聴/視聴態度

また、媒体ごとにユーザーの視聴態度が異なることから、コンテンツの専念視聴度にもばらつきがあります。ビデオリサーチ社を通じたUltraImpression社の独自調査によると、「TVer」はユーザーの「専念視聴」が多いメディアであり、広告メッセージが残りやすい媒体であると考えられます。

専念視聴度は「TVer」が高い傾向にある(資料提供:UltraImpression社)

専念視聴度は「TVer」が高い傾向にある(資料提供:UltraImpression社)

これを裏付けるデータとして、ユーザーが広告動画にどの程度注目しているかアイトラッキング調査を行った結果、専念視聴率が高い「TVer」は、無料動画投稿サイトよりも広告視線注目率が高いことがわかりました。

アイトラッキング調査によると「TVer」は広告視線注目率が高い傾向にある(資料提供:UltraImpression社)

アイトラッキング調査によると「TVer」は広告視線注目率が高い傾向にある(資料提供:UltraImpression社)

③広告受容性

どの媒体で動画広告に接触するかによって、ユーザーに与える印象にも違いが見られます。コンテンツメディア価値研究会がビデオリサーチ社を通じで調査したデータによると、「TVer」をはじめとするインターネットテレビのコンテンツ内に挿入されるCMは、無料動画投稿サイトで差し込まれる動画広告よりも、ユーザーに与えるストレスが低いことが明らかになっています。
これには、テレビ局ならではの企画制作力によるコンテンツの質の高さで、途中CMが差し込まれても従来のテレビ視聴スタイルの延長で視聴者に受け入れられやすく、さらにスポンサーに対する信頼感が醸成されやすい、などといった要因が考えられます。

動画広告に対する印象比較(資料提供:UltraImpression社)

動画広告に対する印象比較(資料提供:UltraImpression社)

興味深い調査結果として広告が受け入れられやすい「TVer」の媒体特性は、広告を視聴したユーザーに与える興味・関心のリフト値にも良い影響を与えているようです。

UltraImpression社が独自に行った接触した媒体ごとの態度変容調査では、「認知」のファネルにおいては「TVer」も「YouTube」もともにリフトをしていたものの、数値としては「YouTube」の方が高い結果となった一方で、下記グラフで示されている通り「興味・関心、好意」といった一段階踏み込んだファネルでは「YouTube」よりも「TVer」のほうがリフト値が高いという結果が明らかになっています。

態度変容調査(資料提供:UltraImpression社)

態度変容調査(資料提供:UltraImpression社)


UltraImpression青柳氏はこれらの3つのポイントを踏まえ、「YouTube」での広告出稿をすでに実施中、あるいは検討中の広告主様には、もう一つの選択肢として「TVer」をはじめとしたインターネットテレビサービスを活用した動画広告配信をお試しいただきたいと語り、前半のセクションを締めくくりました。

動画広告を取り巻く3つの重要トピックス

続いてのセッションでは、変化の激しいデジタルマーケティング業界の中でも動画広告に関連したトピックスについて、 Supership島松からいくつかご紹介しました。

①3rd Party Cookie(サードパーティーCookie)/広告ID(広告識別子)規制

プライバシー保護の潮流を受け、3rd Party CookieやIDFAなどのID規制が進んでいます。すでにSafariにおいてはリターゲティング広告(一度サイトに来訪したユーザーに広告配信を行う追跡型の広告)の配信に制限がかかっていますが、Chromeにおいても2024年後半頃から段階的に制限されていく見込みです。また、広告配信のみならず、ユーザーの行動分析や計測ツールの精度にも影響することから、これまでと同様のパフォーマンスが期待できなくなります。
こうしたCookieおよびIDレス環境の変化に対応すべく、SupershipではCookieに依存しない、ポストCookie時代を見据えたデジタルマーケティングのアプローチを多方面から進めています。

例えば、CookieやIDFAを利用したターゲティング広告配信の代替手段として、グループ会社であるKDDIのキャリアデータを活用したターゲティング広告配信ソリューション「Hyper ID」の開発・提供を開始しています。

これは、SupershipのSSP「Ad Generation」側でプログラマティック広告取引を行う際に、通信事業者が持つキャリアデータ(契約者情報や属性データ)を個人を特定しない形で暗号化し、これをDSP「ScaleOut」側で入札の際にターゲティングセグメントとして利用することができる、という仕組みです。これにより、 ポストCookie時代においても、SupershipではSSP「Ad Generation」を利用するアプリ・Web媒体社を通じ、キャリアデータに基づいた正確なセグメントでターゲティング広告を配信することができます。

また、キャリアデータを活用したCookieレスな広告配信手段として、au媒体を活用したデジタル広告の配信メニューのご提供や、SupershipのDMP「Fortuna」を活用し、匿名化されたキャリアデータをLINEやFacebook、Twitterなどの大手プラットフォームに連携することで、ターゲティング精度を大幅に向上することも可能です。

来たるCookie時代の終焉に備え、CookieやIDに依存しない、あるいは企業が持つ1st Party Data(ユーザーの同意を得て取得したもの)を活用するなど、ポストCookie時代の次世代型デジタルマーケティングへの検討・移行を、今のうちから進めていくことが重要となっています。

