2024年4月1日より、Supership株式会社は親会社であるSupershipホールディングス株式会社に吸収合併されました。
合併に伴い、存続会社であるSupershipホールディングスは社名をSupershipに変更し、新たな経営体制を発足しました。本件に関する詳細は、プレスリリースをご確認ください。

現役マーケターが考える「マーケターのキャリアの磨き方」とは? #アドテック東京2017セミナーレポート

セミナーレポート

現役マーケターが考える「マーケターのキャリアの磨き方」とは? #アドテック東京2017セミナーレポート

今年の「ad:tech tokyo 2017(アドテック東京2017)」は総来場者数 1万4,095人(前年比35%増) と多くの来場者で賑わいをみせていました。
Supershipからは、公式セッションにて代表取締役 森岡康一や広告事業本部CMO 中村大亮をはじめ、展示ブースでも何名かスピーカーとして登壇の機会をいただきました。
本記事では、その中から広告事業本部CMO 中村が登壇した、アドテック内で開催の「アドキャリ」で行われたセッションをサマリーしてレポートいたします。

<#アドテック東京2017セミナーレポート>
弊社代表 森岡の登壇レポート「デジタル社会に適した広告プラットフォームの変化
デジタルエージェンシー事業部 導入事例「『CPAではみていない』セゾン自動車火災が取り組むデータドリブンな最新マーケティング事例」)

 

「デジタルマーケターのキャリアの磨き方」を考える

17日にアドキャリで開催されたデジタルマーケターのキャリアについてのパネルディスカッションでは、様々な業界から多種多様な経歴を持つ4名のマーケターが集まりました。

モデレーターは、デジタルエージェンシーとして広告プラニングやオウンドメディア運営支援を行う株式会社インフォバーンの取締役/執行役員 田中準也氏、スピーカーとして、
1716年創業、暮らしの道具を扱う奈良の老舗企業の株式会社中川政七商店 執行役員 CDO/デジタルコミュニケーション部 部長 緒方恵氏、化粧品・健康食品の分野でオリジナルブランドを中心に通信販売を展開する株式会社JIMOS 執行役員 川上智子氏が登壇し、
Supershipからは広告事業本部CMO 中村大亮がスピーカーとして登壇しました。

パネルディスカッションでは、まず、4名それぞれの現在に至るまでのキャリアが語られました。

Supership株式会社 広告事業本部CMO 中村大亮

Supership中村は大手トイレタリーメーカーのライオン株式会社の営業としてキャリアをスタート。マーケティングに興味を持ったのは、マーケティング部門に異動になった時のこと。

「サイバーエージェントのアメブロなどブログサービスが始まってWebの可能性がさらに広がり、これからはWebの時代が来ると思いました」(中村)

ブログを使ったマーケティングに取り組んでいきたいと考えた中村は、当時在籍していたライオンから株式会社オールアバウトへ転職を決めます。
生活総合情報サイト「All About」を運営するオールアバウトでデジタルマーケティングの知見を身に付けていくなか、中村の次のキャリアへの転身はプライベートで訪れた大きな転機がきっかけでした。
「子どもが誕生しまして、コンサバティブな考えではありますが、子どもが成人するまでは安定した仕事を、と大手総合電機メーカーの三菱電機へ転職しました」(中村)

その後、再びオファーを受けたことをきっかけに、もう一度ライオンでマーケターとして勤めることに。ここで中村のマーケター人生を大きく変えることになる出会いを果たします。

「マーケターとして尊敬している高広伯彦さんが主催するマーケティング合宿に参加したときに、同い年の参加者が行ったプレゼンが『マーケティング部門として』という視点であっても、会社や業界をどう変えるかという内容になっていて・・。同い年のマーケターが自分よりもかなり高い視座を持っていることに衝撃を受けて、そこからは業界を変えるというマインドで仕事をしたいと思いました。
そのためには広告主としての立場ではなく、ベンダーや代理店の立場からできることの方が多いのかもしれないと考えて、今はソリューションベンダーであり代理店としての機能も持っているSupershipに在籍しています」(中村)

株式会社中川政七商店 執行役員 CDO/デジタルコミュニケーション部 部長 緒方恵氏

続いて、中川政七商店 緒方氏のキャリアが語られました。

中川政七商店に入社する以前は東急ハンズで多くの売れ筋商品を生み出したバイヤーとして活躍されていた緒方氏。2008年にiPhoneが発売されて「世界が変わる瞬間に立ち会っている興奮があった」(緒方氏)といいます。

その後、バイヤーから公式ECサイトなどを運営するWebチームに異動となりましたが、当時はWebについての知識はゼロ。一から勉強をスタートして、売上などの数字だけでなく、顧客の行動まで可視化できるWebの面白さに夢中になったそうです。

そして、2011年から現在の中川政七商店でのキャリアをスタートます。

「デジタルを使って日本の小売業をどう変えられるのか考えた時に、もう一度、作り手の想いが込められ、贈る人や贈られる人の想いが込められる“モノ”を広めていくことに立ち返りたいと思い、中川政七商店に転職しました」(緒方氏)

株式会社JIMOS 執行役員 川上智子氏

JIMOS川上氏がキャリアをスタートしたのは現在も勤めているJIMOSでした。以降、現在まで転職を経験することなく、ステップアップを続けられています。

入社当初に配属になったのはコンタクトセンターでの接客だったそうですが、半年後に広告部門に異動。当時はまだデジタルマーケティングの手法も今ほど多様化していないなかで、担当していた広告配信を通して「商品の良さが伝わるとはどういうことか」という部分に着目するようになったそうです。

「そこから商品開発にも興味を持って、手を挙げていたら携わることができるようになりました」(川上氏)

早くから先進的なデジタルマーケティングに取り組んでいたJIMOSでは、「Webマーケティングという言葉を会社からなくそう」という目標を掲げているとのこと。

この言葉の意味するところは、「Webマーケティングだけをやるのではなく、オンラインとオフラインの両方を考えながらマーケティングができる人材の育成を目指しています」(川上氏)だといいます。

「もともと新卒での就活で当社への入社を決めたのは、会社の理念に惹かれたというのが大きかったので、トップが変わることがあってもマーケティング戦略においては理念を通すことを意識していました。思想を持ってブランドを創り上げていかなければ、お客様と長くお付き合いはできないと考えています」(川上氏)

株式会社インフォバーン 取締役/執行役員 田中準也氏

最後にモデレーターを務められたインフォバーン田中氏は、広告業界としてはジェイアール東日本企画の情報システム部門でキャリアをスタートさせ、その後、営業・プランナーを経て新規事業を担当。電通、トランス・コスモス、メトロ アド エージェンシー、電通レイザーフィッシュなどさまざまな企業で多様な経験されて現在に至ったそうです。

マーケターはどのようにキャリアを磨いていくべきなのか

登壇マーケターのみなさんの幅広い経歴を紹介したあとは、マーケターのキャリアについての率直な意見交換へ。

そもそも『マーケター』とはどんな仕事なのか、という問いがモデレーターの田中氏から投げかけられました。

中村は「私はメーカー経験が一番長いので、その経験で例えると・・」と前置きし、「企業の立場から商品を届けてお客様を幸せにしたり、課題を解決するプロセスをマーケティングとして捉えています。マーケターとはそのプロセスに関わるすべての人ではないでしょうか」と自身の意見を述べました。

一方、緒方氏は「自分のことをマーケターと意識したことはない」としながらも、「マーケティングとはお客様に価値を提供する仕事だと思っています。社長も店舗スタッフも管理部もデザイナーも、全員がマーケターであるべきですし、実際にそれぞれの仕事を通してその役割を担っていると思います」とコメント。

川上氏も「(社員)全員がマーケターであるべきというのは、私も日頃から意識しています」と緒方氏、中村の意見に同意し、登壇者全員がマーケターの役割もその役目を担う人材も、広い意味で捉えていることがわかりました。

では、マーケターは業務において、どんな視点を持つべきでしょうか。

中村は先に述べたマーケター合宿で自身のマインドセットが変わったことを例に挙げ、「自分がこの視点で働きたいと思ったら、さらにもうひとつ上の視座で働いてほしい」とコメント。常に今よりも少し高い視点で物事を見る習慣を持つことが重要だと述べました。

これに緒方氏も「ビジョンを強く持って、明確に自分の言葉で伝えることができるというのは大事」と同意。その上でメンバーを採用する際のポイントについて尋ねられると、「例えば、スキルを増やしたいから転職するといったキャリア重視の観点だけで仕事を考えているのではなく、マーケティングを通じて何を伝えたいのかといった情熱を持った、同じテンションで仕事ができる人を採用したい。仕事は誰とやるかが大事なので、RPGのような『俺たち最強の仲間だよな』という連帯感が欲しいと思っています」と回答しました。

また、マネージャーの役割としては、「メンバーには業務の最適化などでパフォーマンスをあげることを目指してほしいが、最適化だけでは120%は目指せても300%は難しい。マネージャーにはリソースの3割くらいは300%を目指すための脳内活動にあててもらいたいですね」(緒方氏)と述べ、“考える”ことの大切さを強調していました。

川上氏もこれに同意見で、「何が本当の価値なのかを考える時間はとても大事です」と述べ、さらに現在マーケターとして業務にあたっている方、またはこれから目指す方に向けて「主観を鍛えることが大切です」とアドバイスされていました。

最後に、マーケターとしてのキャリアを考えている方に向けて、登壇者それぞれからエールが贈られました。

「お客様に向き合うことに時間を使ってほしい」(川上氏)

「いろいろ人と会話をして、組織の壁を壊して大きなレイヤーで考える」(緒方氏)

「自分の仕事のドメインをあまり気にせず、会社が良くなると思ったら突き進んでほしい」(中村)

「スキルセットだけにとらわれず、純粋に追求したいという思いも大事」(田中氏)

多彩なキャリアを持つマーケター登壇者によるパネルディスカッションは、これからマーケターを目指す方、そして現在マーケターとしてキャリアを積まれている方にとって、キャリアを考える良いきっかけになったようで、セッションは盛況のまま終了しました。

 

(取材協力・写真:山田井ユウキ)

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