②民放テレビの地上波リアルタイム配信

2022年4月11日から、「TVer」にて地上波で放送するテレビ番組をネットで同時配信する「地上波リアルタイム配信」が解禁されました。
これまでデジタル上ではキャッチアップ(=見逃し配信)しか視聴できなかったテレビ番組を、リアルタイムでも視聴できるようになったのは、広告業界でもインパクトが大きいトピックスの一つです。
UltraImpression青柳氏はこの件について、「TVer」利用ユーザーからの反響は非常に大きく、実際に野球の試合中継では想定以上のアクセスが集中したことからニーズの高さを改めて実感し、今後のポテンシャルに大きな期待を寄せていると語りました。

③新たなチャネルに応じたアドベリフィケーション対策

セミナー冒頭のセッションで、インストリーム広告急成長の背景について、コネクテッドTVの普及が進んでいること、「YouTube」などの動画配信サービスやSNSの利用率が高まっていることを理由として挙げましたが、こうした新しいプラットフォーム(媒体)を狙って不正に収益を得る、いわゆる「アドフラウド」が世界的に問題視されています。
アドベリフィケーションを専業とするMomentum柳谷によると、海外ではコネクテッドTVが既にアドフラウドの温床になっているようです。加えて、ユーザー投稿型のCGM(Consumer Generated Media)であるYouTubeにおいては、広告主のブランドを毀損するコンテンツに自社の広告が配信されてしまうリスクが高くなるため特に注意が必要とのことで、実際にMomentumが検知したブランド毀損の事例が紹介されました。

YouTubeブランドリスク事例

左:公式アーティストチャンネルの中に、著名人のアカウントになりすまし、著作権侵害コンテンツを違法にアップロードしているチャンネルが紛れ込んでいるケース
右:反社会勢力を名乗る配信者のチャンネルに、ある政党の立候補者の広告が配信されてしまっている事例


こうした動きを受け、MomentumではYouTube向けのセーフチャンネルリスト(HYTRA DASHBOARD Channel Safe List)の提供を開始しており、YouTubeでの広告配信を行う際は、こうした不適切なカテゴリに属するチャンネルを除外した広告配信を行うことで、ブランドリスク・アドフラウドを排除し、結果的に広告の費用対効果を最大化に繋げるよう支援しています。

また、YouTube以外の媒体で動画広告を配信したい場合も、一般社団法人デジタル広告品質認証機構「JICDAQ」が定める高いアドベリフィケーション対策基準をクリアした認定事業者のプラットフォームを選ぶことで、リスクのある面に対する広告配信を防ぐことができる上、ROIの最適化にも繋がると解説しました。
(編集部注※UltraImpression(2021年11月1日〜)Momentum(2021年11月1日〜)Supership(2022年10月19日〜)の3社は、JICDAQ認定を取得しています。)

地上波×デジタルでさらに広がる動画広告の可能性

セッションの最後では、テレビとデジタルの組み合わせによるマーケティングプロモーションが持つポテンシャルの高さについて、UltraImpression青柳氏が事例をもとに紹介しました。

紹介されたのは、UltraImpressionとScaleOut DSPが共同実施した、某インターネット銀行の住宅ローンのキャンペーンの広告配信事例です。

各媒体におけるサイト来訪率を比較すると、テレビとデジタルの両方に接触したユーザーが最も高かった(資料提供:UltraImpression社)

各媒体におけるサイト来訪率を比較すると、テレビとデジタルの両方に接触したユーザーが最も高かった(資料提供:UltraImpression社)

テレビの地上波で報道情報系番組を中心に30秒CMを流し、幅広いターゲット層に広く認知を行うと同時に、デジタルでもUltraImpression(インターネットテレビ面)と、ScaleOut DSP(ウェブサイト面)で、住宅ローンへの申し込み可能性が高いユーザーにセグメントしてターゲティング配信を行い、キャンペーンサイトへの来訪を促しました。

それぞれのチャネルにおけるユーザーのサイト来訪率を比較したところ、テレビとデジタルの両方に接触したユーザーが最も高い結果が得られました。

このことから、デジタルとテレビの相乗効果により、動画広告のポテンシャルや価値はまだまだ成長の余地があると言えます。

ただし、ここには課題もあります。

複数の媒体に対し、複数のアドプラットフォームを活用した横断的なマーケティング施策を展開することで、相乗効果が期待できる一方、その効果を正しく評価するための統一指標については、業界全体でまだ手探り状態にあることも事実です。

様々な事例を積み重ねながら、統一指標のあり方やベストプラクティスを模索し、トライ&エラーを続けていく必要があります。

まとめ

以上、セッションの一部をダイジェストでお届けしました。

UltraImpressionとScaleOut DSPでは、数多くの実績をもとに、動画の持つポテンシャルを最大限に活かした最新のマーケティング施策を、クライアントの課題に寄り添いながら立案から実施までサポートしています。

また、Momentumでは、国内初のアドベリフィケーション専門事業者としての実績や、様々なニーズにフィットした導入しやすいソリューションラインアップで、リスクのある媒体を排除し安全で無駄のない広告配信をサポートしています。

それぞれのソリューションについて少しでも気になることがありましたら、どんなご相談でも構いませんので、是非お気軽にお問い合わせ下さい。


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